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ドライブレコーダー

鋭い感性の女性

インドネシア駐在中、コメントをやり取りしていた日本の
ブロ友さんから、ワタシが一時帰国する機会があったら、
会ってお茶しようとお誘いを頂いた事があった。

初めて会ったのは8年ほど前。ワタシの一時帰国時にスカイツリー駅で待ち合わせをした。電話番号の交換はしていたものの、全く面識が無く大丈夫か?そう思いつつ立っていたワタシに、笑顔で「sayangさんだよね」

そう声をかけて来た女性。なぜすぐにワタシだとわかったの?と聞くと

彼女は「想像通りだったので、すぐわかった」と言った。

一方、彼女は全くワタシの「想像違い」の女性だった。金髪、舌ピアス、Tatoo数か所、ワタシより10歳ほど年下の女性だった。

スカイツリーと浅草を散歩して、ランチを食べた。ランチくらいご馳走しようとしたら、きっぱりと「割り勘にしよう」
と断られた。とてもよく話し、笑う、楽しい女性だった。

彼女の20歳ほどのカレシの話を散々聞かされた。

「じゃ、またね」

その後、ワタシがインドネシアに住んでいる間、彼女のブログは一度たりとも更新される事は無く、ワタシのブログにコメントが付く事も無かった。

去年、日本に帰任してたまたま彼女のラインを見たら、プロフ写真がバイクになっていた。

おお~、意外。

今年ワタシが免許を取ってから「バイク買ったよ」メッセージを送ると、すぐに「今度一緒に走ろう」と返信があった。

プチツーリング

先日その彼女と早朝プチツーリングに行き、午前6時半開店のカフェでモーニングを楽しんだ。雑談の途中、急に彼女が聞いてきた。

 「バイクに乗っている最中にね、壁突っ込んでとか、
  海突っ込んでとか、もう死んじゃってもいいかな。
   そんな気になる事ない?」

「そんな事考えた事も無いし、大体バイクが可哀想じゃね?」

笑いながら答え、トーストとコーヒーを流し込む。
今回は少し歳上のカレシの話を散々聞かされた。

「じゃ、またいつか走ろう」

そう言って別れた。

帰宅してラインを見たら、その彼女からラインが届いていて、

 「大丈夫?」

 「何が?」

「なんかさっき元気なく見えたから」

「そう?」

「日本での仕事がつまんないんでしょ」

この女性は恐ろしく感性が鋭い。
まさにその通りである。

ワタシ 「ごめん、さっき嘘ついた」 そう返信

「何が?」

「バイクで壁か海に突っ込んで・・・の話」

「うん」

「それ、乗ってる時にしょっちゅう考えるから、ドラレコ付けた」

「なんでドラレコ?」

「ドラレコ付けてたら、自殺ってバレるじゃん?
  それだと保険が下りないから。自殺防止用だね」

「あはは、賢いじゃん。」

で、ライン終了

彼女と次に会う事があるのかないのか全く分からないし、会うとしても何年後になるかわからないけど、

また8年後とかだったら、間違いなくバイクはもう乗っていないだろうね。