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なにがどうなればいいのか

久しぶり。継続してなにか書き続けるのは難しい。書き続けるというか、形があるものでもないものでも、何かを継続するのはとても難しいよね。

唐突だが、僕は以前の僕が好きである。
何言ってるのかわからないかもしれないが、そのままの意味だ。

人は大抵、歳をとるにつれて色々な経験を積み重ねて魅力なりなんなりが上がっていくものかもしれないけれど、果たしてそうだろうか。
言い方はめちゃくちゃだけど、劣化していく人もいるんじゃないかな。
説明しづらいんだけどなにもかもが悪くなっていくんじゃなくて、ある一定のところが悪くなるというか、わかるかな。

【大人になった】
「大人になってなにが悪いんだ」と思うかもしれないけど、端的に言うと人間になった気がしている。

「いや、今でも十分頭おかしいよ、もうちょっとでいいからまともになってよ」と
言われることもあるし、変わってないと言われることもあるけど、僕は多分変わった。何個か例をあげよう。

・人に敬語を使えるようになった
昔の僕は頭がおかしかったのかなんなのかよくわからないけれど、ほとんど誰に対しても敬語が使えなかった。
職場の年上でも、先輩のバンドマンでも、ライブハウスの店長だろうがスタッフだろうが。
なぜなのかはよくわからない。
最初の一言くらいは敬語を使うこともあったけど、二言目にはもうやめてる。
なんとなく、親近感が湧く人にはそんな感じで適当に接していた。もちろんこちらは良い意味でなんだけど。
良く思わない人も居ただろう。でも、そんなことはおかまいなしだった。

それが今ではどうだ。「この人は敬語を使わないと怒りそう」と、判別ができるようになった。
こちらから何かを教わっている相手だったり、敬意を評している相手に自然に出る敬語はあるだろう。
だけど、この世の中には歳が上ってだけで偉そうにしたり、敬語を使わない人間に対してイライラしたりする人が予想以上に多いのだ。そんなことも知らなかったのかお前はと言われそうだ。当たり前なのかもしれないけど、僕にはよくわからなかった。

ちなみに、この判別は合っているのかはわからないけど、多分そこそこの精度で合っていると自負している。
今では、そういう相手にはなるべく敬語で話すようにするか、最初から会話をしないようにしている。お互い疲れるからね。
ただ、この判別は外れることもあってこっちが勝手に「あ、この人多分自分のことが好きじゃないだろうな」と考えてなるべく関わらないようにしてしまうこともあり交友関係が狭まったりする。

・昔ほど自分勝手な行動をしなくなった
例えば、今僕はバンドをやっているけれど、バンド練習の際に気分でスタジオに行かなかったり、スタジオ行ったはいいけどメンバーにむかついて帰るとかそういった行動だったり、単純に約束を破ったりだとか、いつしか遅刻もあまりしなくなった。

・根拠のない自信やいろいろ
なんの理屈もなく、とにかく何事に対しても自分が決めたことは正義なのだと、有り得ない自信を持ち行動をしていた。今思い返すと謎な行動が多い。

・対バンの悪口を言わなくなった
それはそう。

他にもいろいろあるけれど、これって僕のことが好きな人(面白がっている人)から見ると魅力が失われたということに繋がる事象かもしれない。

俗に言う、「大人になった」というやつだ。

昔はあんなだったのに今ではこうだもんなって典型的なやつ。

ちなみにここまで書いたけど、僕の場合はあまりかっこよくない。いわゆる武勇伝みたいな話しはまるでない。
昔は喧嘩に明け暮れていて、街1番の不良だったとかそういったエピソードは特にもってない。拳で語り合った奴と一生涯の友達になったとかさ、そんなエピソード一個でいいから欲しかったな。
要は周りから見るとわけわからんやつだったけど、歳をとるにつれて尖っていた部分が多少は直ったといったところだ。

僕は、今の自分もそれなりに好きだけど昔の自分も好きだ。昔の自分が今の自分を作ってるんだからそれはそうだろと言われたらそれまでなんだけど。
死んで、生まれ変われるなら結構本気でまた自分になりたいと思っている(ポケビ)

多分だけど、物理的にも精神的にも音楽から離れたりしている内にこうなったんだと思う。

以前、喉をおかしくして名古屋のライブ前に医者に行ったら半端じゃない炎症が起きてるから薬飲んでしばらく声出すなと言われたことがあって。
この後ライブあるから今すぐ治してくれとお願いしても治るわけがなく。治るわけない上に、歌なんか歌ったら最悪一生声出なくなるよと言われて、実際唾を飲み込むだけでも結構な激痛がしたし、声を出すとまともに声が出なくて裏返る。「脅してんじゃねえよ、このヤブ医者が」と思いつつ、心のどっかではまんざら嘘は言っていないのかもしれないとも思ったのを覚えている。

ライブ当日はもちろん未完成を見に来ているお客さんも居て、ステージ上でセッティングを済ませてから僕も人間だから少しは悩んだ。
でも、1人でも聞きたい人がいるんならやりたいと3曲だけは演奏した。
もちろん全ての曲がまともに歌えなかった。本当にひどかったと思う。
けど、その時はもう今日で歌えなくなってもいい。なんなら別にこのまま死んだって構わないとさえ思ってた。
持ち時間を大幅に巻いた15分くらいのライブが終わった後、僕はライブハウスの誰も来なさそうな階段で1人で結構な時間泣いた。自然と涙が止まらなかった。その当時はなんの涙だったのかよくわからなかったけど、今だったらなんとなくわかる気がする。

僕は昔の自分を取り戻したいと最近考えている。それは日常生活のことではなくて、音楽に対して真摯に向き合っている自分のことだ。
今でも自分なりに向き合っているつもりではいるけど、昔の自分に比べたら多分そこまで情熱は注げていないかもしれない。

まあまあ飽きやすく、面倒ごとはなんでも投げ出しやすい自分がここまで続けられている音楽に対して、僕は僕そのものであり続けて、そして死んでいきたい。

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