へぇ。どうも。

細い歩道で人とすれ違うとき
首だけでヘコッと会釈をする。
なんの感情も乗っていない仕草。

言葉にするなら
すんませんー。どうもー。だろうか。
とはいえ口に出す価値さえないような無味無臭の感情。
それゆえの会釈。

お互い悪くないし、特別良いことをした訳でもない。
今日は良いお天気ですね
という挨拶を略すまでもない。
だからこその会釈。

あなたを認識していますよ。
争う気はさらさらありませんよ。
腹を見せる程の大事じゃないですよね。
この場を取り繕うための会釈。

無くても良いけど、あったら悪い気はしない。
首だけでヘコッとするのは品がないと思う人もいるらしいが、私はむしろヘコッとし合えることが嬉しくさえある。

あの曖昧な仕草が曖昧なままに知らない人と共有できるというのは貴重だと思うのだ。
ヘコッ

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