カメ止めとの出会い

2017年10月29日。

このLINEメッセージが、全ての始まりでした。

送り主は、松澤茂信という友人です。

この時の気持ちを嘘偽りなく書くと「うーん・・・そこまで興味ないんだけど、しばらく松澤とも会えてないし、まあ行くか」くらいの感じ(笑)

というのも、私はそもそも「映画を観る」って事をほとんどして来なかった人間で、映画館に行くのは年1回あれば多い方。たまに気まぐれでDVDなんかを借りてきても、大体は途中で寝ちゃったりよく分からなくなって観るのをやめちゃったりという有様でした。

DVDになるくらいの映画ですらそんな状況ですから、「初めて長編映画を撮った新人監督映画」なんて、その時点で興味がわくはずもなく。しかも、今まで一度も観たことすらないゾンビ映画。さらに翌日も仕事なのに、上映は21時からだって。厳しいなー、てなもんです。

この時点での期待度は「無」でした。0とかですらなく、無。

さてさて。

予定してた日が満席で日付は11/14へ変更になりましたが、新宿の古びた定食屋でそんなに美味しくない夕飯を食べた我々(もう一人の友人と3人で行きました)は、K's cinemaという小さな映画館に向かいました。

まずびっくりしたのは、映画館にいるお客さんの多さ。小さなビルの3Fの待合スペースが、これでもか!というくらい人で埋め尽くされていました。その人混みをかき分けて、チケットを受け取りに松澤さんの後について上田監督の元へ。

松澤さんと上田監督の話を後ろで聞くには「最初が37分のワンカットなので、前の方の席だと酔うかもしれないですけど大丈夫ですか?」とのこと。

「37分ワンカット?」

恥ずかしながら、私はその時点まで「この映画がどんな映画なのか」という事をネットで調べすらしていなかったのです。にしても、37分ワンカット? ゾンビ映画で? いや、ゾンビ映画がどんなものかそもそもよく分かってないんだけど、ゾンビ映画って37分ワンカットで撮れるものなの?

これ、普段映画を観ない私、ついていけないんじゃないの? 明日も仕事なのに?(それはいいんだけど)

不安だらけのまま、開場の時間がやってきました。

K's cinemaは、基本的にチケットを購入した順に10人ずつ入場していく方式で、現場で人混みをかき分けるほど到着が遅かった我々の入場はかなり遅いタイミングです。後ろの席はほぼ埋まっており、結果的に前から3列目くらいの席に着席する事になりました。

で、「カメラを止めるな!」、観ました。

観た後の私の反応がこちらです。

ふははは(笑)興味「無」だったくせに(笑)

いや、ほんとに面白かった! 前の方の席だったので確かに少し画面酔いはしたのですが、そんな事がどうでもよくなるくらいの面白さで。横にいた友人に思わず「これ、めちゃくちゃ面白くないですか?」と謎の確認をしたり。

このtweetにも書いていますが、まさに「エンターテインメント」という表現がぴったりで。

喜怒哀楽、全部。

極上のエンターテインメントにもう、完璧にやられました。

上映後には「踊る大捜査線」などの本広克行監督とのトークショーもあり、大満足で新宿を後にした私が、この後Twitterで馬鹿みたいにこの映画を宣伝して色々うざったがられるのは、また別のお話。

この日、この映画を観られた事に、すごく感謝しています。

そんな、カメ止めとの出会いでした。

最近、絵が上手な皆さんが「カメ止めとの出会い漫画」というのを描かれているのですが、私は絵が描けないので、代わりに文章でカメ止めとの出会いを綴ってみました。

ではでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?