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観劇録/ゴースト&レディ

観劇してきました!感激してきました!!(感想出オチ)
すごかった。劇終わったら顔ベシャベシャだったし、今も余韻でふわふわしてます。
どこを切り取っても「良かった…」しか感想が浮かんでこない。
すごい。こんなの久々に味わった。

迷ってる人見に行ってほしい。
演劇好きな人見に行ってほしい。
頑張ってる女の人見るのが好きな人見に行ってほしい。
看護に疲れた看護師さんたち、命の洗濯をしに劇場へどうぞ。多分自分の仕事に改めて誇りが持てると思います。

私は医療従事者でもナイチンゲールファンでもなんでもないけど、発表された時にタイトルに惹かれ、原作を読み、面白いのを確信してチケット取りました。
劇団四季はかなり久しぶりの観劇でして、最後に浜松町の劇場にきた時はこんな商業施設なかったぞって思ってました。
お茶するところがたくさんあって便利!

入る前から雰囲気合ってていいなぁ。

劇場、外と中にショップがあって同じもの買えるの便利だし、トイレの動線しっかりしてるし、綺麗で雰囲気があってロビーも広くて良かった。
座席はクッションしっかりしてるし、前の人の頭邪魔にならないし、舞台綺麗に見えるし快適。
二階席の通路挟んで一列め(7列目)だったんですが、手すりで多少役者の衣装が隠れたけど、顔は絶対隠れないから乗り出して見ることも必要ないようになってる。
専用劇場の強みだなと思ったのが、舞台の外、観客席の壁や天井にも装飾が施されていること。強い。強いよ…
あと、地味だけど感動したのが、劇場アナウンスがCMで「劇団四季」って言ってる人なのよ。
「し、CMと同じ声がするーっ!」ってテンション上がりました。
場内アナウンス大好き人間でごめん。

観客は、チケット取った時の状況を見るに1Fが四季の会、2Fは一般販売だと思うんだけど、2階席の男性率が非常に高い。ジョジョより男性多かった。
休憩中に男性トイレに列できてたんですよ。驚いた。
そこそこな年齢の方が多かったので原作ファンだと思う。
作者が良かったって言ってたら見にきたくなるよな、と納得。

ここから先は劇の感想文。
ガッツリネタバレしているので、見てない方は回れ右でお願いします。
見てから見てほしい。
 
 

本題感想文

 本日のキャスト
ノートルダム出演者が多いのは演出家の信頼なのかたまたまなのか。
ジョン・ホールの野中さん、経歴見たらスカー、フロロー、ジャファー、でネットミームの悪役三銃士みたいになってて信頼しかない。笑

劇場内は、開幕前だけ写真OKなので写真を撮りました。

座席からの景色

まるで絵だが?????

びっくりした。藤田先生の絵かと思った。拡大すると織り柄入ってるのがわかる。
劇場が暗くなると誰かの足音から始まる。
あれ、今思えばグレイの足音だったんだな。彼が劇場に現れるとその劇は必ず成功する。彼が頭から観にきたってことだ。凝ってる。

原作では、黒博物館シリーズの一環になっていて学芸員にグレイが話をするという流れだけど、舞台版はグレイが自分が見える観客に向けて話しかける形で物語が始まる。かちあい弾がでてこない。おや、と思う。

そしてバーンと舞台の幕があがると、そこには立派な観客席が。
向かい合う観客席。ドルーリー・レーン劇場だ!声出そうになった。
オペラ座でも舞台側に観客席がある演出はあったけど、全然違うのよ。二階席まであって人がいたんだもの。そこからの舞台転換もすごい。

そう、終始演出がすごいのよ。手品みたいで。
人魂みたいに炎は宙を舞うし、狭いところからお化けがわんさか出てくるし、グレイやデオンは本当に壁すり抜けるし、幽体離脱のシーンはマジでどうなってるのかわからん。
人々に憑いているゴーストたちは影として表現されてたんだけど、それもわかりやすくてよかった。良かったしあれどうやって映してたんだろう。立ち位置間違えたらおしまいだよな。
グレイやデオンの周りにふわふわもやが出てるのも良かったな、ゴースト感があって。

