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#SaveOurLife 記者会見より ー 鈴木将(株式会社カルチャー・オブ・エイジア スペース事業部部長/clubasia店長)

渋谷でライブハウス・クラブ4店舗を運営しております、カルチャー・オブ・エイジアの鈴木と申します。本日はこのような場をいただきましてありがとうございます。

私どもは、clubasia、VUENOS、Glad、LOUNGE NEO、この4店舗を渋谷で運営しており、clubasiaはもう24年営業を続けております。現状からお話ししますと、強い要請をいただいた3月の27日から営業は自粛しており、さらに緊急事態宣言を受けまして4月はすべて営業はしておりません。配信に関しましても、店舗を使用したものではなく、アーティストの方々の自宅などから配信できるような環境でお届けしており、また緊急事態宣言の延長が決まりましたので、当面も配信がメインとなって、(店舗の)営業はできないという現状です。

系列店舗、VUENOS、Glad、LOUNGE NEOの閉店

こういった現状の中、イベントができないというのはお店としては大きな打撃で、根本的な売り上げが出せない状況が続くということを考え、先日4月30日に発表させて頂いた通り、系列店舗のVUENOS、Glad、LOUNGE NEOを閉店することになりました。VUENOSは今年で22周年を迎える予定でしたが、幕を閉じて、オフィスを含めビルからの撤退が決まりました。これは大きな事態だと受け止めていますし、まずこの店舗を守れなかったということに関して僕たちはすごく申し訳なく思っています。これまで長い歴史の間、その場に立って頂いたアーティストの方々や、イベントを企画してくれた主催の皆様、足繁く通っていただいたお客様、その人達の場を僕たちが守れなかったということは非常に申し訳なく、各店長、スタッフの中には今も戸惑いがあります。

我々が選んだ決断は、系列店舗の(うち)clubasisa一店舗の運営に注力するということです。長くやってきた渋谷のライブハウス・クラブが閉店するということは、各所に心配をかけましたし、大きな悲しみの声も沢山いただきまして、非常に心苦しく思っているところでもあります。

実際なぜ続けられなかったかと言いますと、固定費がこの先払い続けられる見通しがないからです。コロナがもし来月に終息するとはっきりとわかっていれば続けられたかもしれません。ですが、終息の見えない中で4店舗の固定費を払い続けるということはなかなかに難しく、clubasia一店舗のみを続けるという苦渋の決断をしました。

clubasia存続のためのクラウドファンディング

その(VUENOS、Glad、LOUNGE NEO)3店舗は、5月の末日をもって閉店となります。もちろんまだ終息も見えませんし、これから払い続けなければならない家賃とも戦っていかなければなりませんので、我々がとった行動としては、先日5月1日からはじめさせていただいたCAMPFIREでのクラウドファンディングです。現在、掲げた目標はすでに大幅に達成しており、5500名を越す方々から支援をいただき、大きな反響となっております。

clubasia 存続支援プロジェクト
https://camp-fire.jp/projects/view/268762

しかし、我々は全く喜べる状況ではなくて、むしろこれからどう続けていけるかということをより考えなければならない状況ですので、引き続き支援を募集させて頂いております。沢山の方々が困難な状況の中、こういった支援を募るということをやっていいものかどうか、最後まですごく悩んだんですけれども、沢山の方々に心配もされましたし、どうしても続けてほしい店だということで、会社としてクラウドファンディングを立ち上げるに至っております。

クラウドファンディングでのこの金額(5月28日時点で35,503,000円)というのは、全国を見てもすごく大きな数字を出すことができたんですけども、本当にこれまでの24年余り、支えていただいた皆様によるものだなと思ってます。スタッフもそうですし、これまでの歴代の店長もそうですし、そこに立っていただいたアーティストもそうですし、お客様もそうですけど、そこで繋いで頂いたバトンをどうしても絶やすわけにはいかなく、どうしても渋谷にclubasiaを残すべきだと思っておりますので、我々は引き続き邁進していきたいと思っています。
 
同じように全国で今、クラウドファンディングを立ち上げているところがありますが、多くの方々は家賃や固定費と向き合っているというのが現状だと思います。実際の終息は来年、再来年かもしれない。そういった場合、全国のライブハウスは完全に終わってしまうなと僕は思ってます。そこ(終息以降)に繋げるためにもこういった場に出席させて頂いて、しっかり声を出していくということは非常に大事だなと思っておりますので、自分達ができることは何でもやっていこうと、そういう想いでおります。

音楽を聴いてそれに突き動かされた人達が世の中を変えてきた

音楽というものに対しては、正直なところは娯楽であるということをしっかり自分達でもわかっていなきゃいけないと思っています。困難な状況に陥っている中で、食べることですとか、住むことですとか、そういった生活の部分が一番優先されるところではあると思いますし、音楽で何かが直接的に変わるかというと、実際はそうではありません。でも、これまで音楽を聴いてそれに突き動かされた人達が世の中を変えてきた。僕はそう思ってますので、そういった場所を生み出すライブハウスやクラブは残さなければいけないと強く思っています。

今回閉店になったことで、そこに立っていたアーティストやイベントを開催してくれた方々など、生活する手段として利用して頂いていた場所がなくなり、困っている方も沢山いると思います。お店を守るというのがなかなか難しいところではあるんですけれども、これ以上全国のライブハウス、クラブといったベニューがなくなることがないように、沢山の支援をまだまだ募らなきゃいけないというのが現状だと思いますが、皆様の許す限り、全ての音楽を司る場所、そしてアーティストの皆さんを支援いただければと思っております。

危機的状況であることを国は理解して欲しい

これから我々はclubasiaを存続させることに注力していくわけですけれども、先々の終息の見えない中、いつ(お店を)開けられるかというのは正直全くわかっていません。ただそういった現状の中でも、我々がやっているのはエンターテイメントなので、ひとつひとつアイディアをひねり出して、自分達の足でもしっかり進んでいくということも考えながら、こういった現状があるということを国にはしっかりわかっていただきたいということは、声を発して届けたいと思っております。元々我々は裏方の人間ですので、こういったステージに立って何か物事を発信するということが起きている今この状況が異常だとは思ってますし、危機的状況ではありますので、その点は強く理解していただきたいと思っております。拙い発言にはなりましたが、これで最後とさせていただきます。

今後とも全国のライブハウス、クラブ、全てのベニューとアーティストがサポートされることを祈っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるあらゆる人の仕事と生活を守る継続的な支援を求める署名】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfmg6jhOPO2P6uHGb2RcH4GWzCb7b3_cr1WLulJVUoCHv4E7g/viewform

Photo: Yosuke Torii