おやーー

4年前に半身麻痺になったとき、自分では認めたくないほどショックだったのかも知れない。「一度死にかけたので、これからはやりたいことをやってしまわないと」と何度も何度も言っていた。実際問題として、脳出血は再発することも多くて、繰り返すうちに身体の機能が失われていくので、5年生存率はよくあるガンとどっこいどっこいだったりする。

仕事としては出版翻訳に専念しようと思った。元気な50代だったら収入や仕事量の面で出版専念は難しかったので、倒れたおかげでできると思いたかったのかも知れない。私のキャリアでは年に絵本数冊翻訳できればラッキーなぐらいで、ゆったり存在証明みたいに仕事することにすれば半人前になってしまったショックと向き合えると、心の奥で思っていたんだろうなあ。

障害年金をもらって、アーリ-リタイヤメント、悠々自適と言うことにしよう。一日に何度もそう考えていたのも、実はショック対応だったのだろう。

なんでこんなことを今思っているかと言えば、出版なのに締め切りできゅーきゅーと言う事態が発生してしまったからなのだ。あれもこれもやりたいと言って回っても、仕事にならないだろうという見込みが外れてしまって、なんか完全以上に社会復帰じゃないかと思ってたら、それまで自分が一歩半ほど引いた状態だったことを改めて実感して、こんなふうにショックを受け止めようとしてたんだとようやくわかったりして、それにも少し驚いている。

なんにせよ、わかってよかった。言い訳もきれい事もこれで終了して障害のある身体とも向き合っていこう。

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