澤先生Op

第五回澤ゼミ【会話・ビジネスメール・チャットツールで差をつける】

澤円先生の「自分を企画化する」ゼミ。
第四回目の「自分のBeingを考える」でゼミ・twitter共に大きな盛り上がりを見せましたが、それを踏まえたうえでアウトプットで差をつける方法を今回は学んでいきます。

コミュ障って言葉おかしくないですか?

ゼミはまず最初に「コミュ障」についての話題から始まりました。
我々が何気なく使用している「コミュ障=コミュニケーション障害」ですが
障害というのは「出来ることが正常である前提」である言葉につくものです。例えば「歩行障害」は「歩けることが正常である前提」の言葉になります。しかし自転車は練習しないと出来ないものなので「自転車障害」はありません。

ここで改めて、「コミュ障」という言葉がありますが、
「コミュニケーションは出来ること前提なのでしょうか?また出来ることが当たり前でないのであれば、何故なのでしょうか。」

ディスカッションをした感想としては、まずそもそもコミュニケーションってなんだ?ということでした。あまりにも抽象的な言葉でどこまでの範囲を指すのかがよく分かりませんでした。
ディスカッションで出てきた内容として、コミュ障は「期待値コントロール」「初対面の人と話が出来ない人」などがありました。

「コミュニケーション」の定義が人それぞれでずれがある

ディスカッションで感じた通り、コミュニケーションの捉え方は人によってズレがあるとのことでした。ズレがあるからこそ、コミュニケーションミスが起き、それが大事になると戦争になってしまうことがあるとのことです。

コミュニケーションは一歩間違えると戦争になってしまうのか…
んー身を引き締めて今日のゼミでコミュニケーションを学ばなければ…

残り1席しかない救命ボート!なんと言って乗せてもらう?

コミュ障に続けて下記ディスカッションをしました。

乗っていた船が沈没します。救命ボートにはあと1人乗れます。
なんと言って乗せてもらいますか?
【前提条件】
・船は必ず沈む
・そのままいたら死んでしまう
・救命ボートはあと一隻しかない             以上

澤先生のディスカッションは前提条件が少なく、だからこそ様々な意見が出ました。「情に訴える」「自分を乗せるメリットを伝えて納得してもらう」「ボートを壊すと脅す」「コマネチをして敵意が無いことを示し信頼を勝ち取る」「無理せず人に譲ってしまう」などなど。

一般的なコミュニケーションのワークショップでは、多くの前提条件で縛りベストの解を作ってしまうこともあるそうです。
その場合のベストの解は「私は水を持っています」だそうです。
「人を動かすには『確実なメリット』が必要だ。」と一般的には言われているとのことでした。

自分の発言がメリットと捉えられるかは相手次第


例えば情に訴える発言をした場合、「可哀そう」と思われるか「うるさい」と思われるかは相手次第です。
コミュニケーションは同じ言葉を発したとしても、シチュエーションによって、相手によって、違う結果になってしまいます。

澤流の講義術:プレゼンではなくコミュニケーション

価値観は人間の数だけ存在するので同じ言葉で同じ様に相手に伝わるということは100%ありません。しかし講義などでは同じ言葉を様々な価値観の人に同時に伝えなければなりません。その講義のゴールにもよりますが、あまりにもバラバラな効果になってしまうと講義としては失敗となる可能性もあります。では澤先生はどうされているかというと

①違うかもしれないけれど、澤先生としての言葉を皆さんに伝える
②上記のフィードバックを受け、それぞれの人にカスタマイズした答えを提供していく

これもコミュニケーションとのこと。澤先生はプレゼンテーションではなくコミュニケーションをされているとのことです。

コミュニケーションで大切な事

①尺度を揃えて共有

言葉の受け取り方は相手次第と分かったところで、更に具体的なワークに入っていきました。皆さんは下記表現で依頼を受けたことがないでしょうか?

