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【競馬】2022年NHKマイルカップ予想

1,馬場予想

5/6日土曜日の芝レースを一通り見た感じでは内ラチに近い経済コースを通った先行馬が馬券圏内に残るパターンがよく見られた。しかしこれらの馬はそのほとんどが人気馬であり、勝ち切ったのは最終レースのブルーシンフォニー(1番人気)と4レースのラッキークローバー(6番人気)の2頭だけ。なので極端に内が残りやすいわけでもなく、かといって外が伸びやすいわけでもない比較的フラットな馬場状態であるように見てて感じた。また土曜のレースはメインのプリンシパルSも含めてすべてのレースがレベル的にいえば低いレベルのレースだったのでその中で極端な偏りが出ていないということは日曜日のレースでもフラットな目線で予想をしても問題ないと考えてよいだろう。ちなみに明日は降水確率0%と予報が出ていたので引き続き良馬場で開催が行われることを想定して予想していきたと思う。

2,全頭診断

マテンロウオリオン
万両賞では馬場の荒れていない外を回りアルーリングウェイを差し切って勝利し、シンザン記念では内ラチ沿いを通り見事重賞初勝利を飾ったがこの2戦は馬場を上手く読んだ鞍上の好騎乗による結果である。またシンザン記念は出走馬の中でのちに活躍できている馬がビーアストニッシドくらいで、そのビーアストニッシドは終始かかりっぱなしの上に最後は詰まって伸びないという状態で全く力を発揮しておらず、重賞とはいえレベルが低いと言わざるを得ないレースだった。さらに前走NZTは逃げたジャングロに迫るもアタマ差で負けてしまうという結果で、レースを見るとラスト数十メートルのところで失速してしまってるようにも見える。休み明けの分もあったかもしれないが叩いて臨んだシンザン記念の時も2着のソリタリオに最後は迫られているためこの馬の適性距離は1400mなのではないかと思う。重賞で2連続好走しているため人気にはなりそうだがあまり強さは感じずどちらかといえば軽視したい馬だ。

ソネットフレーズ
新馬戦は2着に0.6秒差をつける快勝だったがこれは相手関係がかなり楽だったのと通ったコースが良かったのが主な要因なので特に評価するポイントはない。注目すべきは前走のデイリー杯2歳Sで、このレースの勝ち馬セリフォスは次走朝日杯FSで2着、4着のプルパレイはファルコンSを勝ち5着のスタニングローズはフラワーCを勝った。この結果から分かるようにデイリー杯2歳Sは小頭数ながらメンバーレベルが高い1戦となっており、その中で2着という結果は十分評価できる内容であると思う。レース内容は派手さこそなかったがやや荒れた馬場を比較的楽に上がってきており、なおかつ若干外伸びよりだった馬場でセリフォスと差のない競馬をしていたことを考えると負けて強しの1戦だっただろう。体質的に弱い一面があり長期休養明けで臨むことになったが皐月賞でイクイノックスが2着に来たように今の競馬界では長期の休養は決してマイナス要素にはならず、むしろそれで人気を落とすのならば積極的に狙いたい1頭だろう。ただ上記にも書いた体質の弱さと、ここ1番での乗り替わりはマイナス要素である。

ソリタリオ
この馬の好走パターンは先行して最後の直線で抜け出して逃げ馬を捉えるパターンだが前走スプリングSでは後方からの競馬になりそのまま回ってくるだけという競馬。先行しないと持ち味がいかせず、またいいポジションを取って先行できたシンザン記念でもマテンロウオリオンを抜かすことが出来なかったので現状はG1では力が足りないと見る。過去の戦績を見ると開催前半のレースで好走する傾向にあるので良馬場とはいえ今の時期の東京で力を発揮できるかも微妙なところ。

セリフォス
実績を考えるとやはりこの馬が1番だろう。新潟2歳Sでは最内をついて伸びて1着。デイリー杯2歳Sでは大外を回りソネットフレーズ以下を抑えて1着。そして朝日杯FSでドウデュース相手に初の敗北を喫したがそのドウデュースは皐月賞3着で、勝ったジオグリフは朝日杯では5着。このことからも朝日杯はやはりレベルの高いレースであり、そこで2着だったセリフォスは実績通り能力の高い馬であることが伺える。ただ気になる点がいくつかある。まず1つは過去のレースでこの馬は1度も「圧勝」をしてないということ。負けた朝日杯も含めて過去のレースでセリフォスは毎回力通りに走ってるだけでそれ以上のパフォーマンスもそれ以下のパフォーマンスも出していない。それ故に安定感はあるがここ一番での決定力はなく朝日杯でドウデュースに競り負けたときもゴール前であっさりと抜かされており、相手に食らいつく勝負根性のようなものは全く見られなかった。そしてその朝日杯ではレース中にやや気の悪さも見せており、2歳時より精神面や能力がどのくらい成長出来ているかが問題。だがこの馬が中内田厩舎の馬という部分は懸念点である。中内田の馬は早熟傾向の馬が多く、クラシックを期待されたダノンプレミアムやヴェロックスは結局3歳以降G1を一つも取ることができなかった。セリフォスが勝った新潟2歳Sも早熟馬が有利なレースで、近年では勝ち馬がその後全く活躍できないパターンも多い。今回セリフォスが朝日杯と同じくらい走れたとしても上位に来れるかは疑問であり、レースでの成長度合いが分からない以上過信は禁物であると考える。

