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【競馬】ヴィクトリアマイル出走馬全頭診断

※この文章は週の初めから書き始めたので馬場状態などが不明なまま記載しています

デアリングタクト
超久々の復帰戦がマイルのレースだがオークスやジャパンCを見るにやはりマイルというより中距離向きの馬という印象。デビューしてしばらくは前進気勢が強くそれがマイルで良い方向に出ていたが昨年の金鯱賞などを見ると2000mのレースでさえズブさを見せて敗北を喫してしまった(ただしこのレースに関して言えば開幕週+雨の影響を受けた特殊馬場の影響もあるが)のでマイルに戻るのが良い結果になるかは正直疑問である。とはいえ陣営や松山ジョッキーのコメントによると今は前向きさを取り戻している状態らしいので昨年よりはスムーズに反応して走れる可能性はあり、この選択が吉と出る可能性も0ではないだろう。直線の長い東京コースは得意であるのと重馬場でも足を使えるという長所はあるのでまともに走れれば勝ってもおかしくないが、ケガで長期離脱した経緯を考えるとやはり信頼はできず人気次第で抑えるかどうかを判断する程度に留めたいと思う。

ソングライン
東京含め左回りの競馬場では馬券から外れたことがなく過去のレースで馬券外に飛んだのは阪神の2走のみでその2走はどちらも大敗。こう書くと右回りが苦手で左回りが得意な馬であるように聞こえるが実際レースを見てみると桜花賞ではメイケイエールにぶつけられ戦意喪失、阪神Cでは荒れた馬場を通ることとなり伸びずに凡走と右回りのレースでは敗因がハッキリしている。逆に左回りの好走したレースでは決まって馬場のいい外側を回っているためおそらく右回りではなく荒れた馬場が苦手な馬なのだと思う。NHKマイルや富士Sでは直線でふらつくような場面もあり、正直世間の印象とは違い左回りは別段得意というわけでもないのではないかと個人的には思っている。3歳時に古馬相手に好走した関屋記念と富士Sでは斤量面でかなり有利な立場にあり、こうしたレースでの実績で人気を上げてきそうだがそれほどの評価は正直できないと思っている。またスタートが得意でなく出遅れがちな点や、近走レースでマイル以下の距離を続けて使われておりマイルで走るのは半年以上ぶりな点もマイナスポイント。週末の雨予報と相まって現時点ではこのレースで買いたい要素が正直見いだせていない。

メイショウミモザ
3走前の巌流島Sでは外伸び傾向の馬場で大外を回して2着馬に3馬身差をつける快勝。前走阪神牝馬Sではイン有利の馬場で上手く立ち回り重賞初制覇。スピードはそれなりに持っており、展開が上手くハマった時に大穴を開ける馬だがG1だとさすがに能力的に足りないように思う。またキャリアの割に東京コースも初で、かつマイルの勝ち鞍も前走だけという実績も評価できない。ただし、不利の影響もあり大敗した2走前の北九州短距離Sを除けばブリンカーを着用した3走前から連勝して重賞まで勝っているので本格化+ブリンカー効果で以前とは別馬になっている可能性も無くはない。重賞を勝って来ているわりには人気しなそうなので期待はできないが抑え程度になら買っても良いかもしれない。

マジックキャッスル
昨年の3着馬だが近走は冴えない競馬が続いており低迷気味。ヴィクトリアマイルは過去の好走馬が人気を落として再び好走してくる…というパターンがたびたびあるのでこの馬がそれに該当する可能性もなくはないが昨年より明らかにメンバーレベルが上がった今回のレースではそれも厳しそう。荒れた馬場もそれほど得意ではなく昨年のレースではゴール前で少し足が鈍ったところをランブリングアレーに刺されているし、重馬場の桜花賞では全く伸びずに大敗しているので週末の天気次第ではかなり厳しい戦いを強いられることになるだろう。特にマイルに特化した馬でもないのでリピーターという以外で今回買う要素もこれといってなく、さらにいうなら昨年のヴィクトリアマイルは勝ったグランアレグリアを除く8着馬までが0.2秒差の団子状態のレースだったので穴人気するようならば余計に軽視したい馬だ。