「これさ、なるはやでチャッチャと作ってよ」
「とりあえずいい感じに」
「なんかこれあんまり動かないよ」

「なるはや」っていつまで?
「いい感じ」ってどんな感じ?
「あんまり」って何を基準にどれくらい?
と疑問が聞こえてきそうな依頼方法ですね(苦笑)このままでは仕事でミスが起き、社内炎上が起こってしまう可能性があります。では一体何が足りないのでしょうか?

コミュニケーションは尺度がなければ判断出来ない

コミュニケーションミスを無くすには尺度が必要になります。
「数字」、もしくは状態を表すのであれば「具体的」に表現していかなければなりません。

例えば「とりあえずいい感じに」の回答として「シズル感」がありました。
「シズル感」はどのようなものかを提案する必要があり、
何をもって「シズっている」のか定義していく必要があるとのことでした。
(色合い、フォントの大きさ…etc)

尺度が無ければ共有できません、これがコミュニケーションミスの原因になります。尺度を揃えることをまずしてから共有をしていきましょう、とのことでした。

因みに今までの澤ゼミを振り返ると、澤先生は
第一回目に「人間は幸せになるために生まれてきた」と話をされています。
第二回目は「人がコミュニケーションするのは 幸せになるため」と話をされています。
確かにゼミ生との尺度の共有から始まっており感慨深いですね。

②上の立場は軽く投げても剛速球。下の立場は取るのも投げ返すのも大変。

皆さんの中に部下、もしくは後輩を持っている方はいらっしゃいますか?もしいらっしゃる方は既に気を付けているとは思いますが改めて意識しましょう。澤先生曰く、いつの間にかそうなってしまうとのことでした。

「なるはやでちゃちゃっと」
「俺の酒が飲めないのか~」 …etc

自分が正義、と思ったときが危ない

自分が正しいと思っているときこそ疑わなければならない。これが難しい!
確かに自分が正しいと思った道を突き進むのも一つの生き方として重要なことですが、それをコミュニケーションに乗っける場合は、気を付けなければなりません。何故なら相手がその通りに受け取らないかもしれないし、そもそも受容器がないかもしれないからです。

第二回で目隠しワークショップと「スキル/経験の偏りはコミュニケーションを困難にする」
という話がありましたね。
目隠しでさんざん大変さを体験したというのに、このスライドの時改めてはっとさせられて、
まだまだ自分は意識が足りないと気付かされた瞬間でした。

ビジネスメールで差をつける

ビジネスメールを打つときは大きく分けて下記3つになると思われます。
・事実・状況の確認
・了解・了承を求める
・依頼・要請をする

一般的に日本の社会ではおやじが「うん」と言わないと事が進みません。
しかしおやじは忙しく、更に本レポートの上記で書いたように「下の立場は取るのも投げ返すのも大変」です。
そこで「メールを地上から屋上に届けるためのワザ」を教えて頂きました。

※本ゼミでのおやじは下記定義で使用されています。
・上司・管理職・役職者など承認権限を持っている人
・上記条件を持っていれば性別関係なく「おやじ」とする

【おやじに「うん」と言わせるメールの書き方】

まずは「メールを見たときのおやじの思考」を抑えておきましょう。
「プライオリティ⇒影響範囲⇒差出人⇒リスク・アップサイド」です。

①何をして欲しいのか書く
問題がなければ、おやじは全部読まずともうんと言う。
件名に【要アクション】【PYT】【xxx申請】などを表記

②論理的に書く
5W1Hを活用する。
[NG]情に訴える内容は一番困る、何故ならそれで承認をしてしまった場合そのおやじが全責任を持たなければならないから。尚且つ書面に残るとなんとかしたくてもできなくなる。

③安心できる理屈を書く(×だけど○だから△で承認!)
良いことだけを並べるとおやじはむしろ疑う。
きちんとリスクも検討したことも感じさせる文面にする。

④箇条書きを活用する
・箇条書きは三つまで、それ以上は頭に入らない
・スマホでスクロールはさせない

⑤事実と所感は分ける
・事実が1通、所感は2通目だと転送が楽

⑥不要なことは書かない
・嘘をつくのと、事実を全部言わないのとは違う
・「何で言わなかったんだ」と突っ込まれることは書く

⑦数字は正確に書く
・おやじは数字があっているかを見る
・「約」「おおよそ」「大体」といった曖昧な表現は極力避ける
・単位をきちんと書く
・比較対象を明確に(例:対前年比120%=前年比20%増)

