2021.12.18【第17期ヴィンテージ神挑戦者決定戦】
おはようございます。
約1年の出張生活の終わりと共にイベント無し期間も終わり、生活スタイルも一新しましたね。
今後の出張がどうなるかは分かりませんが、今回はMO環境だけでなく紙環境も把握できていない状態でデッキリストが少しずれたなーと思っているので、また色々やっていきたいと思います。
■MH2の新カード
今回はMH2に影響を大きく受けたことは誰の目からも明らかでした。
《ウルザの物語/Urza's Saga》と《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》は今までのデッキを過去のものとしました。
・《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》
ヴィンテージでは活躍の場がほとんど無かった《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》とは異なり、ただのクロックに留まらず、マナの供給、相手のライブラリーからアドバンテージの獲得、対コンボのリソース削りなど、複数の役割を持っており、特に重要なのは赤いクリーチャーだったということです。
・《ウルザの物語/Urza's Saga》
0or1マナのアーティファクトをサーチできて、戦線を維持する構築物トークンの生成など、各種Moxを擁するヴィンテージ環境ではとりあえず入れとけレベルのパワーカードです。
Moxだけでなく《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》や《真髄の針/Pithing Needle》、《多用途の鍵/Manifold Key》、《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》など、メタカードやコンボパーツのサーチも可能で、特に《Time Vault》の相方である《多用途の鍵/Manifold Key》と、《ボーラスの城塞/Bolas's Citadel》とコンボの関係にあり通常でも操作が可能な《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》はどちらも勝ち筋に影響する都合、青いデッキでも活躍することとなりました。
特に《ウルザの物語/Urza's Saga》は今回のイベントまでで制限になるのではないかとの声も上がっており、当日までプレイヤーをヤキモキさせたことでしょう。
どちらのカードもデッキを区分する上で使っているデッキか、使わずに対策するデッキか、使わずに違うことをするデッキかの3種に分けることとなりました。
■構築の前提
ここからはデッキ選択までの自分の思考を開示していきます。
①《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》
端的に言って強すぎます。
ただ、比較対象として《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》よりはちょっとだけ弱いと思っています。
このカードの存在で【墓荒らし】の序列は下がったと思います。
【墓荒らし】は《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》を軸にしたミッドレンジ~コントロールに属するデッキですが、もともと除去が《突然の衰微/Abrupt Decay》と《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》になってしまうなどゲーム中に使用するマナの総量が増える=動きに拡張性がない=もっさりしていることが課題になっていました。
今までは相手にする対青系フェアの使用するクリーチャーも《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を抜けばいずれも2マナ以上のクリーチャーでしたが、《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》によってそのアクション数の差が致命的なまでに広がったと感じました。
よって、ここまで考えたところで自分は謎にアイコンとなってしまっている【ジェスカイコントロール】を使用する優先度を圧倒的に下げました。
【ジェスカイコントロール】は【墓荒らし】に対して《剣を鍬に/Swords to Plowshares》の存在より有利であることがメリットでしたが、他にも使用しない理由がいくつかありました。
まずは《表現の反復/Expressive Iteration》の存在です。
このカードは2マナでありながら2枚のリソースと交換することができます。
これにより「《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》のアドバンテージ獲得源としての優位性」と、「《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》の蓋性能」のどちらもが落ちました。
メリットが「《アゾリウスの造反者、ラヴィニア/Lavinia, Azorius Renegade》をプレイできること」と、「《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を採用できるため、環境に多く存在するだろうと想定される《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》に強い」となり、《アゾリウスの造反者、ラヴィニア/Lavinia, Azorius Renegade》自体が《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》の対策とならないこともあって、早期に見切っています。
この段階で《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》を使う選択をしました。
②《ウルザの物語/Urza's Saga》
使うか対策するかという点で、まずフェアデッキで受ける側である前提であれば使うことが難しいという結論を下しました。
