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奥多摩・鶴川大群沢

今年のGWは天気が流動的だった。当初この日は朝日連峰登山の予定だったが、それが少し後ろにずれたので、せっかくの晴れの1日を沢で過ごそうと思い、K井さんとA井さんを誘って大群沢に来た。

結論から言うと12m滝以外は楽しいポイントもなく、中盤以降はずっとゴーロ歩きになるのでオススメできる沢ではないが、新緑もきれいだったし、詰めは良いトレーニングにもなったのでそれなりに充実した1日になった。

集合は上野原駅。そこから鶴峠行きのバスに乗り、一宮神社前で降りる。このあたりはたまに訪れるが、バスの窓から見える里山風景が本当に美しい。
少し歩き、入渓点となる堰堤上の小川で沢支度をする。

清流のせせらぎと、カレーパンを頬張るおじさん

入渓後しばらくゴーロ歩きをすると最初の滝が見えてくる。
右から取り付こうとするが全然取り付けない。

F1 6m

K井「あのー、こちらが正解かとー・・・。」

K井さんの指し示す右に登りやすそうなルンゼがあったのでそこから小さく巻いて登る。こっちが正解だった。

しばらく歩くとK井さんが「誰かいる!先行者?」という。釣り師さんだった。釣り師にとって我々沢ヤは天敵。かなり低姿勢で「通ってもいいでしょうか?」と尋ねると「もちろんです、どうぞ。」と快く通してくださった。3m滝の釜で釣っていたので荒らしてはいけないと思い、左の枝沢からこれを巻く。

快調にイワナを釣っていた釣り師さん

それから間もなく、本日の核心・12m滝がやってくる。

登るA井さん、引き上げるあたし

予習ではランニングが取れないということで巻く記録が多かった。登るかどうかは滝を見て判断しようと思っていたが、右壁は思ったよりもホールド豊富でそこまで立ってもいなかったので登ることにした。

念のため空荷でロープを引いて右から取り付くが、最初につかんだ岩がグラグラ・・・次につかんだ岩もグラグラ・・・脆いとは予習していたけど、本当に岩が脆い。岩を選びながら、そして体重のかけ方に気を使いながら、徐々に体を押し上げる。中段にテラスがあるが、テラスに乗る手前が細かく難しい。ひろたさんの記録でもパートナーの方が落ちていたが、おそらく同じポイントだと思う。上部まで登り「そろそろ、(ハーケン)1本打ちたいな・・」と思っていると、目の前に残置が一本あったので、ありがたく使わせてもらう。最後は水流に向かって斜上するラインも見えたが、少し怖かったので素直に直上して滝を抜ける。
後続はムンターの器具ビレイで引き上げる。
ランニングは取れないという記録が多かったけど、1本ありましたね。

これで今日のイベントはおしまい。あとはずっとゴーロ歩きとなる。大きなワサビ田跡が広がっていたり、取水施設があったり、植林帯が広がっていたりと、この沢は里山の生活と密接に繋がっているようだ。
ゴーロ歩きが面倒くさいので、作業道を探して歩く。

かなり大規模なワサビ田跡
両岸につく作業道

Co800の枝沢(3:1)を過ぎると、7m直滝が現れる。一見厳しそうだが、近づいてみると水流右にホールドがある。ロープを出そうか悩んだがフリーで抜ける。

一見厳しそうな7m直滝。

これ以降はいよいよつまらなくなる。笑
Co1040で右から出合う涸沢に入り、詰めが始まる。しばらくガレ場を登っているとK井さんが「熊だ!」と叫ぶ。続いてA井さんも熊の姿を確認するが、私にはわからなかった。

クマさんを睨むK井さん。新緑がきれい。

S木「どっちに行きました?」
K井「右。」
S木「え?うちらが進むのは?」
K井「右。」
S木「・・・。」

とりあえず笛を吹きまくって我々も右へ進む。岩壁が立ってきたので、右の尾根に乗ると、薄く道がついていた。

薄い尾根道

尾根を詰め上げ、14:38ハチザス沢ノ頭に到着。
下山の登山道は快適。槇寄山を経由して、16:35数馬の湯へ下りる。

文句ばっかり言いましたが、公共交通機関で来られるし、沢ヤもあまり入っていないし、12m滝も楽しいし、下山で温泉に繋げられるし・・・シーズン初めの足慣らしに良い沢ではないでしょうか。

大群沢の報告、以上となります。
拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

山行実施日:2023年4月29日(土) 晴れ
メンバー:S木(L、記)、A井、K井
山域:奥多摩
山行形態:沢登り
コースタイム:
一宮神社前バス停(10:00)-堰堤上入渓点(10:15-10:25)-12m滝(11:05-11:35)-Co1040枝沢出合(13:30‐13:36)-ハチザス沢ノ頭(14:38‐14:56)-牧寄山(15:36‐15:45)-数馬の湯(16:35)
地形図:猪丸

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