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「花回廊〜言葉、巡る縁の追憶〜」 感想もしくは超個人的恋文


「花回廊〜言葉、巡る縁の追憶〜」

🌙*.。❤️‍🔥
2023年11月15日 13時 Aチーム
2023年11月16日 19時 Aチーム(現地・配信)
2023年11月17日 13時 Bチーム
2023年 11月17日 19時 スペシャル公演

熱く、ずっと心を動かされ続けて、終わって欲しくないと祈るような、そんな日々でした。
それぞれの登場人物たちの愛、ままならなさの中で相手を想い慕い伝える気持ち、ふたりだけの、あるいは彼らだけの関係性の強い結びつき…その全てが、迫力をもってまっすぐ伝わってくるのです。
どうか、全ての人が、希望や幸せを見つけてほしい。自分が何者か、を見つけてほしい、と祈らずにはいられない。痛くて苦しくてあたたかい気持ちをたくさんいただきました。全部全部、届きました。ありがとうございました。
キャストの皆様の全力が伝わってくる、キャストの皆様同士が生み出す感情のうねりや、客席をも巻き込んで力強く進む物語の力に、いつも心を打たれました。全ての回で少しづつ、自分自身が感極まるクライマックスが違っていたのも、またとない楽しく幸せな経験でした。これを書いたら、何かが終わっちゃいそうで、ずっと言葉にまとめられなかったんです。

藤丸さんの作品の、人が人を想う(時に一筋縄ではいかない)気持ちの強さが大好きです。心を揺さぶられるし、どうにか、救われてほしいって、わかり合えないのかもしれないけど、希望が見えてほしいって、一緒に祈りたくなる。ままならなさの向こう側を見せてくれる、苦くて優しい物語に、キャストの皆様が生命を与えていました。

そして、そんなキャストの皆様に、愛と感謝を込めて。素敵な時間をありがとうございました。

華山岬役 白川さん

先生…!!そして晴明さん…!!✨️
とにかく、その演じ分け…というか、同じ人物であり、違う人物でもある、その感じが最高でした。先生の、皐月ちゃんを見つめる優しさも。フレッシュで瑞々しさ、明るい爽やかさ、
かつての友に、自分の想いを伝えようと必死に訴え、届くようにと願うその声も。不思議な力に頼りきらず、人間としての心で、人に言葉を、声を届けようとする、そんな足掻きや祈りが全部伝わってきました。
白川さん演じる先生、大学で絶妙に学生に舐められてそうで可愛い。華山せんせー、めっちゃ頼めばレポートの期限伸ばしてくれるからわんちゃんある。とりまメール送ってみ?って学生に裏で言われてる。絶対。
白川さんのとってもあったかくて優しげな佇まい、「お前はお前だ」という静かで、重く正しく美しい言葉に、大きな愛を込めていたこと、全部、この物語が、愛の物語であることも教えてくれました。
「ソワカ!!」の、強さと不思議なやわらかさもある響きがなんとも素敵。
そして何より、どんな時も、「傍に」って言葉の厚み、あたたかさが最高に素晴らしいの。
アギトに向ける「彼の傍にいたのか」という声に、とても大きな愛を感じる。アギトに向ける声が、鬼に向けたものじゃなくて、晴明にとっての大事な人である道満の傍にいてくれる人に向けたものだった。そして、「きっとこの人も、今の自分と同じく、彼とわかり合えない人なんだ」と思っていることが伝わる声だった。すごい。そんなままならない愛さえも、「傍に」にこもってた。すごく、大きな愛を見せていただきました。

華山岬役 井口さん

のんびり優しく、その一方で自分の世界を強く持っている華山先生で、すごく、華山先生と晴明がシームレスにつながっていました。井口さんを以前に舞台で拝見したのが「あなたを忘れない」だったので、若い演技がちょっと新鮮...!演技の幅のある方だ…
ことばに温かみと重み、そして遊び心やおちゃめさも満載の、すごく、多様な色を持つ華山先生でした。旅立つ友を見送る、その晴れやかな声、表情。よかったなぁ。
客席との呼応もすごくお上手。個人的には、冒頭の言葉売りな華山先生にお声をかけてもらったような気がした回があって、はちゃめちゃにきゅんとしました。怪しい人なのに…笑