ソダシ
芝のマイル戦ではG1を2勝しており適性の高さと能力はもはや言うまでもないだろう。高速馬場でも多少荒れた馬場でも問題なく走れる馬だが初のダート戦となったチャンピョンズCでは直線で全く伸びなかったので、乾いたダートのようなパワーがかなり要求される馬場だとさすがに厳しいようだ。この馬は前進気勢が強くスタートしてスムーズに先行できる強みはあるが逆にその気性が悪い方向にでてしまい、レース中にかかってしまったり途中で走るのを辞めてしまったりすることがあるのでいかに気を悪くさせずに走り切るかが最大の問題となってくる。過去のレースでいうとステラリアにぶつけられてエキサイトしてしまい直線で余力がなくなってしまったオークスやレース前から気の悪さを見せ、スタートでゲートにぶつかってしまった秋華賞などがそれに該当する。2走前のチャンピョンズCでは最内枠から逃げの手を打ったがこれは馬が「走ることを早く辞めたい」という気持ちを出し、さっさとレースを終わらせるために前に出て行った部分もあり今回も一番の問題はそのメンタル面がどうか、という点だろう。前走フェブラリーSでは3着に食い込んできたがこれは雨の影響で軽いダートになり走りやすい馬場になったのと先行勢にかなり有利な馬場状況だったことが要因である(実際2着に食い込んだテイエムサウスダンは本来1400mが適性の馬であり、次走のかしわ記念では上位2頭との差を全く詰めれずの3位という結果だった。フェブラリーSで2着にこれたのは先行有利の馬場で逃げの手を打ったからである)。中間の調整は順調なようでメンタル面の心配は必要ないかもしれないがどこかでまた気の悪さを見せてしまう可能性は十分あり、実績は評価しつつも全幅の信頼は置けないのが正直なところである。

ディヴィーナ
ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナの子供とあって親子制覇に期待がかかるがさすがにオープンに上がって初戦のレースがここでは厳しい。前走豊橋Sでは好位から抜け出し勝利を収めたが2着馬とはハナ差の辛勝。2走前武庫川Sでは位置取りが悪すぎたとはいえ特に見せ場もなく惨敗。正直今の実力ではオープン特別すら勝てるか怪しいレベルだと感じる。右回りより左回りのほうが向いているタイプではあるが、今回が初の関東輸送のレースでありそういった点も不安要素である。

レシステンシア
昨年はG1で2着が3回と堅実な走りを見せていたが、唯一馬券を外したのがこのヴィクトリアマイルであった。好位から抜け出し、一旦は先頭に立つもそこから伸びずに結果は6着。本質的に若干マイルは長いのと、スプリント路線を中心に走るようになったのとで今のこの馬にマイルのレースは幾分厳しいものであると感じる。前走の高松宮記念ではハナを切ってハイペースで飛ばしていったが結局伸びずに惨敗。スピードがある馬なので無理に控えてもいい結果に繋がるとは思えないし、鞍上は先行意識の高い横山武ジョッキーが引き続き騎乗するので今回も逃げ、もしくはそれに近い位置で先行すると思う。だが昨年のレース以降ずっとスプリントで走ってる馬がマイルで粘れると思えず、ここは見送るのが賢明な判断かと思う。

クリノプレミアム
今年初戦の京都金杯で重賞で初めて掲示板に載り、2走前中山牝馬Sで重賞初制覇を決めると前走福島牝馬Sでも2着という結果を残し今年に入ってからは以前と別馬のような活躍を見せている。特に近2走は松岡ジョッキーの騎乗が上手くハマったことが大きく、中山牝馬Sでは後方から長く足を使い先頭に進出してくるという今までにない走り方をして結果を出し、前走福島牝馬Sでは先行して早めに抜け出す競馬で2着に粘り脚質の自在性を見せつた。また、過去には逃げの手を打って勝利を収めたこともありどんな展開にも対応できる能力には期待できる。だが上位勢と比べるとスピードの面で見劣るため、スピード勝負に持ち込まれると分が悪くなってしまう。ダートや荒れた馬場での好走実績もあり、馬場は問わないタイプなので上位勢が力を出し切れないような展開になれば好走する可能性は十分にあると思う。

