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#7 ジャズピアニストからの影響

今回からカプースチンが影響を受けた作曲家編!2回に分けて書いていきます。まずはジャズピアニストからの影響をまとめていきます

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カプースチンが影響を受けたジャズピアニストには、オスカー・ピーターソン Oscar
Peterson(1925-2007)、アート・テイタム Art Tatum(1909-56)、ハービー・ハンコック Herbie Hancock(1940)、ビル・エヴァンス Bill Evans(1929-80)らがいます。

中でもカプースチンはオスカー・ピーターソンから最も影響を受けており、「He's No.1 for
me.」と語り、彼からの影響が絶大だったことがんかります。

オスカーピーターソン

オスカー・ピーターソンはジャズ史上最も優れたピアニストの一人であり、なんといってもピアニスティックな技巧が彼の最大の特徴と言えるでしょう。

オスカー・ピーターソンは音階の 3、5、7 番目の音を半音下げたブルーノートスケールや、二重音を意味するダブルノートを単音と混ぜて使うテクニックを用いて即興演奏を行っていました。

カプースチンの楽曲においてもブルーノートスケールダブルノートは積極的に使われており、これはカプースチンが尊敬してやまないオスカー・ピーターソンからの影響だと考えられます。

例に、オスカー・ピーターソンの《ブルース・エチュード Blues Etude》(1966)【譜例 1】12とカプー 13スチンの《24 のプレリュード Twenty-Four Preludes》Op.53(1988)より 6 番【譜例 2】 の両者を比較すると、単音と混ぜて使用されるダブルノートの使われ方や、上下に動くジグザグとした音型にも類似点がみられることがわかります!

オスカー・ピーターソンの《ブルース・エチュード Blues Etude》(1966)【譜例 1】とカプースチンの《24 のプレリュード Twenty-Four Preludes》Op.53(1988)より 6 番【譜例 2】


また、カプースチンの楽曲には 3 連符の他、5連符以上の長い連符が用いられており、 これは《シカゴ・ブルース Chicago blues》(1973)【譜例 3】の例にもみられるように、 オスカー・ピーターソンの即興演奏に頻繫に現れる長い連符の特徴とも実は一致するのです。

オスカー・ピーターソンの《シカゴ・ブルース》【譜例 3】とカプースチンの《24のプレリュード》より10番


ハービー・ハンコック、ビル・エヴァンス

ハービー・ハンコックやビル・エヴァンスからの影響については、4度堆積和音が考えられます。

4度堆積和音とは完全4度を重ねたボイシング方法のことで、ハービー・ハ ンコックやビル・エヴァンスらの即興演奏の特徴の1つでした。

ハービー・ハンコックの《魔術師 the sorcerer》(1974)【譜例 5】

ハービー・ハンコックの《魔術師 the sorcerer》(1974)では、4度堆積和音からなる伴奏形がみられます【譜例 5】。カプースチンの作品においても 4 度堆積和音が多用され、《ビッグバ ンドサウンズ Big Band Sounds》Op.10 では、伴奏形に4度堆積和音が用いられています【譜例6】。


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とある有名な作曲家の先生が、ほとんどの作曲家の場合完全オリジナルは有り得なくて、みんな必ず誰かから影響を受けて曲が作られると仰っていました。

楽曲、作曲家への理解のためにルーツを探ることは、やはり必要不可欠なのだと思いました。

カプースチンの場合はそのルーツが‘ジャズ’、‘クラシック’と2つあって(本当はもっとあるのかも?)、それぞれきちんと紐解いていくと演奏が変わりそうですよね🌱



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