⑧正しい日本語で書く(凝った表現は使わない)

⑨逃げの姿勢を見せない
・迷っている本人がビビっていたら、おやじが助けるわけがない。
・苦しい理屈でも、胸張って堂々と書く。突っ込まれたら修正したらよい。

⑩裏話は文字にしない
・裏事情を書面で残されても、おやじは困る
・メールでは厳しいことを書いて、「でも本当はこうです」と口頭で説明して納得してもらうのが大人のやり方

Q.受信者によってはシンプル過ぎるメールを受け取ると、送信者が怒っているようにとられる時がある。どうしたら良いですか?
A.メール文の長さは関係なく、それまでに培っている信頼関係書き方が大切です。
書き方のコツとして、例えば「承認です」という文面だとしても「承認にょろ~ん」と柔らかい表現にする。
またお客様がCCに入っていてどうしても硬い文面にしなければならないとしたら、「承認です」という硬いメールと、それとは別に「承認しといたよ~ん」という柔らかい連絡をすると良いです。(所要時間は10秒)
~ゼミ生関戸さんの質問より~

「ルール」が生産性を下げまくり

皆さん会社のチャットツールが使いにくいなぁと思ったことはありませんか?澤先生曰く仕事で個人のLINEのアカウントを使用する人もいるとのこと。会社規定によって使用を禁止されている場合もありますが、何故社員が使用するかというと会社のIT部門を困らせたいわけではないのです、仕事の生産性をあげたいからです。

下記ルールがある会社の人はいないでしょうか?
・PCをセキュリティワイヤーで繋いでいる
・個人USBの使用不可
これらをシリコンバレーの人に話すと腹を抱えて笑ったとのことです。

Microsoft含め外資系IT企業では上記ルールを設けているところはないとのことでした。では在籍の人々のITリテラシーが高いかと言ったらそうでもありません。会社には人事経理営業などITが専門ではない部門があり、寧ろITリテラシーは高くないという考えの方がメジャーなのです。だからこそITリテラシーが高くない人でも安全に使える様デザインするというのが重要なのです。

管理できないデータが増えれば経営が傾く。
まず大切なことは安全です。社内のやり取りで漏れてしまった内容が含まれている情報を送ることはリスクがあるとのことでした。ではセキュリティをどうやって守らせるか?

ルールを作るコツは「ルールを1つだけ徹底的に守らせ、もし守らなかったら仕事が出来ない様にする」

人は縛れば縛る程抜け道を探します。何故なら仕事をしたいからです!
縛り付けるほどリスクを高めていると言っても良いとのことでした。

MicrosoftではPC含め私物を使用していも良いとのことです。
ではどうやって管理をしているかというと、
「ドメインに入って認証をする」というルールを徹底的に守らせているとのことです。ドメイン認証をフィルターとし、「危険なサイトへのアクセスを禁止」「私物のCドライブが暗号化されているかどうかを管理、出来ていなければ上司に連絡」ということをしているとのことでした。

アウトプットは発射した後すべて遠隔操作

第三回目に澤先生がおしゃられていた言葉です。
前回Beingを学びました。そして今回自分が正義だと思った時が危ないということを学びました。コミュニケーションに乗っける場合は気を付けなければならない、何故なら相手がその通りに受け取らないかもしれないし、そもそも受容器がないかもしれないからです。
澤先生は我々がBeingを正しく他の人に伝える武器を授けてくれているのかなと、感じさせられるゼミでした。過去ゼミでも澤先生はコミュニケーションについて多くを語られています。これを期に一度見返すと新たな発見があるかもしれませんね!それでは皆様素敵な日々を♪

<懇親会記念写真>

<ゼミ詳細>

(文:澤ゼミ生 小野里菜、佐野和真)

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