アブレイズ
1800mのレースで重賞勝ちと2着1回があるようにこの馬にとって最も適している距離はやはり1800mだろう。好走した2走前の中山牝馬Sでも伸びたのはラスト200m付近なのでマイルはこの馬にとっては微妙に短いと思われる。時計のかかる馬場よりは高速馬場向きで東京でオープン勝ちの実績もあるので舞台適性はそれなりにあるがG1ではさすがに見劣りする。過去の好走パターンは先行したときに限っているので馬券圏内にもし来るとしたらすんなり先行出来てかつ後方勢が全く差してこれないような展開になるしかないが可能性としてはかなり低いためあまり期待はできない。

ローザノワール
下級条件のレースはダートで勝ち上がってきた馬だがオープンに上がってからはダートで頭打ちの感もあり芝のレースを積極的に使うようになっていた。2走前のディセンバーSで初めて芝のレースでの勝ち鞍を得たがこれは枠順と馬場の恩恵が大きく、同コースを使った中山牝馬Sでは逃げの手を打てずこれといった見せ場もなく惨敗してしまった。また広い東京コースとの相性もあまりよいと思えず、テンもそこまで早くないので前走のように逃げることすら出来ない可能性もあり特に買う要素もないだろう。

ファインルージュ
昨年は桜花賞3着、秋華賞2着とG1でもそれなりに活躍していた馬だが今年初戦の東京新聞杯は正直物足りない内容。スタートで後手を踏んだカラテに最後かなりギリギリのところまで迫られてしまっているので牡馬相手だと少し力が足りないという印象。マイルで重賞勝ちの実績はあるがエンジンがかかるのが遅いタイプなのでどちらかといえば2000mのほうが合っており、事実紫苑Sや秋華賞ではこの馬のベストといってもいいほどかなり良いパフォーマンスを発揮していた。また、東京よりも中山のような直線の短いコースのほうが合っているようにも思え今回の舞台ではあまり信頼が置けないようにも思う。休み明けを苦にしないタイプであるのと牝馬限定戦では明らかに距離の長かったオークスを除いて大崩れをしていないので牝馬路線の中では上位の存在であるが勝ち切るまではどうか。

ミスニューヨーク
2走前にターコイズSを勝ち重賞初制覇を飾ったがこの時の勝ちっぷりはかなり鮮やかだった。流れが向いたのもあったが後方で足を溜めれば最後に伸びてこれることを示せたのは大きな収穫だったと思う。前走中山牝馬Sは外刺し傾向の馬場をインから伸びて3着。人気は裏切ったが上位馬はみな外を回した馬だったので、内でただ1頭粘ったこの馬は負けて強しの競馬をしていたと思う。また、重馬場を苦にしないタイプなので雨が降っても問題ない点も魅力であるが、この馬は中山や小倉のような小回りで直線の短いコースのほうが向いている馬であり初の東京でのレースとなった3走前の府中牝馬Sでは直線で伸びてくることが出来ず大敗してしまっている。コース相性がイマイチなので強くは推せないがそこさえこなせれば上位馬とも争える存在であるように思う。

レイパパレ
3歳時に走った大原Sでは後に重賞で活躍を見せるサトノウィザードやクラヴェル相手に完勝したが次走チャレンジCでは(勝ち星は得たが)期待されてたほどの強さは見られなかった。翌年大阪杯を制したがこの時は道悪のなかレースが行われ結局良馬場での強さはイマイチ分らないままでその後は2200mの重賞を立て続けに使われ戦績を落としてしまっていた。2200mは明らかに長いことが分かっているが個人的には2000mもベストではなく、この馬の本当のベスト距離は1800mだと思っている。前走の大阪杯では一旦は抜け出して先頭に立ったもののポタジェに刺されてしまい3着のアリーヴォともハナ差の決着。2000mでも強いがやはりほんの少し長めの距離なのだと思う。それ故この馬にとってマイルへの距離短縮は決してマイナス要素にはならず、実際デビューからの2戦はマイルで連勝していたようにマイルへの適性は少なからず持っていると思う。4歳時に大阪杯を重馬場で勝っているように馬場状態は問わないタイプであり、また気性面でやや問題はあるがデビュー以来手綱を握っている川田ジョッキーが上手くコントロールしているためその分の心配はないものと思われる。ただ生粋のマイラーというわけでもないので上位には来れても勝ち切ることが出来るかは疑問である。

