ジム・ハンブルとジェネシスⅡ教会

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このおじいさんがジム・ハンブル(89歳)。MMSというどんな病気も治す奇跡のサプリを発見し、ジェネシスⅡ教会という教団を組織して、MMSを人々のために広めている。日本にもかなりファン(信者さん)がいるようでちょっと検索するとブログがゾロゾロ出てくる。内海医師や井口和基氏なども紹介していて、類ネット、thinkerなどにも好意的な記事が出てくる。

そのハンブル師のMMSが2016年10月26日の米国ABCの人気報道番組20/20で、取り上げられた。http://abcnews.go.com/US/wacky-church-fire-miracle-cure-autism/story?id=43054429

MMS(ミラクルミネラルソリュージョンあるいはサプリ)というのは、二酸化塩素を薄めたもので、これは秘密でも何でもないらしい。信者も工業用漂白剤と同じというのは知っているから、そこを指摘してもスルーされる。そもそも南米の鉱山で鉱山技師だったハンブル師がマラリアにかかった部下に飲料水消毒用のこれを飲ませたらたちまち快癒したというのが「発見の神話」だからだ。科学主流派や政府などの権威が「毒だ」と言って飲ませないものを飲んでみたらすごいものだったというところにセールスポイントがある。ちなみにハンブル師はサイエントロジー信者だったそうで、自分はアンドロメダから来たと語っている。

当然のことながら、ずっと「これは奇跡の薬です」というハンブル師側と「工業用消毒剤なんだから飲むな」という医療、政府側が対立している。2011年にはこれを飲んで死亡した女性の夫がFDAに報告しているが、検死ではMMSが原因だと特定されなかった。ハンブル師側とMMR利用者は二酸化塩素の奇跡的な力を政府が潰そうとしていると陰謀論を駆使しして反論していて(だから、日本でも陰謀論系のブログで好意的に取り上げられているのか)、FDAは攻めるきっかけを探し続けているというのがアメリカの現状らしい。


自閉症の子どもたちに飲ませている親がいるという番組の反響は大きかったらしく、10月28日にもロサンゼルスローカル局(KABC)の特集ニュースが全国枠で放送された。http://abc7.com/news/church-of-bleach-abc-news-confronts-founder-of-genesis-ii-church/1578279/

とりあえず、誰かにMMSをもらっても勧められても拒否しておくべし。(2011年に亡くなった女性は友人に旅行中の特効薬としてMMSをもらったらしい。)「MMSの塩素臭さを消して飲みやすくする方法があります」なんてブログ記事もあったが、「飲まない」一択だろう。サプリ愛好者には「とにかく自分で一度試して見てから」という人も多いようだが(好奇心に溢れている私と同じタイプなんだろうと親近感は感じている)下痢になっても、それ、体毒のデトックスじゃなくて飲んだものが毒だったというだけなので、二度と飲まないで欲しい。


2021年3月追記

日本の信者さんのつぶやきがtwitterで捕捉されて、ググってみたら、2020年にコロナに効くとサイトに書いたららしく、FDAから警告が出ていた。

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/genesis-2-church-606459-04082020

で、警告に従わなかったようで、裁判になって、漂白剤であると裁判で言われて敗訴している。

現状を見に行こうとしたら、信頼できないサイトだとカスペルスキーが言ってブロックされてしまった。万が一お知り合いが信者になりそうになっていたら全力で止めて欲しい。










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