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国債発行と徴税の役割

先日、Twitterでこんな質問をしてみました!

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いつも多くの回答を頂き、ありがとうございます!(ぺこり)

回答率はご覧の通りです。日本銀行(以下日銀)を選択された皆さん。残念でした。

正解は日本政府です。

詳しく説明すると、

日本の硬貨は造幣局(政府機関)で作成され、作られたものを日本政府が買い取ります。この時は硬貨に価値はありません。その後市場に出回る事で硬貨は貨幣として価値を成します。
紙幣も同様です。印刷局(政府機関)で作られ、日銀が買い取り、貨幣としての役割を全うさせます。

なんか変な感覚ですよね。両方とも日銀が作ると思ってませんでした?(僕もちょっと前まで思ってました。)

本題!もう一度、問題を見て下さい!

”日本国において、貨幣は硬貨、紙幣、銀行預金があります。......”

これに、ん!?っと思われた方いませんか?

「え..銀行預金って硬貨、貨幣を銀行に預けた記録でしょ?記録がなぜ貨幣なの?」

とか

「まぁ貨幣と言われればそうなんだろうけど、そんな重要な事なの?」

と思いませんか?僕は最初そう思いました。

不思議ですよね。銀行預金は貨幣なんですよ。

そしてこの貨幣の発行方法こそ、日本がデフレ脱却できない大きな問題の1つと言われています。

「どういう事?」

とこの先の話に興味がある人はお時間の許す限りどうかお付き合い下さい。ちょっとした知識が増えるかもしれません。

それでは行こう!⬇︎⬇️⬇︎⬇️⬇︎⬇️⬇︎⬇️⬇︎⬇️⬇︎⬇️⬇︎

時代をコンピュータなど無い時代まで戻しましょう。

まだ貨幣が金貨や銀貨であった時代。金や銀は取引の仲介や貯蓄、納税の役割を果たしてました。

当時、金と銀は価格が変動しない絶対的価値の象徴だったんです。

兌換制度(だかんせいど)が生まれ活き出す時代です。

兌換制度・・・当初のお金には、「このお札を持って来れば、いつでも同じ価値の金(きん)と交換します」と約束事が書いてありました。「いつでも交換できる紙幣」という意味で、これを「兌換紙幣」と呼んでました。そして、この紙幣が世に回る仕組みを「兌換制度(金本位制とも言います)」といいます。

日本は1885年頃から紙幣が流通し始めます。国民は「この紙を持っていれば、いつでも金と換えられる。」と信じで紙幣を使い始めました。

日銀は持っている金の量を元に紙幣を発行しました。当時は流通量もそれほど大きくなく世の中は回っていた為、兌換制度が活きてました。

ところが、時代が進むに連れ不都合が起き始めます。

経済が大きく発展したんです。すると紙幣の流通が多くなり、決済に便利な紙幣が足らなくなってきたんです。

日銀が持つ金の量は限りがあります。その為発行できる紙幣の枚数は限られます。

兌換制度があるために、世の中に必要なだけの紙幣を日銀は発行できなくなってしまったのです。

日本政府はどうしたか。

兌換制度を即廃止です。これにより日銀は1942年から金の量と関係なく紙幣を擦りまくれるようになりました。時代は進み、パソコンが世に登場しました。銀行口座がパソコンで管理され、銀行口座間の金銭授受までもパソコンで行えるようになりました。これによりクレジットカードの登場。

これらの利便性は貨幣信用の形を大きく変えました。

かつての兌換貨幣による信用(金や銀で信用価値を保つこと)から

貨幣は価値の受領権により信用を得るモノに変わりました。

良い製品や質の良いモノは高価で販売されるようになりました。ものに限りません。1泊3000円のホテルもあれば、1泊10万円のホテルもあります。サービスも価値として値を付ける時代になりました。

提供される価値を受ける事と引き換えに貨幣を支払う事が当たり前になりました。それにより貨幣の信用は現在も維持されています。

そんな貨幣が日本には3つ存在します。←重複😁

硬貨と紙幣と銀行預金。

硬貨は日本政府が、紙幣は日本銀行が、銀行預金は民間銀行および日本銀行が発行しています。

この3つの発行において、政府のみに許された絶対権力があります。

通貨発行権です。政府は硬貨と紙幣を無から発行することが出来るんです。

「それはつまりどういう事?」と思う人も居ますよね。僕も最初、全然理解できませんでした。少しでも理解者が増えれば良いなと思い、続けますね。

銀行預金の発行を一緒に見ていきましょう!

銀行預金の発行方法は2つあります。

1つは硬貨や紙幣を銀行に持って行き、通帳に預かり金を記帳して貰う事です。これは誰しもがやったことがあるでしょう。

もう1つは借入による発行です。住宅や車を買う時に銀行に融資をお願いした人は必ず経験されてます。

銀行に「お金かしてくーださい!」って言えば「はぁい!」って感じで通帳に多額の金額が記載されますよね。あれです。

皆さんはどこかで、こんな事を習いませんでしたか?

”銀行は皆からお金を集め、そのお金を元に他人に融資をして、その利ザヤで稼いでる”と。

僕も銀行員時代、研修で嫌って程この事を習わされました。

しかしこれは嘘です!

銀行は預金者から預かったお金を又貸しして他者の口座に金額を振り込んでる訳ではありません!

単に借用者の銀行口座に金額を書き込んでるだけに過ぎないんです。預金者のお金は全く関与しません。

銀行は借用書を顧客から受け取るだけで、無から貨幣である銀行預金を発行させることができるんです(恐らくこの事実は銀行員でも知ってる人は限られると思います)

そんな事をやっても良いの?って思いますよね....。

良いんですよ。現にそうやって来て今に至ってます。元に何の問題も起きてないでしょ?