アカイイト
この馬の好走パターンは後方待機に徹して直線で一気の末脚を見せるか、中段につけて早めに抜け出してロングスパートで粘るかの2パターンに分けられるが幸ジョッキーが主戦になってからは後者のパターンで走ることが多くなっている。それがドンピシャでハマったのがエリザベス女王杯だがあの時期の阪神の馬場はロングラン開催の影響でかなり馬場が荒れている状態であり、先行馬にとってはかなり厳しいレースとなっていた。勝ち星を得ることが出来たのはその影響がかなり大きい。ある程度の能力は持ち合わせている馬だが後方待機だと展開待ちになってしまい、東京コースで走った府中牝馬Sなどはかなり良い脚を使っているのだが差し届かず7着。ロングスパートに持ち込もうとしても東京マイルではスピード勝負になってしまう可能性が高くこの馬にとっては分が悪い。週末は雨予報が出てるので馬場が渋ってタフな流れになればこの馬向きの展開になる可能性はあるが、そもそもこの馬の距離適性は2200m~2400mが適性だと思うのでG1の舞台では適正外のマイルで狙うのは厳しく、買うならばここよりも宝塚記念のほうが良いと思う。

アンドヴァラナウト
昨年はローズSで重賞初制覇を果たし、その勢いのまま秋華賞で3着と結果を出していた馬だが今年に入ってからはやや低迷気味。愛知杯で大敗を喫し、前走阪神牝馬Sでは連対はしたもののレース内容は物足りない内容で、最後は3着のデゼルに抜かされなかったがこの日はインが有利な馬場で外刺しがあまり来ていなかったので通ったコースが違えばデゼルに刺されていた可能性は十分あったように思えた。福永ジョッキーのコメントによると良い時の調子を取り戻せていなかったらしいが、今回どれくらい調子を戻せているか分らない上に本調子でも古馬G1では力比べでやや劣ると見ているので当日の気配がよほど良ければ抑えで買うといった程度に留めたい。

デゼル
この馬のベストは1800mだと思うが4走前の府中牝馬Sでは全く伸びずに大敗。しかしそこから徐々に調子を取り戻し2走前愛知杯と前走阪神牝馬Sでは連続の3着。特に前走の阪神牝馬Sではイン有利の馬場を外から鋭く伸び、2着のアンドヴァラナウトに迫っていたので内容としてはかなり良いレースぶりであった。マイルは若干短いと思うが昨年は阪神牝馬Sを勝ち切った実績もあり、8着だったヴィクトリアマイルも2着馬と0.2秒差とそこまで負けてはいない。乗りなれた川田ジョッキーから藤岡康ジョッキーに代わることが一番の不安要素ではあるが騎手で人気は落としそうなので今回は狙いどころか。

シャドウディーヴァ
忘れられがちだが実は東京巧者の馬。4走前府中牝馬Sでは鋭い末脚で各馬をまとめて差し切り重賞初制覇を決めた。それ以前にも東京の重賞で4度も馬券に絡んでおり東京コースなら抑えておくべき馬なのだがG1では秋華賞の4着が最高でそれ以外は全く勝負になっていないのが現状である。近3走は特に冴えないが距離が長いうえにメンバーのそろったJCと有馬記念、そして開幕週で先行有利の金鯱賞では結果が出せないのも当然でこの3走は度外視で良いと思っている。脚質的にどうしても展開待ちになってしまうが逆に言えば展開さえ向けば確実に伸びてくるので近走結果で人気を落とすのなら抑えたいところだ。

テルツェット
ヴィクトリアマイルに出るためにやや詰まったローテーションになってしまった昨年と違い今年はある程度の余裕をもって出走出来ているので昨年よりは走れそうな状態にある。雨の降っていたクイーンSを制しておりある程度の馬場の悪化は問題なさそう。後方で待機しないと末脚が溜まらないが今回はレーン騎手に乗り替わりなので早めに進出して足を使えない可能性があるのが懸念点。さらに気性面の問題や出遅れやすい点も不安要素で積極的に買いたい理由が見つけられずここは見送りたい。

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