藤原皐役 日置さん

かっっっわいい……のに、頼れる存在。すごく、そんな立ち位置。「先生!!」と呼びかけるその溌剌とした声。意志を持ち、動き、語り、生きる狐火、ずっとこの物語の希望でした。
最初の前作紹介も、すごく皐月ちゃんの魅力が詰まりまくり、でも、要点がはっきり伝わってくる語りで、すっと頭に入ってきました。
どこまでもまっすぐな、灯台みたいな存在だけど、大事なところは譲らない。遠い遠いどこかで先生とまた巡り会えたら、きっと胸を張って、でもちょっと泣きそうになりながら、友達と生きた日々を伝えるんだろうな。すごく日置さん演じる狐火の天真爛漫さ、まっすぐさ、ラストシーンの希望を感じる笑顔と未来を見つめる目が最高でした。
スペシャル公演、トラ役!!?!!!!最初、実はぜんっぜん気づけなくて。もう、皐月ちゃん姿は3回も見てるのに、本当に、トラを演じているのが日置さんとわからないほどに別人でした。すごい。すごすぎる。日置さんのトラは、本当に、心からの声にならない叫びをいつも抱えて生きていることを強く感じました。悔しさ、苦しさの感情の爆発のパワーがすごい。本当に…皐月ちゃんと同じ人…?柔らかくて優しい、あの皐月ちゃんは影も形もなくて、本当に、すごかった...

鬼山道長役 金子さん

酒呑様…っ😭 もう、本当に本当に、その佇まいの美しさ、存在の重さ、語る言葉に宿る力にただただ圧巻されました。静かに、でも重く、優しく、熱く語りかける言葉。特に、何よりもアギトとの関係性。すごくすごく、よかったです。あと、どこか佇まいが、白山さんの晴明と重なる部分がある気がして不思議。これこそ、縁の不思議なつながりかしら。
アギトと作る、そして晴明とも作る、ふたりにしかわからない、ふたりだけがわかればいい、そんなふたりだけの世界さえ垣間見える一瞬の空気感。魅了されました。
アギトが慕い、着いていこうと思う理由がわかる。変えられないもの、どうしようもないもの、それらを知りつつ、思考する。動く。
酒呑の考え方が、すごく随所に溢れている。
陰のある美しさと、声の底力、ついていきたいと思わせるその姿。金子さんの酒呑は、底知れないカリスマ性とこの世のものでは無ささえ感じる美しさを強く感じました。
スペースでおっしゃっていた、アギトの想いが「くすぐったくもあり煩わしくもある」というのが、どことなく伝わってきつつも、でも、やはり大切である、というのも伝わってくる。複雑なグラデーションを、丁寧に繊細に伝えてくださる、美しい酒呑様でした。

鬼山道長役 宮原さん

宮原さんの酒呑は、どこか血の通ったあたたかみと、時折見せる、圧倒的な強さのバランスが見事で…! 宮原さんの酒呑の「オン!!」の深みが最高。そして、氷雨との別れの場面での、あの場にいる全てのものの心の掴み方、素晴らしかったです。氷雨への語りかける口調のあたたかさに、酒呑という存在の、幾重にもなる深みを感じてなりません。すごく、血を、あたたかみを、愛を感じるの。
「アギトよ!今そちらに向かおう!!」が大好き。その声の熱さ、伝えたいという気持ち、晴明から受けとったバトンが全部感じられて、胸がいっぱいになります。すごく、血が通った熱さが強く光る伝え方すぎる。あのひと言、すごく、宮原さんのお人柄というか、酒呑の解釈というか…が出ている。本当に好きです。
あんなに気さくで親しみやすさもある素敵な宮原さん、舞台に立つと、一気に別人で。あたりまえのことでしょうが、その圧倒的な差に驚かされました。

