宿の開業に向けて

宿やるぞー!と色んなところで公言していたにも関わらず、実はここ一年くらい準備を進められていなかったのですが、最近ようやく重い腰を上げて準備に取りかかり始めました。

もし楽しみにしてくれていた方がいたら、本当にごめんなさい。大変長らくお待たせしました。
来年の春「民泊たなごころ」開業します。


そもそもの話、わたしは宿をつくるために移住したわけではありません。
たまたま移住先の住居に和室が7部屋もあって、こりゃ一人で使いきれないしもったいないわー、どうせ余っている部屋があるなら貸し出したりできないかなと思ったのがことの始まりです。

そこで宿をやるにあたって「過去の自分が求めていた環境を、いまつらい境遇にいる人に提供したい」といった思いが芽生えてきました。

わたしは東京で暮らしていた頃、こころが弱ってくると「遠くへ行きたい…でもどこに行けばいいのかわからない…」とよく頭を抱えていました。
そういったときはとりあえず一泊二日分の荷を持って、行き先を決めずに電車に飛び乗って旅に出ます。
海に行きたいか、山に行きたいか。それとも神社へ神頼みしに行くか。
そのときの気分に合わせて目的地と宿を移動しながら決めて、色んなところへ行きました。

まだエネルギーがあるときはどこそこに行きたいという思いが次から次へと出てくるのですが、もう憔悴しきっているときは目的地さえ決められません。

「どこに行きたいのかわからない。でもとにかく遠くへ行きたい。」

過去の自分のように行き場を探している人がきっといるんじゃないだろうか。
そういった人たちの拠り所、避難所のような場所をつくりたい。
偽善でもなんでもなく、自分の中に自然と浮かびあがってきた思いです。

そんな状態で向かう旅では、観光やアクティビティは逆に疲れてしまう。しんどい。わたしが旅に求めていたのは、ひとりで静かに安らげる寝床と広大な自然でした。

静かに安らげる寝床と広大な自然。どちらもあるのが、いまわたしが暮らしている環境です。

ひたすら畳でゴロゴロするもよし。猫と一日中遊ぶもよし。海辺を散歩するもよし。石ころ拾いをするもよし。山や田園風景を眺めるもよし。

つらいときはどうしても視野が狭くなりがち。
好きなだけのんびりと過ごしたあと、少しでもあなたの視界が開けて前に進む一助になれたなら、これほど嬉しいことはないです。


富山県朝日町でかわいい看板猫とお待ちしています。


なつめ

サポート費は愛猫のごはん代としてます。ありがとうございます。