次の発明家を育てる! マネフォの「知的財産ワークショップ研修」
※この記事は、2022年5月19日にMoney Forward採用広報の苞山さんに作成いただき、Money Forward採用公式noteページで公開していた記事を再公開した記事です。
マネーフォワード知財戦略部では、新卒メンバー向けに「知的財産」研修を行っています。
「特許権」「商標権」「著作権」などの侵害訴訟がよくニュースになっていますが、ああいったことを起こさない(起こさせない)ための体制作りも、企業の知財戦略を実現するための施策のひとつ。
かく言うマネーフォワードも、過去に特許侵害訴訟で提訴されたことがあります。
結果は、マネーフォワードの勝訴でしたが、勝訴であっても経営への影響はとても大きなものでした。裁判対応のための時間とコスト、何よりユーザーやクライアントの皆さまにもご心配をおかけしました。
この経験から、マネーフォワードは知財戦略を強化し、研修などの教育施策にも力を入れています。
知的財産の研修というと、難しくて堅いものを想像されるかもしれないのですが、マネーフォワードのそれはちょっとユニークでより実践的な研修になっています。
このnoteでは、その内容を一部ご紹介させていただきます。
この記事が、「知的財産とは何か」や「マネーフォワードの文化」に興味を持っていただくきっかけになれれば幸いです。
研修内容
1)実は身近な「知的財産」|マネーフォワードでの定義や基礎知識
まず重要なのは、そもそも「知的財産とか何か」という基礎知識の習得。
マネーフォワードでは「特許権、商標権、意匠権、著作権など」のいわゆる知的財産権に限らず、「技術、データ、ノウハウ、ブランド、コンテンツ等」も広く知的財産と捉えています。(参照:マネーフォワードグループの知財戦略方針)
その上で、ユーザーの皆さまに安心してサービスを使っていただくために、以下に重点を置いた座学研修を行っています。
教科書的な内容はもちろん、最新のニュースや身近な事例などを交えて「知的財産」について興味を持って学んでもらうことも大事にしています。
【例:ロバート秋山さんプロデュース体モノマネTシャツと「特許権」】
身近な特許を例に、特許文献の読み方などを学びます。
特許公報の基礎構造から、どう読み進めていくと理解しやすいかなどを説明します。
特許文献に馴染みがなくても「お笑いのネタも特許に!?」とつい読み進めてしまいます。(「目の位置」が重要なんですね。)
2)「知的財産」を生み出してみよう!|発明届ワークショップ
そしてここ数年で力を入れているのは、発明届ワークショップです。
(※発明届は、メンバーが特許の観点からアイデアを整理し、知財戦略部と連携するためのマネーフォワード社内用の書面です。)
この研修では、発明届を実際に作成することを通じて、一般的なサービス開発のアイデア創出に知的財産の要素を組み合わせたプロセスを経験することができます。
1)で得た知識を、「第三者の知的財産権を尊重しつつ、今までにないユニークなサービスを創出する思考スキル」として業務で活かせるようになることが目的です。
【思考プロセスを学ぶための研修スライドの一部】
※実際の資料では別途、知財戦略の専門的/詳細な内容に言及しています。
1.アイデアの背景
2.思いつく従来サービス
3.課題発見
4.課題の深掘り
5.解決方法とフローチャート
6.先行技術調査
の順で、チームごとに発明届を作成し、知財戦略部のメンバーからフィードバックも行います。
2022年は、【近年ではスマホで検索してレストランへ行くのが主流】を背景として、メンバーにワークを進めてもらいました。
同じ背景であっても、思考プロセスの違いから、様々なアイデアが飛び出します。
実際に研修で出たアイデア例
参加メンバーからは、ワークを通じて知的財産に対する理解が深まるだけではなく、「小さなビジネスコンテストをやっているようだった」「他チームのアイデアの発表も勉強になった」と、アイデアを生み出すことを自体を楽しめたという声もあり、3時間の研修時間があっという間に過ぎていきました。
知的財産を生み出す「人材」を育てることも知財戦略の役割
このちょっと変わった研修について、知財戦略部の小日向さんに背景をお聞きしました。
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この研修の話をすると、「なぜ知財戦略部がアイデア出しの研修まで!?」と驚かれることもありますが、このポイントこそが、知財戦略部の重要な役割だと考えています。
知的財産を広義に捉えた場合、ブランドなどの単一的なものでなく、サービス自体が知的財産であると考えることができます。
知的財産はもちろん企業の重要な資産であり武器ですが、それよりもさらに重要なのはそれを生み出す人材です。今ある知的財産を守り、活かすだけではなく、そういった人材を育てることも知財戦略部の重要な役割です。
新しいものを生み出し、ユーザーに受け入れられるサイクルを継続的に回していく。
そして「この中の誰かがすごい発明を生み出すかもしれない」と期待しながら、その最初の1歩をサポートできるのってすごくワクワクしますよね。
(知財戦略部は他にも、特許や意匠につながる発明や創作を表彰する「INVENTION AWARDS」などを主催しています。)
そして、副次的な効果としては、メンバーが知財戦略部を身近に感じてくれることも期待しています。堅苦しい部署ではなく、近くにいて気軽に相談できるんだ、と思ってもらえれば、相談もしやすくなりますし、それが結果的に知的財産に関するリスクを下げることに繋がると思うんです。
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この研修は年々アップグレードし、今後は職種別などでも実施する予定とのこと。楽しみです!
ここまで読んでいただきありがとうございます。マネーフォワードの知的財産研修や、知財戦略部に興味を持たれた方は、是非ご連絡ください。
発明をしてみたい他職種の方も大歓迎です!
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