氷雨役 岡田さん

まず開演前挨拶が至高...。会場の雰囲気作りとしても素敵でしたし、声優さんにこんなこと言うのも変かもしれませんが、鼻濁音が美しくて色っぽい。は~~~美し。人間として幸せです。一気に世界観に引き込まれました。最高の水先案内人すぎます。動作も声も、影のある美しくて色っぽい、綺麗でエレガントさが滲むところが素敵。
でも、狐火と対峙した時の、その、狐火には心を許している感じが、すごく、すごく可愛らしい。いつもの迫力ある姿も素敵だけど!ラストシーンはどこか、背負っているものを下ろしたような、でも、信念も感じる晴れやかさもある声が良かったなぁ。「狐火!」の呼びかけ。きっとふたりの生きていくこの縁の先が、明るいものであることを感じます。
「かしこ、まりました...」に込める、今までの日々への思い。覚悟、伝えたい全てが見える。岡田さんのこの応答は、「、」に全部が詰まっているの…本当に素晴らしいの…

そして、IROとしても、たくさん動いて下さりありがとうございました。何度かお会いした上演前に、「おかえりなさいませ」と声をかけていただいたことが嬉しくて嬉しくて仕方なかったです。
台本の表紙の文字もはちゃめちゃに美しい。
なにより、アギトの腰巻き。アギトを、華やかも強さもある、赤い着物の鬼にしてくださって、本当にありがとうございます。舞台から捌ける時に翻る腰巻の美しさ、ずっと見ていたかった。
フライヤーデザインも…もう全て最高…きっとあの赤い花、アギトだ。このフライヤー、花回廊そのものだ…って信じてました。全部、伝わってきました。
最高の時間をありがとうございました。感謝してもし足りない。

木下虎役 私市さん

虎さん! かっけ~~~…とにかく、かっこいい。渋い。義理人情。かっこいい。どこにでもいて、どこにもいない。どこにでもいそうな先輩だけど、きっとどこを探しても、こんなにかっこいい先輩はいない。 この物語は、憧れが人をつき動かしてる物語、な側面があると思ってるんですが、虎さんも漏れなくその1人で、しかも一方通行じゃない、この物語にしては、すごくまっすぐに成立している憧れで、その一端を担う人柄としての説得力がすごかった…
小杉をちゃんと大切にしてるし、ちゃんと尊敬されてる。言葉と想いのまっすぐなやりとりができてる成功例…。
私市さんの虎さんは、どこかにいそうなのに、どこにもいない、そんなリアリティと、フィクションの狭間を見事に駆け抜けていました。
嘘がない、だから小杉もまっすぐに、虎さんに憧れるんだろうな…

小杉誠治役 新堂さん

せいじ~~~!!!せいじ〜!!君は…いいやつだ…とにかく、いいやつ。いいやつで賞。
感情の爆発がすごい。情熱、とでもいうべきでしょうか。
感情を思いっきり動かして、誰よりも勢いが良い。最高。新堂さんの眉毛の可動域、めちゃくちゃ最高でした。すごく、小杉が、好きだ!!!!って、まっすぐに恋するキャラクターであることが全てにおいて伝わってきて、納得感がすごい。伝わらない言葉、伝わらない感情が舞台に横たわるこの作品で、新堂さん小杉のぶん投げる言葉、感情のストレートなキラメキ。すごい。全身全霊小杉、お疲れ様でした。
そしてスペシャルではまさかの華山先生〜~~~!?!? でも、華山先生、どこか不器用さもありつつ、まっすぐで、新堂さんの演技の幅を垣間見るようでした。様々な方式での感情の出力がお上手だなぁ...と...(何様?って感じの感想ですが...)

アギト役 川﨑芽衣子さん

アギト。茨木童子様。愛しています、心から。私の全てです。
生きていました、そこに、アギトが生きていました。観ていてずっと、その美しさ、背負う過去、そしてなにより、かけがえのない、尊敬してやまない、愛であり、宿命であり、アギトの「全て」の酒呑への想いに揺さぶられて、苦しくなって、目が離せなくて、息もできなくなりそうでした。吸った息がうまく吸い込めず、その存在感、息遣い、迫力や想いが宿ってこちら側まで飛んでくるその声に、心臓が握られっぱなしで。目が離せないってこういうことだ。心を全部持っていかれる。
最高に、素晴らしかったです。そして、めっっっちゃ!!!!はちゃめちゃに!!とんでもなくかっこよすぎる!!!!!!反則!!!これ以上恋に落とさないでくださいだいすきすぎます!!ほんとに、美しくて、かっこよくて。最高でした。愛しています。