キングエルメス
勝ち鞍は1200mの新馬戦と1400mの京王杯2歳S。1600mでの勝ち鞍はないが前走アーリントンCでは3着に粘っておりマイルが全くダメというわけではないだろう。しかし問題は気性面でクローバー賞では首を傾げる仕草を見せながらモタれて伸びずの5着。そして前走アーリントンCでは道中でかかってしまい無駄に力を消耗して3着という結果だった。調教でもふらつく仕草を見せておりどうも集中力に欠ける部分があるようだ。比較的逃げ馬に近いポジションを取った新馬戦と京王杯では全くその素振りを見せなかったため逃げれば集中して走れるのかもしれないが、前走を見るに控える競馬をしてきそうなのと1500,1600のレースでは積極的に前に行かないところを見るに陣営側が距離不安を考えてそうなのでここは見送りたい。

トウシンマカオ
東京1400mで2度好走しているがどちらも開幕週で前有利の馬場を先行して走った結果である。新馬戦はマイルで勝っているがこれは相手が弱かっただけで実際のところはやはりマイルより1400m向きの馬だろう。朝日杯では6着とそれなりに健闘していたが伸びやすかった外目を回った結果であり上位の馬とは明らかな差があったのでマイルのG1ではやや力が足りないと見る。

タイセイディヴァイン
スピードに欠けるがタフな流れに強い馬。未勝利勝ちに時間がかかったが、ロングラン開催で馬場がかなり荒れていた阪神で外枠から逃げの手を打って快勝。その後は冴えない競馬が続いていたが馬場が渋ったファルコンSで2着と好走。重馬場や荒れた馬場を苦にしないタイプだが今年のNHKマイルは良馬場で行われそうなのでその点は特にプラスの要素にはならないだろう。前走アーリントンカップはダノンスコーピオンと差のない2着だがこの日の阪神は風が強く早い上がりが使いやすい状況だったことを考えるとそこまで評価できるポイントではない。ここまでかなり使い詰めされているが調教の動きを見るにその点は問題なさそう。だが能力的に足りなそうなので見送りたい。

アルーリングウェイ
万両賞では荒れた馬場を突っ切り後続の馬を放したが外から伸びてきたマテンロウオリオンに抜かれて2着。この日の阪神は外伸び馬場で1,3着は外から差してきた馬であり、ただ1頭内で粘ったアルーリングウェイは負けはしたもののかなり強い競馬をしていた。次走エルフィンSは荒れた馬場を前目で粘り勝利。ゴール前でも伸びており着差以上に強い勝ち方であったと思う。ただ問題は前走の桜花賞である。直線で2度ぶつけられる不利はあったがそれにしても伸びなすぎであり8着という不満の残る結果。どうも瞬発力には欠けるようで高速馬場やヨーイドンの競馬には向かない模様。今回ジャングロがハイペースで逃げる展開になれば持久力勝負になる可能性もあるが良馬場では分が悪そうで、馬券圏内に残るには思い切った先行策を行う必要がありそう。前走の敗戦から鞍上がそうした策に打って出る可能性は0ではないが、あまり期待は出来ない。

ダンテスビュー
きさらぎ賞で2着の実績があるが勝ち馬のマテンロウレオともども皐月賞ではいいとこなしの競馬であり、その他の馬も特に活躍していないことからきさらぎ賞はレベルの低い1戦だったことが分かる。東スポ杯でも直線で詰まる場面はあったものの上位馬とは離されており重賞では能力的に足りないことが既に露呈している。またマイルを走るのも初めてであり特に買い要素もないので見送りが賢明。

カワキタレブリー
先行して直線で押し上げ前に行って粘るパターンで何度か好走しており持続力の問われるレースではそれなりの力を発揮できるところを見せている。しかし決め手に欠ける部分があるため結局得意な展開でも重賞では勝ち負けまでは行けず小頭数のレースで3着に来るのがやっとである。能力の割には過小評価されているので魅力はあるが今回の舞台ではこの馬向きの展開にはならなそうなので消しで良いだろう。

インダストリア
ジュニアCは開幕週の馬場で大外を回り上がり最速で楽々差し切る強い競馬。相手関係に恵まれたのもあるがそれを含めてもかなりのパフォーマンスを見せた。前走の弥生賞は初の2000mのレースで後方からの競馬になったが大外を回り上がり最速で5着。内容としては決して悪くなかった。ただこの馬は東京よりも中山向きの馬であり、今回の舞台替わりはあまりプラスになると思えない。能力的には上位の馬だがレーン騎手への乗り替わりで必要以上に人気しそうなのでオッズ的に考えてもここは軽視したい。

セイクリッド
デビュー戦は大きく出遅れながら追い込んできて3着。続く未勝利戦は再び出遅れながらも快勝し、ダートではそれなりの強さを見せているが芝は今回が初戦で、しかもいきなりG1ではかなり厳しい。2走続けて出遅れをしている点からも若さが伺え特に買える要素もない。