衣装もよかった。グレイがブルーグレーなので人々から浮いているのがわかるし、あとなによりデオンの衣装が最高だった。好きすぎる。ノート出してスケッチしたいくらいだった。ビスチェテイストのジャケットで袖口がレースとリボンでヒラっヒラしてて、後ろに少しバッスルがあってその下に二つに割れた黒い布が長く伸びてて、前はミニ丈のスカートですらっと長いニーハイブーツが伸びているの、好きすぎる。ブロマイドください。
デオンの衣装があれだけしっかりした色(黒)だったっていうのは、単純にゴーストだからじゃなくてグレイの霊力が枯渇して消えかかってるのを示していたんだろうか。アンサンブルのゴーストは真っ白だったしな。
後から気づくことが多い。

ラストの決闘シーンも、ここでフライングきたかー!と。
このシーンは一階席だと手前に人間、後ろ上空にゴーストがいてすごくいいアングルで見られたんだろうなぁ。
迫力あって良かった。

原作とちょこちょこ変えられていた登場人物や設定もあったんだけど、全然違和感なくて、ボブはいい仕事してて最期のシーンまでいい味出してた。
ポイントポイントで入る笑いどころがセンスあっていいのよ。うまい。

あとランプ。メインビジュアルに使われてて、フローが「ランプを持ったレディ」なのにランプ持ってるのグレイなんだよなーと思ったのは、劇中でこういう扱いされているからなのね。と納得。
最期のシーンでかちあい弾のかわりに借りてきたのが「ランプ」。お前の家から勝手に借りたって言ってたから、きっとクリミア戦争の時にグレイが渡したランプで、彼女が死ぬまで大切に使ってたんだろうなぁと思ったら堪らなかった。
あと、「何か青いもの」の空、原作読んだ時に気づけなかったんだけど、イギリスの話ということは青空っておそらくめちゃめちゃレアですよね。
極上の青いものじゃんって気づきました…。泣くしかない。
グレイが「誰も孤独に死なせやしないと言ったあんたを独りで死なせるわけにはいかない」ってもう最高の殺し文句言ってたんだけど、それだけでなく、最後のシーンで劇場の天井や壁にまで一面びっしりのランプが点って(ラプンツェルのランタン祭りみたいだった)、とても綺麗で、その方向に向かってフローが歩いていって終幕だったんだが、あのランプ、彼女が一生をかけて照らし続け看取った患者さんたちだったんじゃないだろうか。皆同じ思いで彼女を迎えにいったんじゃないだろうか、みたいなことを考えていました。
つまりこれって、フローやグレイにとってのハッピーエンドじゃなくて、みんなハッピーエンドってことよね。大団円じゃん。
もう、すごい。感動が津波。

で、まぁそこに追い打ちがかかるんですが、
この話はグレイがなんとかして書き上げた舞台の脚本だとかおっしゃる。
「あーーーーーーーーー」(言葉にできない)
劇の冒頭と劇中のやりとりここで回収しちゃうのかーーお見事ーーーー。
って舌巻いてたんだが、
100年かかったって言ってたから、この「劇」が「2024年の話」なんだなってわかる。
はーーーーーーーッッッ! 拍手していいですか。

余談ですが、他の方の感想文で「つまりあのフローはグレイから見たフローってことだよね」とか「きっとラブシーンはグレイが盛ってる」とか書かれててクスッとしました。それは仕方ないな。笑

あとー、カテコがめっちゃ可愛くってぇー。
最後グレイが「ハグしにこいよ」って煽るんだけどフローが近寄ったらするっと逃げてバックハグするのズルすぎだし、散々揶揄って先に消えてったグレイにフローがこっそり投げキスするの可愛すぎて顔覆った。
くっそラブラブかよ…!

言いたいことは他にもありそうなんだけど、2時間くらいかかってしまったので一旦ここまで。
どこを切り取っても語りたいことがあって、後から気づくことも多くて。思い出したらこっそり書き足すわ。
とにかく素晴らしい作品だったので、また見に行きたいです。

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