要素は「色マナが出ない」「構築物を出すのに《ウルザの物語/Urza's Saga》もタップするので3マナ分を使用する」「サーチしたいアーティファクトが少ない」の3つです。
最後のサーチしたいアーティファクトについてはプレイヤーごとに考え方が異なっており、「少ないから採用せずにアーティファクトの枠に呪文を入れる」と「少ないけど採用することで《修繕/Tinker》戦略を取り入れる」の2軸に分かれました。
後者の考え方をコンボ寄りに突き詰めるorコンボからフェア戦略を取り入れる先に【グリクシスブリーチ】があったと思います。
実際【グリクシスブリーチ】は検討していましたが、晴れる屋で公開された記事の中にリストがあり、大衆の目に晒されたことで使用をやめました。
また、この段階では【青白8Cast】というほとんどオリジナルのデッキも検討していました。他のデッキが難しそうであればこのためだけに《Time Vault》を買うつもりでしたが、今回は他のデッキにしたため買うことなくすみました。あぁ良かった。
③MH2を受けての各デッキの雑感
・【ジェスカイコントロール】
《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》と《表現の反復/Expressive Iteration》で以前のリストの意味がかなり薄く、新しいリストを組まなければ何にも勝てないデッキになるため不採用。
相変わらず【墓荒らし】には強く、《虹色の終焉/Prismatic Ending》によって【4CWalkers】にも強くなりましたが、新しいリストを組む時間も環境理解も足りていないのでやめました。
・【墓荒らし】
《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》のブロッカーとなれる《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》が採用でき、同時に墓地対策の一部を任せられるのは好印象ですが、除去が弱すぎる上に《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》に勝てないので不採用。
【《Bazaar of Baghdad》デッキ】にも強いという意味で《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》のシェアが上がるであろうことが分かっている状態で《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》へのガードを上げないリストを使う意味はないと結論づけています。
このデッキを考えている際に《厚かましい借り手/Brazen Borrower》を検討していましたが、除去枠がそもそも2マナであることもありかなり無理をしたリストorプレイにしなければ採用できないため、個人的には弱いデッキに該当すると思っています。
まぁ墓地対策を擁する必要があるほど【《Bazaar of Baghdad》デッキ】が増えれば別ですが、【《Bazaar of Baghdad》デッキ】は《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》も《ウルザの物語/Urza's Saga》も採用できない上に、【墓荒らし】環境がMH2まで続いていたことを考えれば《忍耐/Endurance》がある都合多くないと思っていたので強みも少ないかなと思っていました。
そもそも黒いカードがフェアデッキをプレイする上であまり強くないので、僕がこのデッキをプレイすることはよっぽど強いカードが出ない限り無いと思います。
・【《Bazaar of Baghdad》デッキ】
→ドレッジ:《忍耐/Endurance》も《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》もいそうな環境での優位性を感じないのでいない読み。
→ピッチヴァイン:こちらはいわゆるドレッジャーを落とさずに動き出せることと《復讐蔦/Vengevine》が速攻を持っていることでライフを詰めるスピードが高く、いるならこっちだと思っていましたがいわゆる「でんちゅう式(《ぶどうのドライアド/Vine Dryad》や各種インカーネーションサイクルを採用したタイプ)」でなければ割とどうにでもなりそうだったのでスルー。
・【《Mishra's Workshop》】
《ウルザの物語/Urza's Saga》を採用できるものの、正直に言えば相対的に弱くなっているという印象です。
最も厳しいのは拘束系パーマネントと土地破壊によるゲームプランの破壊ですが、《ウルザの物語/Urza's Saga》はどちらにも寄与しません。
そう考えれば、得たものが他のデッキより圧倒的に少なく成長度合いが少ないという意味で相対的に弱くなったと思います。
・【ブリーチ・PO】
どちらも《ウルザの物語/Urza's Saga》を強く使えて、場合によっては《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》を採用できますが、対策されていないことが強いデッキでありながら【ブリーチ】はリストが大きく公開され、【PO(《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》デッキ)】は《紅蓮破/Pyroblast》が標準搭載の環境です。
どちらも優位性を感じずに使用しないことを決めています。
・【《修繕/Tinker》デッキ】
通常のフェアデッキと【ブリーチ・PO】の間のようなデッキですが、自分自身が可能な限りゴミ(ここでは自力でプレイできず、他の用途がほとんど無いカードを指す)を入れたくないと考えているため切りました。
ただし、この後デッキリストの構築中に《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》のおかげで大きく歪まされることをこの段階では知りません。
・【4CWalkers】
【ジェスカイコントロール】【墓荒らし】のどちらの弱い理由も排除することができるティムールベースのリストが組めるため、【青白8Cast】の次の候補はこれでした。
・【Doomsday】