ジャングロ
逃げて中京2歳Sをレコード勝ち、次走マーガレットSでは控えて逃げ馬を差し切り連勝、NZTでは逃げて後続の追走を振り切りマイル重賞初制覇と良い流れが続いているが本質的にはやはりスプリントの馬だろう。他に無理に逃げたい馬もいないので恐らく今回はこの馬が逃げるだろうが前走と比べて相手関係も強くなり、後ろからのプレッシャーもかけられそうな今回は前走のように逃げ切ることは難しいだろう。舞台が直線の長い東京に代わるのもこの馬にとってはマイナス。ベゴニア賞でスローペースで逃げたところを簡単に捕らえられたので今回はハイペースで逃げると思われる。

フォラブリューテ
どうもスタートが苦手なようでほぼ毎回後方からの競馬になっている馬。新馬戦こそ圧勝で勝ったものの続くアルテミスSでは直線伸びず5着。メンバーレベルの低い紅梅Sを勝ったがその後桜花賞では良いとこなしで大敗。重賞では力不足で特に買える要素もない。

オタルエバー
もともとは逃げ馬だったが控える競馬でファルコンS3着。マイルは距離不安があるので恐らく今回も控えて運ぶ競馬をしてくるだろう。しかしやはりベストは1400mでマイルだと決め手に欠ける馬なので現状の力では厳しいだろう。

プルパレイ
2歳の時は開幕週など比較的馬場状態が良い時に逃げ先行で結果を出していたが開催後半の馬場が悪い時期には良い結果を出せずにいた。しかし前走ファルコンSでは渋った馬場でインから上手く立ち回り重賞制覇。去年からの成長が伺える良いレースぶりだった。また年明け初戦のクロッカスSでは出遅れながらも開幕週の馬場を大外から差して2着と強い競馬をしており1400mではかなりのパフォーマンスを発揮している。ベストはやはり1400mだろうが今年のレースの内容では1600mでもやれそうな気配を見せているのでここは期待が持てそうな1戦である。

ステルナティーア
サウジアラビアRCでは重賞初挑戦で2着という結果だったが勝ったコマンドライン共々その後は全く活躍できていない現状。2走前の阪神JFは道中前の馬と接触する不利があったがそれにしても直線伸びなさすぎでいいとこなしの競馬だった。立て直して臨んだ前走チューリップ賞も後方から伸びずに回ってくるだけの競馬で近走は冴えない競馬が続いている。2着だったサウジアラビアRCにしてもコマンドラインとの差を詰められず3着のスタニングローズをなんとか抑えたという内容であまり評価できる内容ではない。ただ、スタニングローズが後々フラワーCを勝つなど活躍していることや近2走が阪神への輸送競馬だったことを考えると、東京に代わる今回は変わり身を起こす可能性はあるので人気薄になるならば紐で狙う分には良いかもしれない。

ダノンスコーピオン
荻ステークスでは後にホープフルSを制したキラーアビリティを差し切り勝利。朝日杯では強敵相手に3着と2歳時から活躍してきた馬だが、年明け初戦の共同通信杯では7着という微妙な結果。1800mは1ハロン長かったのだろうがそれ以上にスローからの瞬発力勝負では分が悪かったというのが大きいと思う。同じようにスローになった新馬戦や荻ステークスでは勝ちはしたものの2着馬とクビ差の辛勝だった。今回はジャングロが逃げて早めのペースになると思うのでこの馬にとっては有利な展開になるのではないかと予想。アーリントンCや朝日杯のように馬群の中で末脚を溜めて直線でスムーズに行ければ上位に来れるだろう。ただしアーリントンCは強風の影響で差しが届きやすい展開になっていた(展開が向いた)ことや朝日杯では比較的良いポジションで競馬を出来たものの結局セリフォスに追いつくことが出来なかったことを考えると抜けた能力があるとは考えられないので勝ち切るところまで行けるかどうかは疑問である。

3,結論

◎ダノンスコーピオン
〇プルパレイ
▲ソネットフレーズ
△セリフォス
△ステルナティーア

本命は重賞での実績があり今回展開が向きそうなダノンスコーピオンとした。そして対抗にプルパレイ。本命候補だったがやはり1600mだと若干の分の悪さがあるので対抗に留めておくことに。ただし実質的には2頭軸のような形で考えているので◎が飛んで〇だけ来ても当たるように馬券を組みたいと考えている。単穴はソネットフレーズで、長期休養明けが嫌われて人気を落としそうだがデイリー杯2歳Sの内容が評価できる走りだったのでこの位置に。そして抑えでセリフォスだがこの馬は成長度合いが図れない割に人気すること必須なので一応相手に入れておく程度。ステルナティーアはあまり期待はできないが東京コースでの変わり身を警戒して入れておくこととした。

馬券は最終的なオッズ次第だがダノンスコーピオンの単複とプルパレイの複勝。そしてダノン軸の馬連とプルパレイ軸のワイドで買いたいと思う。

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