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色彩調和論③~1分で読めるAFT色彩検定1級のポイント~

こんにちは。

カラースタイルの三好です。

今回も色彩調和論の続きです。ドイツとスイスから有名人をご紹介します。

◆オストワルトの色彩調和論◆

ドイツの化学者であるオストワルトさん。

ドイツ人らしいというか、きっちりと体系立てて考えられていてジャッドも絶賛しています。ジャッドの4原理でいう一番規則性の高い「秩序の原理」において最も高い評価をしているのです。オストワルトの名言は「調和は秩序に等しい」ですから 笑

オストワルト表色系とは、独自の色立体の中で、等色相三角形と呼ばれる等色相面の色票は「共通要素の原理」に従って配列、等白系列・等黒系列・等純系列から規則的な間隔で選ばれた色どうしの配色は、類似性の調和をする、という考え方

(詳しくは新テキストp53で扱っています)

中でも等純系列による配色は、物体表面の明暗にも見られるところから別名「シャドウシリーズ」とも呼ばれます。そして絵画表現におけるキアロスクーロの一種と考えることができ、ジャッドの色彩調和論での「なじみの原理」にあたります。

オストワルト表色系

<画像をお借りしました>

ちょっと言葉が難しいですが、慣れたら規則性があってわかりやすいオストワルト表色系です。昨年のテストでは語句を問う形でこの辺りが出題されていました。

ちなみに旧テキストで出てきた色票集「カラーハーモニーマニュアル」は削除されました。絶版だからですかね。


◆イッテンの色彩調和論◆

イッテンさんはスイスの美術教育者。美術の先生らしく絵の具の混色から色彩調和を考えています。

またドイツの総合造形学校バウハウスの教授でもあり「色彩の芸術」という本を書いています。

画像2

<画像をお借りしました>

イッテンの表色系はここでしか扱わないので詳しく見ておきますね。

ポイントは、一次色(赤・黄・青)の3色をそれぞれ混ぜて

二次色(橙・緑・紫)を作る

さらに一次色と二次色を混ぜて計12色の色相環である。

次のポイントとしては、色相環上の相対する色は補色関係にあり調和。

ただ混色すると無彩色になる減法混色である。

そして色立体は、球形で中心軸に無彩色軸を置き、最上部が白、最下部が黒である。

イッテンはこの色相環を使って色相分割により、ダイアードやトライアドのように幾何学図形のように配色調和を考えた。

画像3

   (v16・v8・v24 トライアド配色の例)


さらにイッテンで有名なことは次の2点です。

・イッテンの面積比

 色相環の黄・橙・赤・紫・青・緑について、配色の適切な面積比は「黄3・橙4・赤6・紫9・青8・緑6」の割合で調和する。

この割合は、黄・橙・赤・紫・青・緑の明度の逆数を面積比にするとよい、とした。

・色彩調和には客観性が必要と述べる

イッテンは著書の中で「主観的態度の領域から客観的理論の領域に移行されるべきである」と述べ、「調和とはバランス、つまり力の均衡を意味する」とも言っている。


秩序とか、客観性とか、少しだけこの2人は似ているところがありますね。

あいまいな色というものを、学問として説明づけていく様子が感じられるなぁと私は思ってしまいました。

次回は、これまた美しさという概念を数値化しようとした色彩調和論の人たちについてです。

今日はここまで♪

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