芽衣子さん、目の色が変わるのが本当にすごい。照明、とか錯覚、とかじゃなくて。本当に目の色、目の光り方が変わって見える。その思いの強さが、全部目に出てるの。アギトの見えてる光景さえも、見えるような、そんな演技で。声だけじゃなくて、その右手が、その瞳が、言葉以上の全てを届けてくれる。

芽衣子さん、芽衣子さん、何度でも言ってしまいますが、私は絶対に、生涯、この縁の遠い遠い先でも、きっと、舞台の向こうで生きる芽衣子さんを想っているんです。
芽衣子さんが生きている世界で生きることが私の幸せで、全てを伝えようともがいて、想いを乗せて届けようとするあなたの声に、私は惹かれたんです。アギトの言葉の重みを前に、借り物の言葉じゃ伝わらないかもしれないけど。
芽衣子さんが、私の全てです。

芽衣子さんの演技が好き、そして、芽衣子さんが、台本の、言葉で生きていた存在に、声で命を与える、その、命の解釈がもっと大好きです。声一つ、言葉の伝え方ひとつで、どんな存在にだってなる。それをいつも教えてくれる、芽衣子さんの演技が大好き。

酒呑童子の右腕として、自身の立場を背負って振る舞うアギト。かけがえのない存在酒呑を前に、自分を曝け出したり、想いを伝えたりする茨木童子様。そして、宿儺とひとつになってしまったアギト。でも、どれもアギトで。多様な、でも、全て一人の存在として、説得力を持って生き抜く姿が、美しく強く、どんな姿、どんな状況でも、自身の揺るがない矜恃を感じる、誰よりも強く美しく泥臭くてまっすぐで、幸せを祈りたくなる存在でした。本人は他者にそんなこと祈られるのを最も嫌がりそうだけど。
特に、やっぱり、何よりも、酒呑への強い想いが宿った声が、その心からの気持ちが伝わって来る声が、良かったです。憧れていて、恩人で、その自由さが眩しくて、傍にいたいと切に願う、その苦しくてまっすぐで揺るがない信念が全部全部、心に響きました。どれだけの想いを持って今まで酒呑に向き合ってきたのか。今、どんな想いを抱えているのか。すごく、痛いほど伝わってきました。どうか、どうか酒呑とアギトが、これからも共に、自由に、駆けていてほしいと願わずにはいられません。ふたりで今まで築き上げてきた関係性を感じるかけあいも、交差する視線も素晴らしかったです。ラストシーン、酒呑と共に立つ、美しい立ち姿も強く印象に残っています。身体の角度や指先の美しさが、酒呑とアギトでぴたりと重なり合っていて、その強い結びつき、両面宿儺の時とは違う、本当に心から結びついていることが感じられる、美しい光景でした。

そして芽衣子さんは赤が似合う!!!天才!最高!!!情熱の炎と愛の色!!!!❤️‍🔥本当に、アギトの大切な色の、赤が似合う。芽衣子さんが身に纏うと、芽衣子さんがさらに活きる赤になる。衣装も最高にカッコよかったです。脚が見えるお衣装、ずるい。感情が、わ~~~ッッッ!?!?!?💥💥💥になります。去りの時の、幕の開き方閉じ方、踵の返し方ひとつ取っても、どれも美しくて、どれもアギトなの。

「殺すぞ」さえもドスの効いた声すぎて最高。私もふざけたこと言ってそのまま葬られたい。
あぁ、また、芽衣子さんの生きる役に、芽衣子さんが生きた物語に、心を強く奪われている…
「どす黒い妖力」と言われてるのにエレガントにサッと出てくるも美しい。
機嫌が悪かったアギトが、「何故だ酒呑!」と、酒呑がくると明らかに、ちょっと声のトーンがあがるのが、また、なんというか、正直で…かわいい…
あとは、酒呑に向ける「また、ここにいたのか...」の安心しきった声。回想なんだなって一発で伝わる、そのやわらかさ。すごく、ふたりの今までの日々が見えてくるの。