相変わらず強いです。このデッキのためだけに《狼狽の嵐/Flusterstorm》をどれだけ取るかを考えさせられます。
某フィクサーと影武者のせいで日本で10番目くらいにちゃんとまわせる自負があったので、最悪《Underground Sea》の4枚目を購入してこれで出ることも検討していました。
・【オース】【《Fastbond》デッキ】【その他】
《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》も《ウルザの物語/Urza's Saga》も強く運用できないという意味で、今回の環境ではファンデッキだと思いました。
ただし、フェアデッキをプレイする上では最低限の《ドルイドの誓い/Oath of Druids》を対策する必要はあります。最大5名ほどはプレイしていることが想定されるためで、この5名が《ドルイドの誓い/Oath of Druids》を諦めて他のデッキをプレイしてくれればなぁ~~~~といつも思っています。
■【4CWalkers】のリスト
ここからはそのリストを作るにあたっての思考開示です。
リストは以下の通りです。
・クリーチャーの選択
まず《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を4枚にするところからスタートしました。
これにより、最大12枚程度のクリーチャーの内8枚が1マナとなったため他のカードのマナ総量を上げることが正当化され、同時にこの2種8枚はマナを供給しやすいクリーチャーでもあるため、他のカードは豪華に使えると考えました。
また、【《Bazaar of Baghdad》デッキ】のために《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《忍耐/Endurance》をそれぞれ1枚ずつ採用しました。
同型をより強く見るなら《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を、墓地対策をより見るなら《忍耐/Endurance》をそれぞれ足しても良いかと思います。
実際に自分も《タルモゴイフ/Tarmogoyf》の2枚目を取っていましたが、この後のカード選定をしていく内に《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》が重すぎることに気づき《厚かましい借り手/Brazen Borrower》へ変更しています。
また、神:高橋プロは一部を《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》としていますが、これは明確に【ジェスカイコントロール】が数を減らすことを前提にしており、相手の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》の上からライフ・カードアドバンテージを得つつ殴れるカードとしての選択だと思います。
実際同型においては《修繕/Tinker》のタイミング以外はマナに余裕があり、カードの枚数に課題を残しやすいので理ではあります。
僕は「どうせ何か1枚が盤面に残ってりゃいいんだから、ドロソのがええやろ~~」と安直に考えて《表現の反復/Expressive Iteration》の複数採用に踏み切っています。
場数の差と言えばそれまでですが、この辺がまだ足りてないなーとも思うのでなんともですね。
・ドローソースの選択
上記より《定業/Preordain》は0枚にして《表現の反復/Expressive Iteration》を2枚採用しました。
《思案/Ponder》も《表現の反復/Expressive Iteration》に変えて3枚採用しましたが、サイド後に探す必要のあるカードを探すためだけに《思案/Ponder》を再度採用しています。
探査ドローは正直《表現の反復/Expressive Iteration》より弱いと思ったことと、中盤以降のゲームの展開をプレインズウォーカーに任せる都合無くても問題ないと判断しました。
・プレインズウォーカー
ゲームメイクにあたっては被り引きしたくないのでそれぞれ2枚ずつの採用です。
特に《レンと六番/Wrenn and Six》は対フェアデッキにおけるゲームメイクの基準となっており、マイナス能力でタフネス1(=《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》)の処理も任せられる点で採用を決めています。
《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》だけ最後まで迷っており、最初のリストは《活性の力/Force of Vigor》がメインに入っていた都合、緑カウントのために3枚採用し、代わりに《ダク・フェイデン/Dack Fayden》を1枚にしていました。
しかし《活性の力/Force of Vigor》をメインに入れる理由のほとんどが《ウルザの物語/Urza's Saga》から出てくる構築物トークンと《Time Vault》コンボへの耐性アップにしか過ぎないと考え、サイドへ移行すると同時に2枚へ落ち着きました。
コンボ以外のマッチアップではプレインズウォーカーは優先的に攻撃対象になるため、ライフ儲かった~~~くらいの気持ちでプレイしたり、釣りとしてプレイすることをおすすめします。
明らかに蓋になっているタイミングでないときは実践でも特に守っていません。
・カウンターの選択
まず《意志の力/Force of Will》を特に考えず4枚採用し、同様に《精神的つまづき/Mental Misstep》を採用します。
《否定の力/Force of Negation》については半端になりがちなメインボードにおける致命的なアクションがソーサリータイミングであることから1枚採用。
そしてここからが選択の時間です。
・《紅蓮破/Pyroblast》
・《狼狽の嵐/Flusterstorm》
・《目くらまし/Daze》
の3種の比率と枚数についてです。
