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【予備試験】口述ガイド

 今年もそろそろ口述の季節になりましたので、またこの記事を公開します。

 日記を改変したものですが、どなたかの役に立てば幸いです!

1 口述式試験の概要

 ・場所は、新浦安研修センター
 ・日程は、2日間
 ・科目は、民事系、刑事系 

2 前日

   ここからは令和元年の体験談になります(当時のメモを見ながら書いています)。

 夕方15時頃に新浦安駅に到着。駅前にはイオンがある。ドトールで、1時間ばかり勉強(基本刑法)。16時頃にホテル(エミオン東京ベイ)に向かう。10分程度かと思っていたら、15分ほどかかり、そこそこ歩く距離。しかも、当日の天気は嵐で、海の近くの新浦安は雨風が強く、ビニール傘が大破し、びしょぬれになりながらの到着。

 ホテルをエミオンにした理由は、建物がきれいなこと、試験会場から近いこと、大浴場・サウナがあること。一方で、宿泊料金が高め。しかし、最後の大勝負を前にケチる必要はない。いちばんいいコンディションで受けられる環境を選ぶのみ。

 チェックイン。荷物を開いてから、すぐに風呂・サウナへ。部屋にいても落ち着かないし、寂しいだけだ。サウナはテレビなし、80度くらい。水風呂、露天風呂もあってリラックスできた。

 さっぱりした後は、ホテルで食事。もちろん外に出ることも可能だが、近場に飲食店がなさそうで、駅前まで戻ることになりそうなため、ホテル内で食事をとることにした。ホテルの最上階のレストランで景色がいい。なんとなく出張に来た感覚だった。

 食事は、軽めにしておこうと思い、そばの定食をいただく。これもおいしかった。食事の後、部屋で要件事実の勉強をして、翌朝に向けて早めに就寝。寝つきがよくなかったが、睡眠はそれなりにとれた。

3 1日目(民事系)

     翌朝4時半に突然テレビの電源がオンになり、目が覚める。いや、怖いって。前の宿泊客のテレビのアラーム設定がそのまま残っていたのか(エミオンは、ディズニーアンバサダーホテル)。マジか。。。とはいえ、もともと朝ランのため5時半起床の予定だったので、特に動じることなく、少し早めに朝ランに行くことにした。

 朝ランの際に、試験会場の下見を軽くして、朝風呂へ。ここでも空が見える露天風呂が最高だった。すっきりしたのち、ホテルで朝食。何名か口述受験生らしき人がいる。部屋に戻って、スーツに着替えと準備。所持品を入念に確認し、出発。天気はいいが、少し肌寒い。

 会場に到着。受験票を見せて、当日の順番を受け取る。ここでスマホその他通信機器は全て封筒に入れて封印。

 初日の民事系は、6巡目。そこそこ時間がありそうだ。待合場所の体育館に入り、パイプ椅子に座る。若干寒いし、ピリついた空気。要件事実のまとめノートを見る。

 やはりこの状況では大して頭に入らないので、マジで見直す資料は絞ってよかったと思う。会場では、六法を読んでいる強者もいた。今思えば、判例六法への一元化はありだったかもしれない。

 しばらくするとお呼び出しがあり、控えスペースへ。その後、各部屋の前に立たされて、中から呼ばれて入室する。

 失礼します。挨拶を忘れない。受験番号だけ言って、「お座りください」と言われてから着席。ちなみに、ここで間違えて名前を言うと、不合格。このあたりのお作法については模試で練習したまま。

 デスクの上の事例を黙読。パッと見た瞬間、賃貸借。訴訟物、請求の趣旨、請求の原因、この辺は間違えられない。抗弁、再抗弁と終えていく。

 最後は自救行為?の問題だった。賃借人が勝手に鍵を取り替えてるので、賃貸人からこれを破壊してよいかを聞かれたら、どう答えます?みたいな。法曹倫理に問いまで辿り着けたので、一応よしとしよう。

 ホテルに戻って昼食。1日目終了後、この日の刑事系の出題情報が共有される。「遺棄」概念と公判前整理手続が出題されたようだった。ということは、2日目においては、公判前整理手続については出題可能性が低いということになる。

 午後は、翌日に備えて基本刑法のチェック。あと少し。明日の今頃には終わっていると思うと頑張れそうだが、とても長く感じた。

 夕食後、風呂とサウナに入って、スッキリして早めに就寝。就寝前にディズニーで花火が打ち上がったのを憶えている。

執行、保全、倫理も含めて、
これ一冊を極めることに集中した

4 2日目(刑事系)

 5時起床ののち、朝ラン、朝風呂、朝食。初日と同じ動き。ただ、2日目はチェックアウトが必要だったので、早めに朝食を切り上げて、荷造りとチェックアウト。荷物をフロントに預け、いざ会場へ。

 刑事系は、なんと1番だった。体育館での待ち時間はわずかですぐに発射台へ。朝9時過ぎに司法試験委員が、各試験室へ入室していく。なお、司法試験委員の先生方が受験生の前に姿を現すのは、この予備試験の口述式のみ。

 刑法は、傷害致死の承継的共同正犯の成否、同時傷害の特例の適用の可否だった。これはいけた。めちゃくちゃ緊張してたはずなのに、試験委員の背後の窓から見える外の景色を見ながら、ええ天気やな、ああもう終わっていくな、終わったらディズニー行く人おるんやろな、終わったらどこのサウナ行こうか、など考えてたことが記憶にある。
 そして、刑事訴訟法は、訴因変更の要否。あなたはどういう基準で訴因変更の要否を判断しますかと聞かれたのち、「傷害の共同正犯」の訴因に対して、裁判所は傷害の同時傷害で有罪判決をすることができるかについて、あなたの説明した基準に当てはめてみてくださいという問いだった。裁判所の訴訟指揮権の根拠条文も聞かれて、答えられなかったが、どういう文脈だったか、思い出せない。

 無事に終わって、控え室に。しかし、ここから3時間ほど、午前組が全て終わり、午後組が会場入りするまで、出られない。当然、スマホその他通信機器は禁止。2日目は、終了後の待ち時間のために小説や漫画を持っていくのがオススメ(口述終わりのテンションで読むならこち亀とかいいと思う)。

この時期にこれをやると司法試験が楽になる

5 終わりに

さほどめちゃくちゃできた感触はなかったが、滑り散らかした感触もなく、正直大丈夫だと思った。結果は121点で、80位だった。

ちなみに、口述の採点は、普通の出来なら各科目60点。やや出来が悪いと59点、落第点だと58点がつき、例年118点以下は不合格になるといった仕組み。つまり、1科目だけなら多少コケても大丈夫だということ。

そして、口述の勉強は、

①手を広げすぎないこと(民事系、刑事系ともに、特に前半に聞かれることは基本的な知識なので、全く知らない問題は出ない)

②模試を受けること(できれば論文合格発表後すぐと、口述本試験1週間前くらいの2回)

あとは健康管理ができていれば大丈夫!

特に今年はクリスマスと正月が飛ぶというスケジュールですが、ここまできて『受けない』という選択肢はないので、諦めましょう。人生でなかなか経験することのない勝負だと思いますので、ぜひ頑張ってください。

なお、今年は1月開催のため、体育館は寒いと思いますので、防寒対策を念入りにされてください。

以上!健闘を祈ります!

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