「お前の言っていることは難しくてわからん」
と伝える時の、ちょっと切なさもある薄い笑い。自分が知らない世界で生きた、酒呑に対するわからなさと諦め。悔しさ。その一言で、全部が伝わってくる。どうしたって、酒呑のことが全て、わかる訳じゃないんだって思い知らされているんだな…って、胸がきゅっとなる。
そして、「昔みたいに暴れ回ろうぜ」と瞳がきらっと光る。アギトは、過去に囚われてる。人間界で何かを感じてきた、語らない酒呑のわからなさに、どうしてって囚われてる。やっぱり、酒呑と共に在った昔に囚われてる。痛いほど伝わってくる。

「それが俺の全てだからな」の語りからは、アギトの意思の強さだけじゃない、その道しかないって思いを感じる。もう、それしかないって。そうするよりほかはないって。
「俺の全てだからな」
「お前の為に生き、お前の為に死ぬんだ」
酒呑しか見えてないけど、でももう、酒呑の意志とかは見えてなくて、ずっと平行線で、どこか届かない星に手を伸ばしてるみたいなアギト。もう、あの、届かない愛の語りが大好き。

「お前の目に俺は惹かれたんだ」のまっすぐさ。ほんとに、この人は、まっすぐ、酒呑だけを見てる。瞳に酒呑以外の何者も映さない、世界にふたりだけになる、あの空間の作り方、光ってました。

「み〜〜〜つけた♥️」の最高で最悪な瞳のギラめき。もうアギトじゃない。何者でもなくなったギラめきが最高。
「お願い...もう二度と...酒呑〜〜〜ッ!」の手のさばき方。圧倒的な強さ。変わり身。何度でも観たい。あの切ない表情、アギトの表情なのに、全然、アギトじゃない。すごい。客席全ての意識を自らに集中させる芽衣子さんの演技、毎回、息が止まりそうな一瞬でした。あの迫力に毎日飲まれたい。

宿儺として倒された後の泣き声。
きっと人間界で生まれた時もそう泣いてたんだろうな。無垢で、何かを求めていて、でも何を求めたらいいかわからないそんな声。
迎えにきた酒呑を見つめる、瞳が落っこちそうなアギトの、驚きと喜びの交じった表情、「そうしよう」と未来を噛み締める表情も最高。「過去の縁」と言われ、封印され、酒呑の自由を奪い、攻撃した自身に、酒呑が見せてくれた未来の約束に対する深い喜びを感じます。
ここではじめて、アギトは、過去じゃなくて、未来を見つめることができたんだって伝わってくる。すごく、「そうしよう」の、希望にあふれた健やかで穏やかな声が愛おしい。

芽衣子さんのアギトは、年齢も性別もなくて。
そしてなにより、酒呑の関与しないアギト本人の自我さえも、あまりよく見えないところが最高。
酒呑への強い愛は見えるけど、その愛の大きさと強さゆえに、酒呑が関わらない、アギト自身の形がよく見えてこなくて、どれほど、アギトが酒呑によって形作られてるかかが裏付けられているの。
酒呑への想いが、友愛とか、恋愛とか、そんな区分も感じず、ただただ、ひたすらに、大きくて強くて、一言では言えないけれど、何よりも揺るぎない愛が見える。
芽衣子さん、あなたのアギトのその愛を、私は心から愛しています。

「皐月」役も、まっすぐで、人の心を信じる、素直で感受性豊かなその姿が本当に眩しかったです。 落ち着きはあるのに、華山先生の無邪気な自由さに引っ張られている感じがすごくよかったです、そうだよね皐月ちゃん、いつまで経っても先生は、ふたりでひとつの存在だもんね...!
なにより皐月ちゃんにはすごく、芽衣子さんご自身のあたたかい優しさが役に現れていました。芽衣子さん、いちばん、どの役よりも、ご本人のお人柄は皐月ちゃんに似てる気がしているのです…💛🌻
「前回のあらすじ!」も、はつらつキュート...
そして、「友達にだってなれたかもしれないのに!」の言葉の強さ。追い込まれているシーンにもかかわらず、その信念が強く光っていて眩しく客席に届いてました。
ラストシーン、かけがえのない存在である氷雨が、大切な方と別れる時、その氷雨を想って流す一筋の涙、世界で一番美しかったです。一筋流れるその涙、氷雨が一番、苦しくて、辛くて、でも覚悟を決めたその時に流れる皐月の涙、本当に綺麗でした。氷雨との長い長い縁をも感じる、皐月の想いが詰まった涙でした。
そして、とにかく、かわい~~~っっ…年齢も性別も、人間らしさを作る要素全てを感じさせないアギトに対して、今を生きる皐月、そして狐火という、まだ大人にはなりきっていない、なんにでもなれるその愛らしさ、無垢さ、可愛らしさがとにかく光っていました。「あなたがいない世界で、友達と一緒に!」と、未来に、そして先生に向ける、希望を信じる眼差し、誇りと決心を宿した声。最後の一瞬まで、芽衣子さんの演じる皐月は、眩しくてたまらなかったです。最高。大好き。