民間の銀行がこれをやってるように、日銀も同じ事をやっています。

日銀のお客さんは日本政府。日本政府は国債という借用書を発行して、それを日銀に渡す事で政府が持つ通帳(日銀当座預金口座)に日銀から金額を書き込んでもらってます。

ここで登場した国債とは何か。

国債は政府の借金(国の借金)です。この借金を増やさない為に、日本政府は政策を打ち出し続けるんですが、その政策(消費税増税等)が問題、問題、大問題なんです!

日本政府が消費税増税と緊縮財政をずっとやってる原因は、政府の借金である国債の残高を税収から返済(ここ大事!)しようとしてるからなんです。 

緊縮財政・・・政府の支出を極力減らそう。公共事業を減らそう。政府にお金を集めよう。という動き

「税収こそが日本政府を運営する財源であるべきだ」と考え、国債という借用書を発行し日銀から借りたお金は返済しなければならない。

という事を前提としています。(前提になんかしなくても良い。政府なんだから)

国債が借金である以上、借金は返済する事が当然です。国民も議員もミナミの帝王も皆そう思い、普通に考えればこれを批判する人は居ないと思われます。なぜなら借金の返済は当然の道理だからです。

しかし、前文を思い出して欲しい。

政府には絶対的権力があります。そう通貨発行権です。この権利をうまく使えば日本の財政問題は一気に解決します。

簡単な話です。

政府が硬貨だけでなく、紙幣も発行できるよう日銀に働きかけます。

そうする事で政府は政府紙幣を発行できます。そしてこれを日銀に渡してしまえば、財政問題は解決します。

それにより税収で国債を返済する必要がなくなります。結果、消費税を上げたり、緊縮財政を行う必要も無くなるわけです。

「いやいや、そんな勝手な事しちゃダメだろw」って思いますよね。俺も最初はそう思ってました。

でも考えてみてください。何故そう思うのでしょう?

政府には絶対的権力(通貨発行権)があるですよ。それなのに何故ダメのでしょう?

その理由は、貸借の考えがあるからです。

物を買ったり売ったり、銀行のローンでも、何でも。

貨幣には払う側と受け取る側が存在し、金銭取引には必ず2名の登場人物が必要です。誰かの収入は誰かの支払い。誰かの負債は誰かの資産という考えが金銭取引にはあります。

貸借には、取引の前後で貨幣の総量は変化しないという保存則が当てはまってしまうのです。

しかし貨幣の創造と消滅ではどうでしょう?

そうです。当事者なんて居ないんです。つまり2人も登場人物はいらないんです。一人で事が済むのです。

無から生み出され、消す時は無に還るんです。

これを行うのに相手など必要ありません。

つまり、貨幣の創造と消滅は貸借自体が成立しないんです!

繰り返します。

政府は絶対的権利(通貨発行権)を持っています。自由に貨幣を生み出す事ができるんです。借金は返済が終わったら消えて無くなります。通貨発行権に基づき、通貨を発行する事で政府は無から通貨を発行できます。その過程に当事者は必要ありません。当事者が居ないから貸借が成立しないんです。


この考えが無い人たちは、全ての経済行為は貸借で表さないといけないと信じてる人たちです。

『政府による通貨発行は国債発行という金銭貸借の形以外有り得ない!』と強く言ってる人たちです。

その結果が

「国債発行」=「政府が借金をする」=「通貨発行手段はこれしかない」

と言う誤解を生んでしまうんです。悲しいですよね。

MMT理論により以下が証明されてます。

「変動相場制の国の政府が自国通貨建ての国債をいくら発行しても債務不履行にはならない

この事実が分かっていても、

『国債は債権の記録と誤解し、国債発行こそが通貨発行の唯一無味の手段だ。』としてしまってる以上、

「国債価格が暴落して金利が上昇したらどうするの?」と心配をしてしまう人が増えてしまうんです。

じゃあ、現状を変えるにはどうすればいいの??って思うよね。簡単です。

ちゃんした認識を国民皆が持てば良いんです。

そしてそのことを発信すればいい。

世論が変われば政府は動きます。

今回のコロナ騒動でもそうだったでしょ?

お魚券とかお肉券とか謎の政策も、国民が「バカなのか。あんたたちは!?」と言い続けた結果。給付金の給付が実行されました。

現在、給付金のマイナスを復興税を上げて回収する「お前しばくぞw」的な法案が出てますが....はぁ.......。

まとめ!

1. 貸借はあくまで通貨を利用する者同士の間でないと成立しない。通貨発行や通貨消滅時は貸借が成り立たない。

2. 政府は硬貨発行だけでなく紙幣を発行する権利を持つべき。民間銀行に国債を買って貰うことで通貨を発行させることは日銀当座預金を肥やす事と銀行の貸出金利を制御するだけ。せっかく通貨発行権を持ってるんだから、財源確保のために国債発行をネタに銀行から借金なんかしないでくれ。

3. 税収を政府支出の財源確保なんかに使わないでくれ。もっと社会の富の平等やインフレ抑制に使ってくれ。

政府が紙幣を発行すると、ハイパーインフレなるんじゃないか??という意見が増えそうですが大丈夫だと思います。

何故なら日本には超強力なインフレ抑制の消費税制度があります。

30年の信頼と実績の保証付ですwww

インフレに大きく傾きかけたら、消費税を操ってインフレを抑制してしまえば良いだけなんです。国債発行を止めて、政府紙幣の発行を政府の財源確保にすることで介護や教育など多くの事に予算を使えます。「政府さん!ちゃんと勉強してよ!」と言ってる方に言いたい。

まずあなたが勉強すべきだよと。

おしまい!    


あ、徴税、最後にちょろっと書いただけだwww



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