交差点

こんばんは、さわひろ子です。

今日は、はじめておうちで、
次回のcover動画の
撮影をしました。
どんなものになるか、
おたのしみにです。

さて、すこし久しぶりに、
ライブのとき曲の間に
挟んでいたおはなしを
載せることにします。

これは昨年、だいすきなひとたちを
いろんな種類の光が交わる
交差点みたいになったら
いいなあと思って
企画に出ていただいたときの
おはなしです。

水ゐ涼さん
福井から水咲加奈ちゃん
京都から大槻美奈ちゃん
をお呼びしたのでした。

「交差点」

交差点のはなしをしましょう。たとえば、あの三叉路の。

【かぞえうた】

交差点のはなしをしましょう。たとえば、出会えなかったあなたとわたしの。

【かくれんぼ】

交差点のはなしをしましょう。たとえば、いつまでも渡れないあの子の。

【dragon】

交差点のはなしをしましょう。今日のために新しい唄をつくりました。

【交叉点】

交差点に、ひとがやってきました。くるくるパーマの優しい目をしたお兄さん、白いシャツのおかっぱの女の子、お日さまのように笑う黒いスカートの女の子。

交差点のはなしをしましょう。今日、あなたはいくつの交差点を越えましたか。誰とすれ違いましたか。何を感じていましたか。この夜も、ひとつの交差点です。

あの交差点を、この日のこの青信号で渡る、ということは、奇跡みたいな確率のできごとなのだと思います。忘れものをして家に戻っていたら、ポケットから出した財布を落としていたら、知り合いに声をかけられたら、靴ずれに顔をしかめていたら、わたしはあの交差点をいま、このタイミングで渡りはしなかった。もしかしたら横のわき道から向かおうと思って交差点じたいを通らなかったかもしれません。

そうやって偶然に、同じ道をすれ違った瞬間を、わたしもあなたも覚えてはいないでしょう。運命なんてないのです、きっと、どこにも。

けれど、いま、この夜、このひかりの交差点で、誰かと、あなたと、出会えた場所を、愛おしいと感じても、構わないんじゃないかなあ、なんて。偶然が重なって出会えた夜に、何かがはじまることも、あるんじゃないかなあ、なんて、思います。

交差点のおはなしは、これでおしまい。
本日はありがとうございました。

at
2019.10.20
高円寺ウーハ
「あの夜vol.3 ひかりの交差点」
pf.伊藤詩織

さいごの語りのような部分は、
わたしが読んでいる間
ほかの共演のかたがたが
入ってきてくださって、
即興ですきなように
弾いたりうたったり
していただいたのでした。

ほんとに交差点みたいだった、
あの夜はいい夜だったなあ。
（自画自賛）