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被服室の定位置より

ここの窓からは、グラウンドで練習している野球部が見えます。風向きによっては掛け声や、部室の汗のにおいが舞うように入ってきます。当時この部屋のこの位置には局長やアナウンス部門のエースが歴代座っていて、1年生の時、その背中や姿勢に憧れたものです。

収録やお昼の放送を前提につくられていなかった小さい「放送室」には、上の方から吹奏楽部の合奏がダダ漏れ。ナレーション収録をする時には、わざわざ事前にお願いをし、演奏の時間をずらして頂く事が多々ありました。

その昔、千歳高校放送局はほぼ活動していなかったそうです。当時の顧問の先生がお昼の放送をつくり、平日毎日違う企画で曲とトークを届けていました。

地元のお祭りやイベントの司会なども積極的に顔を出し、先輩方は恵庭のコミュニティーFMで番組をもっていました。そのFM局でボランティアスタッフとして活動していたのが、当時中学生だった私。そこが出会いでした。

私はそのFM局で、レポーター兼ディレクターと、30分番組のパーソナリティをしていました。「その様子をラジオドキュメントで取材させて欲しい」と、のちの先輩方から声をかけられ、色々色々あって、入学後入部する覚悟を決めました。

3年間、始発で行って夜遅く帰る生活。楽しかった事、悔しかった事、学んだ事、沢山ありました。

用意した質問だけではなくて、人の心に寄り添って話を聞くこと。
それを本当に伝えたいという気持ちを持つこと。
誰よりもまず先に自分たちが興味を持ったり楽しんだりすること。
同じ志を持った仲間を大切にすること。
ある程度頑張ったら、次の世代に任せるということ。

心の基礎工事をしてくれた顧問の先生方、先輩、後輩、取材やイベントで協力してくれた地域の皆さん、本当に感謝しています。

今、ラジオの講師として高校生にいろはを教えているのを当時の私が見たら、きっと笑うでしょうね。でも今出来るのは、伝え続けるということだけ。

形が変わっても、無くなっても、今も沢山の卒業生が多方面で仕事に家事に育児に頑張っています。当時の顧問の先生は3人ともバラバラになってしまっているけど、それぞれパワフルに、高校生と試行錯誤しながら必死に部活を生かすべく活動しています。

そしていつかまた、0から新しいものをつくってくれる高校生が集まってくれたら嬉しいです。

CBS、ありがとう!
そして(一旦)ラストのバトンを受け取ってくれて繋いでくれた3年生、ありがとう!!!
明るい未来を願っています。

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