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プレゼントの理由

これまた、むかしの話。

わたしが実家を出て
結婚して別の家庭を築くタイミングで
mamaから腕時計をプレゼントされた。
結婚のお祝いとしてくれたものだった。
素直に受け取った。

わたしの夫になった相手にも
mamaは高価な腕時計をプレゼントした。
結婚の記念の品で、奮発したのだろうと思った。

それから10年以上が経過して
わたしの子供が中学へ入学するタイミングで
mamaは、その孫(わたしの子供)に腕時計をおくった。

やたら時計を贈る人だなと思ったけど
深く考えてなかった。

自分では買わないものを
人生の節目に記念にくれているのだから
妙な意図はないと思ってた。

ところが、だ。

わたしの子供が時計を贈られるタイミングで
mamaの本音が分かった。

mamaは、電話でわたしに言った。

時計というのは
外出する時にも、身に付けるもの。
だから、贈られた相手は
その時計を見るたびに
自分(mama)の事を思い出してくれるはず。

自分を必ず思い出して欲しいから
時計を贈るのだと。

私は、心底おどろいた。

節目節目で、時計をわたしたちへ贈ってきた理由は
mamaの存在をいつの日も知らしめる為。
意識させる為だったのだ。

相手に役立つとか、似合うとか
相手が喜ぶとか、そんな理由では無かった。

わたしや、わたしの配偶者や、子供は
時計を見るたびに
mamaの事を意識しなければならないらしい。

時計を身に付けるたびに
「自分を思ってもらえる」とmamaは思っている。

呪縛だ。

思い出すって、そんな事から?
好きな親族、いつも意識したい相手なら
何かを身につけなくても思い出すだろうにね。

わたしは日々
ヒステリーの塊だった毒親から意識をそらしたいのに
こんなところでも
わたしの生活に食い込んで来ようとするなんて。

本当は、寂しくて自信が無いところも
mamaには、あったのかもしれない。
だから、みんなに思い出して欲しい?

だけど、それなら
なぜ、もっと優しくしてくれなかったのか。
暴言やヒステリーを与えられれば
思い出したくなくなってしまうよね。

結局、自分に注目しといて!!
というアピールや執着心。

これは、わたしにとって
呪縛以外のなにものでもない。

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