「日本サウナのルーツ」
フィンランドのサウナも良いですが、その前に日本の発汗浴の素晴らしさや、歴史について抑えておくべきポイントをまとめました。
ちょっと乱暴ですが、まず・・・
温湯浴=湯に浸かる
発汗浴=サウナ
と整理します。日本沐浴史において、この両者は連続しているのではなく、並行していました。ただ現在のようなお湯たっぷりにつかることが普及したのは、江戸中期からで、それまでの日本沐浴史の本流はずーっと「発汗浴=サウナ」だったのです。
この「発汗浴=サウナ」は、大きく分けて、A熱気浴 と B蒸気浴 があります。代表的な例を整理してみました。
A 熱気浴
A-1 炭窯型 香川県さぬき市塚原の「から風呂」
その名の通り、炭焼き窯の形。壁は主に塩を混入した赤土。室の中で木材を焚き釜全体を熱し、灰を取り出した後、水に濡らした筵をひいて周りに塩水をかける。前述の「八瀬の釜風呂」も同様。
「から」の語源は「唐」「漢」「水がない空」・・と諸説ある。
A-2 岩窟型 愛媛県「桜井の浜」
花崗岩の立陸をくりぬいて室にしている シダを焼き、室全体を熱す(炭窯とかわらない)瀬戸内海西部や、小島はこの岩窟型だらけ。体を熱したあとは、沿海に飛び込むスタイル。「岩乃屋の石風呂温泉」も同様。
A-3 石積み型 山口県屋代島「久賀の石風呂」
土間はほぼ円形 平地に石を組む。体を熱したあとは小川で冷やすスタイル。
A-4 オンドル型 大分県杵築市「泉福寺跡の石風呂」
石の床下から直火で熱する床暖房方式 朝鮮半島の温突(オンドル)からきている。
B 蒸気浴
B-1 伊勢風呂 三重県伊勢市玉城町宮古 ← 大注目!!
竈の上に、鉄製の火格子が設けられ、50センチほどの丸石をならべ、青竹を丸ごと編んだスノコを敷き広げ、その上に水をたっぷり含ませたワラを重ねる。蒸気が少なくなったら、改めて水をまく。木造平屋建て。近所にも同様の仕様の風呂があり、横には、小さな谷川をせき止めた用水地があり、風呂の池と呼ばれている。まるでフィンランド式サウナそのもの。
B-2 段差式 大分県臼杵市福良字塩石
室の中を2分割し、段差をつける。高い方で焚き火をし、低いほうに水をはった。スモークサウナっぽい。
B-3 温泉熱型 大分県 別府温泉 鉄輪温泉
地下から噴出す天然温泉の蒸気を利用。石積みの室。
B-4 寺院の浴室 奈良県 法華寺町法華寺
日本人のDNAには1000年以上も昔から発汗浴(サウナ)習慣が組み込まれているのですね。
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