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ファイザー コミナティ筋注の特例承認報告書 (その1)

米国FDAは,とうとうファイザーのコミナティ筋注を正式承認してしまいましたね。
こんなに早く承認するとは・・・焦っている証拠かも。
FDAとCDCに隷属している厚労省はすぐさま正式承認に走るのでしょうね。まぁ,憲法上,全国民への強制接種はできないと思いますが。

現在,コミナティ筋注は特例承認です。
その時の承認書類に基づいて正式承認されるわけではないと思いますが,この機会に特例承認の報告書を見直してみました。

「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」(全76ページ)は2021年2月12日に作成されたもので,厚労省のHPで公開されていますのでご覧になった方も多いかもしれません。

コミナティ筋注報告書

知財に関わる薬品名や数字だけでなく日付まで黒塗りされてると闇を感じてしまいますが,じっくり読むといろいろ勉強になり,しばらくは就寝前の愛読書でした😆
私は医学系は素人なので詳細は分かりませんが,まだ読んだことの無い方のために気になった個所をいくつか抜粋します。

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「特例承認に係る報告書」

4.2.2 投与部位以外で放射能が認められた主な組織は、肝臓、脾臓、副腎及び卵巣であり、投与8~48時間後に最高値を示した。

5.R.1 ラットにおける反復筋肉内投与毒性試験で認められた血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化の発現機序は不明である。

6. 生物薬剤学試験及び関連する分析法、臨床薬理試験に関する資料並びに機構における審査の概略該当する試験は実施されていない。

7.R.2.2 国内C4591005 試験では、COVID-19 発症予防効果については評価されていないが、試験期間中のCOVID-19 の罹患や診断に関する情報は有害事象として収集することとされ、関連する報告は認められていない

7.R.2.3 以上の結果からは本剤のCOVID-19 の重症化抑制効果は確認できていないが、これはCOVID-19 の重症例が少なかったことに起因すると考えられた。

7.R.2.4 本剤の安全性情報は、海外C4591001 試験の第Ⅱ/Ⅲ相パートでは2 回目接種後1~3 カ月を中心とするデータ及び国内C4591005試験では2回目接種後1カ月のデータであり、現時点で本剤接種後長期の十分な安全性データは得られていないことには留意が必要である。

7.R.3.1 死亡例は10例に認められ、重篤な有害事象は91例に認められたが、すべて治験薬との因果関係は否定された

7.R.3.5 本剤の臨床試験では、妊婦は除外基準に規定されていたが、海外C4591001 試験の第Ⅱ/Ⅲ相パートで、23例に妊娠が報告され、そのうち9 例は妊娠を理由に治験中止された。これらの被験者の妊娠の転帰については現時点で情報は得られておらず、引き続き追跡する。

7.R.3.6 現時点で本剤のヒトでの疾患増強リスクは不明であることから、製造販売後に引き続き情報収集する。

7.R.4 、2021 年1 月時点で感染者数が増加し医療体制がひっ迫している現状を踏まえると、本邦初のCOVID-19 に対する予防ワクチンとして、本剤を接種可能とすることは意義があると考える。

7.R.6.1 国内C4591005 試験では20~85 歳が対象とされ、日本人においては、16~19 歳におけるデータは得られていないものの、以上の申請者の説明、国内C4591005 試験と海外C4591001 試験における20歳以上の免疫原性及び安全性プロファイルに大きな差異は認められなかったこと、現時点の本邦でのSARS-CoV-2 の流行状況等を踏まえると、本剤の接種対象年齢を16 歳以上とすることは可能と考える。

7.R.7 本剤承認後に製造販売後臨床試験に切り替えて長期の安全性等を検討する予定である。
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「特例承認に係る報告」(2)

1.1 有効性及び効能・効果について
・海外C4591001 試験について、長期の有効性データは得られておらず、VE の結果は2 回目接種後短期間のデータであることは医療現場に情報提供する必要がある。また、長期の有効性データは引き続き収集するとともに、有効性の持続期間が明らかとなった場合は、追加接種の要否についても検討する必要がある。
・本剤のCOVID-19 重症化抑制効果は、臨床試験の結果からは十分な情報が得られていない
本剤のSARS-CoV-2 感染予防効果は、臨床試験では評価されていない。本剤を接種した場合であっても、感染拡大防止のため、密集、密接及び密閉の回避、手洗いや咳エチケット等の基本的な感染予防対策は継続して行う必要があり、この点は医療従事者及び被接種者にも伝えるべきである。
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いかがでしょうか。
恣意的な引用とならないよう前後を含めて抜粋したため長文になってしまいましたが,ご覧の通り突っ込みどころ満載です。
ちなみに,特例承認とは

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14 条の3第1項の規定に基づき、
1.疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、
2.当該医薬品の使用以外に適切な方法がない、
3.海外で販売等が認められている、
という要件を満たす医薬品について、承認申請資料のうち臨床試験以外のものを承認後の提出としても良い等
として、特例的な承認をする制度」

とされ,緊急事態には必要な措置なのかもしれません。

専門家がご覧になると納得されるものなのかわかりませんが,緊急事態とはいえ「不明である」「データは得られていない」「確認できていない」が羅列された報告書は,素人目で見ると信頼性が低く違和感が拭えません。
承認手続きが行われた2021年2月末(感染確認から1年)は,感染者数43万人,死者数7800人。
数字的には強めのインフルエンザ程度(某氏の言う"さざ波")の状況下で,問題に目を瞑ってまで承認を要する緊急事態に当たるとも思えません。

本題はここからなのですが,長くなりましたので,また日を改めて。


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