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#SaveOurLife 記者会見より ー げいまきまき(セックスワーカーの労働の安全と健康を応援するグループ SWASH)

こんにちは、はじめまして。セックスワーカーの労働の安全と健康を応援するグループのSWASH(Sex Work And Sexual Health)のメンバー、げいまきまきです。よろしくお願いします。

セックスワーカーというのは働き方もすごく多様で、ジェンダーもセクシュアリティーも、それから民族や属性も、多様な人々がいます。(卓上に置いた)この赤い傘というのは世界中でセックスワーカーたちの権利運動のモチーフとして使われているものです。

職業によって「支援対象内/対象外」と区別されることがあってはならない

今回のコロナの状況にあって、セックスワークに携わる人々が本当に命も生活も、とても危険に晒されています。改善はされましたが、休校に伴う保護者の休暇取得支援制度についてもはじめは(風俗業従事者は)対象外でした。今でも持続化給付金については風俗経営者は対象外です。

対象内となった保護者への休暇取得支援制度も、対象内になってからワーカー達が使いやすくするためにSWASHの代表である要が、ワーカーから出る不安や疑問を聞いてまとめて、それを厚労省に伝えて、セックスワーカーが働いている現状についてや、職業差別がある為に存在する申請への困難を具体的に説明しながらレスポンスを重ねました。ワーカーが申請しやすい形を例示することなどもしてきました。

本来だったら私たちが憲法の第25条で守られているはずの生存権を以ってみんなと同じように制度を使うことが、これほどの待った無しの状況でも、行動としても精神面としても多くのハードルがあるのが現状です。最初に申し上げたように、働き方や契約のあり方もとても多様である中で、「この人たちは対象内だ」「この人たちは対象外だ」となるようなことがあってはならないと思います。そうした(対象から)外される存在を無くすということも、とても必要なことです。

労働環境の改善や社会的・法的システムの整備がずっと無視されてきた

今言った憲法第25条「生存権」、皆さんご存知でしょうか。読み上げさせて頂きます。

憲法第25条 第1項
全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する

この全ての国民というのは今回のこの記者会見の宣伝にもあるよう、日本に住むあらゆる人々のことです。つまり私たち、あなたたちのことです。

第2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

すごく良い項目ですよね。なのにこのふたつ、今どれだけのことが保証されていますか?どれだけのことを政策としてやってくれているでしょう。

ウイルスは職業を選びません。感染症に纏わる社会のあり方というのを問うてますし、また、問われています。私もあなた方も。

感染症対策としても大きな落度となるこのような政策が世論的な抗議の声が高まるまでまで見直されなかったのも、職業差別が当たり前で「そんな仕事やめればいい」「風俗の仕事自体がなくなればいい」というような風潮の影響もあるし、現実に働いている人が必要とするような労働環境の改善とか社会的・法的なシステムが作られる、そういうことがずっと無視されてきたからです。

「セックスワークは仕事」

何度でも言いたいと思います。セックスワークはお仕事です。何度でも言わせて下さい。

私たちの仕事の内容は性的なサービスを行うことです。毎日ご飯を食べて、家賃光熱費を払って、子どもがいたら子どもの世話をし、学校に行っていたら学費のことを気にする。そういう様々な背景を持った多様な人たち、その一人ずつなんです。

網目から取りこぼされる人を一人でも減らしてほしい

給付金のことが話題になってますよね。給付金の申請が複雑であればあるほど辿り着ける人が少なくなってきますし、辿り着けなかった人は「申請しなかった」という自己責任に回収されていくんです。個人への一律給付だったらこういう可能性はぐっと減るんじゃないかと思います。網目から取りこぼされる人を一人でも減らしてほしいと思います。徹底してほしいと思ってます。

職業差別によって取り残される人がいない、そこにいる人たちの声を聴く政策作りを、政府にもみんなにも求めていきたいと思います。日本に住むあらゆる人々の暮らしと職業を守り、継続的な支援をもっともっとみんなで求めていきましょう。ありがとうございました。

【新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるあらゆる人の仕事と生活を守る継続的な支援を求める署名】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfmg6jhOPO2P6uHGb2RcH4GWzCb7b3_cr1WLulJVUoCHv4E7g/viewform

Photo: Yosuke Torii