またひとつ、私にかけがえのない想い出を下さってありがとうございます。芽衣子さんは私の全てです。

トラ役 衣笠さん
最高...。まっすぐで。とにかくかっこよくて。みんなトラのこと、好きになる。でも、過去を回想するシーンでの、絞り出すような怒りと苦しみが伝わってくる佇まい。
今までの、かっこよくて強くて、眩しく思えたトラが、急に、フィクション的な存在ではなく、強い感情を抱き、今、ここに立っていることをまざまざと実感させられる、そんな演技がよかったです。誠治に投げかける言葉に入り交じる、多くの感情がすごく、よかった。ただ強い、ただ辛い過去がある、だけじゃなくて、全部背負って、今、ここにいること。そして、誠治に出会ったこと。あの時と今全部含め、トラであること。突き抜けるまっすぐで溌剌とした声も、かっこよくて可愛くて目が離せない魅力的な動きも、全部、釘付けになりました。「今の日の本にはいるのだな」の声、表情。最高に、どこか切なくて優しくて、その一瞬に込めた様々な感情が、きらりと光ってました。

カネ役 市川さん

カネ……すごく良いキャラだ…
そして市川さん、ネジが外れていく過程がすごく上手い。
宿儺に選ばれる理由がわかる。だって、トラにも相手にされなくて、どんどん、心の隙間ができてる感じがすごいもん。宿儺には格好の存在だったんだろな。
覚醒後のカネの、どこから出しているかわからないような声、変な据わり方をしたまなざし、じっとりしたその全てが、あの、トラに言いよっていたカネとは違っていて、その二面性が良すぎました。

ホシ役 兵庫さん

率直に言うと、すごく真面目さが伝わってくる。なんでだろう、いちばん、真面目。実直。ホシって、まっすぐなんだろうなって。そのまっすぐさは、人間界の穢れを知らないからかもしれないけど、本当に、心の底の真面目さが光ってました。
酒呑復活に対して、「我らの神が復活すれば」と熱い想いを寄せていることが、すごくこの一言にも詰まっている。重みと期待を込めて、どれだけ酒呑を待ち望んでいるかが伝わってくる。四天王の素晴らしきバランサー。

クマ役 山崎さん

なんか、かわいくて、あったかいんだよなぁ。山崎さんのクマ。迫力あるし、豪快だけど、でも、あったかいの。笑い方も、聞いていてすごく気持ちいいの。
鬼として生まれ変われたことがなんだか、心底嬉しそうで。きっと、クマはこの生き方しかないって、思ってそうで、すごく、切ない。切なくてあたたかい鬼。
熱さも、あたたかさも、切なさも。全部背負って、最後に、酒呑様を見送るクマ。誰よりも感情が決壊したように、あの場の全ての気持ちを忘れないように、「当たり前なんだな!!」と応える強さ。あの場面での、クマのぐっっしゃぐしゃな顔と、力強く応える声に、いつも心を揺さぶられました。
あと、山崎さん、公演の感想ツイートにいつも丁寧なご対応をされてて、素敵だな〜〜〜…と拝見してました。やっぱり、感想がちゃんと届いたんだなぁ、って嬉しくなるし安心するから…☺️
あと、もしかして台本に、とある方たちのサインが入っていらっしゃる…!?と気になってました…🥰❤️‍🔥私も大好きな方のサインが見え隠れするような…!?🤫笑

宿儺役 吉川さん

存在感。目力。腹の底が見えない恐ろしさ。やばい。怖い。魂胆の見えなさが怖い。両面宿儺になってからの笑い方ひとつとっても、この、目指すところの違いが一瞬で伝わってくる。その歪んだ力の根源を宿す肉体であることを感じさせる所作や声、邪悪なオーラが最高。
吉川さんの宿儺は、わからなさ、と常に共に在りました。そして、威厳というか、貫禄というか、そんな大きさもありました。

