西武鉄道のRingo Pass的発想
JR東日本がRingo Passというサービス/アプリを提供しています。
駅から先の移動を円滑にするサービスです。鉄道会社としてではなく、顧客に移動するという価値を提供するというマーケティングのお手本のようなサービスです。
ダウンロードはしてみたが
実際使えるか?と言う点でいうとダウンロードはしてみたものの、実際使う場面はそれほど多くないという印象です。私がそんなに頻繁にシェアサイクルやタクシーを利用しないためかもしれません。
アクティブユーザ数などどの程度なのでしょう、気になります。
実際のサービス設計はともかく、他事業社を巻き込みユーザの移動全体を快適にしようとする発想は参考にできるところがあるのではと思います。
西武鉄道なら?を考えると
例えば、コミュニティバスと鉄道の連携です。自治体が運営するコミュニティバスは地元の足として小回りのきく移動サービスを提供しています。一方、本数が少なく利便性が高いかというとそうでない点もあります。
西武線アプリでは、列車の走行位置を表示していますが、コミュニティバスとの乗り継ぎ情報を出していくのも案の一つではないかと思います。最寄り駅から自宅までが一番移動回数が多くなるので、コミュニティバス利用者にとって価値を提供できる余地があるように思います。
実装面に落ちていくと、考えるべきことは多々ありますが、西武線という事業者カットでアプリ機能を提供するのではなく、ユーザの移動体験の向上という視点でサービスを組み立てるところにポイントがあります。
また、事業者をまたぎ、自治体などと連携した情報提供は、手間がかかりますがユーザ側の視点にたったサービスです。
手間をかけた分収益は上がるか
今年度の西武鉄道の苦しい収支状況を踏まえると、ユーザメリットだけを考えてサービスを提供することはできません。事業を継続していくためにも、西武鉄道としての利潤の確保が必要です。ユーザメリットがあり、かつ、しっかり投資回収できる分野から取り組んで行くべきです。
この点でいくと、上記に書いたようなコミュニティバスとの連携などアイデアは難しい面があります。西武鉄道として売り上げが増えるわけではないからです。
他社サービスへの送客によって、収入をえるようなモデルを考えるべきです。
移動という面では、駅は間違いなく結節点になっています。この延長として、街と移動者とのオンラインの結節点として西武鉄道が存在感を発揮できるかどうかで収入の入り具合が違いそうです。
自分のおりたい駅を入力させるUIは西武線アプリですでに実装済です。ユーザの鉄道利用利便性向上のための昨日ですが、どの駅までいくかがあらかじめわかり、アプリを開いてオンライン上でユーザ関心を惹きつけられている状況は可能性を秘めています。
例えば降車駅周辺の商業店舗の広告を掲載する、などです。あるいは、アプリ上でポイント付与などのインセンティブを提供しつつ、明確に送客するという動きも考えられます。
他事業社との連携が必須
冒頭のRingo Passと通じる考え方は、他事業社連携です。交通の結節点の位置付けを最大限活用し、ユーザにワンストップのサービスを提供していけるかどうか、自社の境界線に拘らずに発想できるかが成否をわけることになります。
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