不思議な事が起きたので書き残す

2008年6月8日、この日、大学生だった私と友人たち4人で自主制作のドキュメンタリーを撮ろうと秋葉原に行く予定だった。

午前中友達の家に集まってからみんなで秋葉原に行き、お昼ごはんを食べ秋葉原の歩行者天国を撮影する計画だ。これは以前秋葉原で自分と友達がコスプレをして街の人たちがどんな反応をするか撮影したドキュメンタリーの続編だった。以前の撮影では、地下アイドルのプロモーション活動と勘違いされたのか、カメコと呼ばれるコスプレイヤーを撮影する人たち50人くらいに囲まれるという予想もしなかった経験をすることになったのだ。
今回はコスチュームではく、普通の格好で街に集まる人たちを撮影し、コスチュームを着て歩いた時には気がつかなかった秋葉原という異質な街を撮影したいと考えていた。

午前10時、待ち合わせ場所にしていた友達の家に到着したのだが私とその友達、Aちゃんと二人きり。というのも、他の友人2人は遅刻すると連絡があったからだ。もう一人の友達は現地集合の予定だった。Aちゃんは「撮影チームのうち2人が遅刻だと、予定が狂っちゃったし、今日はやめた方がいいかもしれない。」と言い出した。一時間後に遅刻の連絡があった友達二入が合流した。
「お昼に間に合うけどどうしようか?」と声をかけると遅刻した友達のうちの一人、Bちゃんが「今から秋葉原に行っても、お昼どきで混む時間になっちゃうし、撮影は今度にしない?」と言い出した。
するとまた、Aちゃんが申し訳なさそうに「なんか、今朝お母さんから電話があって・・・秋葉原に行くことを伝えたら、なんだかすごく心配されたんだよね。だからあんまり行きたくないな。」と、言い出した。すると遅刻したCちゃんも「え?実は私も普段電話とかしていないのに母親から電話があって、今日どこかでかけるの?って聞かれたんだ」と。私が「えー、何それ?二人ともお母さんから連絡あたんだ?不思議だね」と笑っているとBちゃんがちょっと青ざめた顔で「実は私も・・・お母さんから連絡があって、何か嫌な予感がするから気をつけてって言われたんだ」と言い出す。
流石に気持ち悪くなって、撮影は中止することにした。現地集合にしようと提案していたDちゃんの携帯に電話をして撮影の中止を伝え、よければAちゃんの家でみんなで遊ぼうと提案した。時刻は11時30分に差し掛かるところだった。Dちゃんは快く了解してくれて、Aちゃんの家に向かうと言ってくれた。

13時半をすぎた頃、普段だったら1時間くらいで到着するはずのDちゃんがなかなか到着しない。心配になって連絡すると、何かテロが起きたっぽい、とりあえずテレビを見てとメールが届いた。
私たちは驚いてテレビをつけた。すると秋葉原の山手線の写すカメラの映像にニュース速報の文字が映されていた。
そう、秋葉原連続殺傷事件だった。

Dちゃんとはそれからしばらくしてから合流し、お互いの無事を確認できたことにホットした。Dちゃんは到着すると「実は今日、なんか嫌な予感がするって思ったらお母さんが急に心配してきて・・・電車はダイヤ乱れてたっぽいし、中止してなかったら・・・」と声を震わせていた。
その日、不思議なことに私以外の4人が、各々の母親が急に連絡してきたり、本人たちもなんとなく嫌な予感がしていたと言っていたのだった。

これが私の身に起きた事件に関する不思議な出来事だ。
当時、私は自分の母親から連絡もなく、嫌な予感も感じなかったが、彼女たちのおかげで事件に巻き込まれずにすんだ。

そして、2021年10月29日。
私は恋人に「体調が悪いから今週末は会いたくない」と伝えることになった。なんだか心が落ち着かない。気候のせいか、月経のせいかわからないが、心がムズムズして会ったら何かよくない気がした。私の家に来ようか?と聞かれたが、それも断った。何か会うとよくない気がしたからだ。

そして2021年10月31日。
嫌な事件が起きた。週末会う約束をしなくてよかった。それ以上は言わない。

終わり

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