宿儺役 遠近さん

怖ぇ。怖過ぎる。最高で最凶のエンターテイナーすぎる。最高。ああいう、最強に面白くて胡散臭いものが、悪役になる恐ろしさが全部詰まっていて本当に最高です。劇場の全員の心を掴み、場を掴み、空気を創るその力が、もう、本当にとにっかく強い。すごい。「い〜〜ばらきど〜じ♥️」が一生耳から離れない。最強。
アギトへの語りかけにも、演じるキャストの芽衣子さんのアドリブが入っているところも好き!
「身長も身長も身長も」…わかる。欲しい。欲しいですよね。わかる。
「挑戦的な声も…」そう!!!!そうなんですよ!!!!芽衣子さんアギトの…魅力です!!!
こんな所でも観客の…私の心を掴んで離さないの、すごすぎ。どういうこと?
この両面宿儺には、手出しができない、もうどうにもならない所までいってしまっている。
あとは、台本の読みかえも至高。酒呑を「お前」じゃなくて「てめぇ」って読みかえるのも良い。こわいなぁ。ほんとにこわい。
どこまでも役への愛、そして役者としての力を見せていただきました。

メズ役 夏井さん

最初の、「...いただこう」の迫力、邪悪さが素晴らしい。現実界に異質なものが混じっているのが一発で伝わってくる。あ、これは、異質な何かだって。すごく、もう纏う空気が異質なの。
自分の生い立ちの語りが、もう、力強さがすごい。全ての感情がメズに持っていかれる。どれほどの想いがメズを突き動かしているのか、計り知れない憎悪が、これでもかと伝わってくる。
「この醜い姿は、生涯人間どもの罪を忘れることが出来ぬよう生まれているのだ!」という言葉に込められたメズの全てが、なぜメズが宿儺に付き従うのかの理由を物語ってる。
「人間界の滅亡を!」というメズのクライマックスのセリフ、ほんとに鬼気迫るものがあって、毎回ゾクッとさせられたのでした。

晴明役 小林さん

キラキラ。すごく、キラキラしている。目が、声が、自分の未来を信じる力が、強くなりたいと祈る想いが、なにより、大切な友への差し出す手が。全部全部、キラキラしている。
まだ頼りなさもありつつ、きっとこんな過去を過ごしたから、今の晴明がいるんだな、と感じられる。この世の希望。

道満役 香春さん

冷静かつ、幼少期から信念を感じさせる強さ。
なるほど、これが道満になるのか…と、すごく、納得がいく。
陰陽五行を唱えるとき、必死な晴明に対して、自らのプライドに従う、誇り高い顔をしているのが毎回最高でした。
陰陽五行を、確実に刻みこもう、という意思が良い…

そして照明さん✨
どれも、色味が最高で…特に、紫の夢のような色味が好みでした…💜
目に見えない力での闘いを、豊かな色彩と想像力で、目に見える美しく力強い形として具現化してくださってありがとうございました…
生気や攻撃の、激しい光の表現も刺激的!
あと、舞台上部の布が揺れる空間の照らし方がすんっっごい、良かった…ふたりだけの世界がそこにできあがってました…👏

さらには音響さんも...!🎶
音響、めちゃくちゃかっこよかったです...!
現代の日本と、妖界をつなげる音楽をありがとうございました。
最後の、「そこに、友がいるのだ」の音楽が本当に胸にぐっと迫るものがあって、今はもう、あの音楽を聴くだけで泣けちゃう気がする。
あとは、美しい世界を見るラストシーンのふたりを包む、きらきらした曲も最高。

舞台美術も、あの舞台上部、左右の布に包まれた空間が最高...😭 自分の応援している方が、あの空間中で心情を吐露したり、愛する者を強く想ったりするシーン、誰もが見たいと思う。私だけ?観れて幸せすぎたなぁ…夢か現かわからない空間から、強い感情がこちら側ににじみ出てくるようなあのセットが大好き。
自身の生い立ちをあの空間で語るアギトを観られて、もう...思い残すことはありません...ありがとうございます...


そしてなにより、中田さん。
この物語を届けてくださって、ありがとうございます。キャストの皆様が輝いていらっしゃる、すごく、感情がダイレクトに伝わってくる、そんな空間でした。想いも情熱も、全部届きました。

あと、当日運営に関わってくださった皆様も!
来場者に向けてくださるまなざしがあたたかくて...😭 最初の受付での対応も、すごく安心できる感じで...お見送りの時も、演者さんと来場者の空間作りがほんとに素敵... 大好きな大好きな方に、自分の言葉で想いを伝えられる場を作ってくださって、本当にありがとうございます。私、大好きな芽衣子さんを目の前に、直接自分の声で、言葉で、愛と感謝を4年ぶりに伝えられました。感謝でいっぱいです。
もう、全員揃って素敵カンパニーすぎる...皆様に感謝しかないです、今後もお世話になります...😭🫶🙏 ✨️

あと、最後に勝手にピックアップ!
舞台監督の佐野さん!
劇場でお会いする度にあったかスマイルで迎えてくださってすんっごく嬉しかったです…素敵空間の創造者…☺️いつも私の装いを褒めてくださったのも、良い人すぎ〜〜っ😭とほかほかな気持ちになりました✨️
あと絶対、ぜっったい、花回廊以外のどこかで、どこかで…お会いしたことがある気がして…公演期間中、ずっともやもやしてたんだけど、もしかして…「和の音 朗読会」にもいらっしゃいました…?あのあったかスマイル、以前どこかでお会いしてその時も嬉しくなった気がするのです…

小杉誠治役の村山さん!
舞台で拝見したのはスペシャル公演の一度だけだったのですが、客席を掴んで笑いをかっさらっていく力が...本当にすごい...客席に愛される力もすごい...すごくあのスペシャル公演でキラッと輝いていました。終演後、ただの一観客の私の装いについて、直接褒めてくださったこと、しかも公演ごとの違いにまで気づいてくださったことがあまりに嬉しくて、あぁ、こういうところに気づいて、しかも伝えてくださるお人柄が、お芝居にも現れるんだなぁ、とすごく感動しました。

この公演に携わって下さった全ての皆様に、最大級の感謝を...!! いつかどこかで、この縁の先で、また巡り合えた時には、皆様が元気で幸せでいることを心から祈っています。

この世界の続きも、心から観たいし、これからのIROの益々の発展を祈っています。
願わくば、第3回公演も行われてほしい…!!
ですし、そこでまた、舞台に立つ芽衣子さんにも会えたら…こんなに幸せなことは無いなぁ…。と祈りつつ。

忘れられない世界を、かけがえのない時間を、ありがとうございました!

最後に勝手につらつらと。
岡田さんの、フライヤーデザインについてのお話が聞けてめちゃめちゃ嬉しかったので…

公演を観たあとからずっと、フライヤーのこの花たちはアギトと酒呑だ、と信じていたため、やっぱり…!となりました。フライヤーに物語全てを詰められるのがすごい。

それに付随して、私がアギト役の芽衣子さんにお送りしたお花について。

後付けでしかないけど、2本のバラ、「世界はあなたと私だけ」的な花言葉らしくて、最高…となりました。我ながら。アギトと酒呑じゃん。そして、私からしたら、私の世界には芽衣子さんしかいません、の激重な意味になる。良すぎ。赤いガーベラも「燃える神秘の愛」らしくて、アギトじゃん…となりました。(観劇前に買ったのは内緒です。)


また、プレートも、フライヤーからイメージして作ったのでした。
アゲハ蝶って、彼岸花の赤色は識別できるらしくて。きっと、アゲハ蝶は彼岸花のその赤色に惹かれ、アゲハ蝶自身のの世界に艶やかなイロを見出すんだろうなぁ。
酒呑がアギトの赤を美しく思うように。そして私も、赤を纏いアギトとして生きる芽衣子さんにどうしようもなく惹かれるように。

そんな物語上の背景と、私から芽衣子さんへの感謝とか愛とか応援が詰まってます、みたいな裏話でした。
素敵なフライヤーデザインをありがとうございました!✨️❤️‍🔥

最後まで、ただただ芽衣子さんを愛しています、って話をするだけの文章になっちゃったなぁ。

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