《狼狽の嵐/Flusterstorm》は打ち合い性能が高く、対コンボにも強いなどカウンターとしての信頼度は高いですが、対象がソーサリーとインスタント。対コンボについては《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》に一定の役割を与えることとしているので全てを《紅蓮破/Pyroblast》としています。
《目くらまし/Daze》については、こちらのほうが相手より遅くなることと、これを必要とする高速コンボが事実上【Doomsday】だけであることから《紅蓮破/Pyroblast》でもその役割のほとんどが実現できる上、《表現の反復/Expressive Iteration》を複数採用していることで土地を手札に戻すコストが痛すぎるため採用には至りませんでした。
また、最後の最後まで《狼狽の嵐/Flusterstorm》については悩んでおり、枠があればメインとサイドにそれぞれ1枚ずつ取りたかったところですが、今回はそこまで煮詰める時間も知識も足りていなかったのでいっそ採用せずとしました。
ここは煮詰める要素が多分に含まれているので、今後も検討される枠となるでしょう。
・土地の配分
まず《ウルザの物語/Urza's Saga》を採用しないことを決めているので、土地破壊のための枠が3枚必要になりました。4枚以上でないのはサイドから《活性の力/Force of Vigor》を入れるためです。
また、同じ理由で相手からも土地破壊が飛んでくるため、フェッチ先は1枚余裕を持たせています。
色の配分については赤と緑が3つずつからスタートし、より致命的になりやすい赤を構えられないことに備えるため追加した1枚は赤を増やしています。
同時に追加している1枚なので黒を同時に満たすために《Badlands》となっています。
黒を《Underground Sea》で採用してしまうと《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》と《レンと六番/Wrenn and Six》というゲームプランの選択に関わるカードがプレイできない事態に陥りかねないため《Badlands》を優先です。
また、《Badlands》は《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を同時にプレイできる土地であるため、この手のデッキで《Badlands》を採用しないことはあり得ないと思います。
ただし、《Taiga》については一考の余地があります。
例えばメインの緑要素を上げる場合や、緑緑の要求数を増やす場合は検討できるでしょう。
■想定環境
《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》の登場により、良くも悪くもヴィンテージっぽさが薄れた環境になったと感じています。
具体的には【デルバー】っぽいデッキが増えたなという印象で、今回はヴィンテージ専門のプレイヤーは負けやすい土壌だったと思います。
要は他のフォーマットで得られる経験値や技術が活かしやすいことに対して、それらがヴィンテージで得られないだろうと考えていたためです。
特にレガシーについては明確に【カウンターモンキー】ベースのデッキがメタの3割を占めており、今回挑戦者決定戦で優勝したデッキは【カウンターモンキー】に《修繕/Tinker》を足し、それに伴って《ウルザの物語/Urza's Saga》を採用したようなデッキです。
よって、想定の1つは「赤が多い」でした。
ここからサイドボードに《水流破/Hydroblast》が採用されている理由に繋がります。
《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》を落とす、《紅蓮破/Pyroblast》の打ち合いを制す、《ダク・フェイデン/Dack Fayden》への早期解決札としての機能、《活性の力/Force of Vigor》と《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》でごまかしている《死の国からの脱出/Underworld Breach》に対する回答、これらを満たすのが今回は《水流破/Hydroblast》でした。
また、《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》と構築物トークンが多い前提であれば《タルモゴイフ/Tarmogoyf》は有力な選択肢です。
よって、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を無視してアタックしてライフを詰められるクリーチャーとしての機能で《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》への追加の対策カードとしての機能を兼ねられる《厚かましい借り手/Brazen Borrower》を採用しています。
ただし、実践においては《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》が場に出る前に全てのマッチでゲームが決まっており、《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》を重く見ている都合で【オース】の対策を兼ねられる《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》を採用しているので、《厚かましい借り手/Brazen Borrower》が2枚以上必要かは検討の余地があります。
今回の自分のマッチアップ上は【《Bazaar of Baghdad》デッキ】が多く、この枠が《忍耐/Endurance》や墓地対策ならな~~~~と思っていました。
また、赤が多いため【《Bazaar of Baghdad》デッキ】も10%前後はいそうだなと思っていました。
赤から取れる対策はほとんどないので、《虚空の力線/Leyline of the Void》などの普遍的な墓地対策カードしかないのであれば、これは【《Bazaar of Baghdad》デッキ】にとっては良いことだと言えるでしょう。
優先されるのは《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》が出るまでのターンが短いという意味で【ピッチヴァイン】だと思います。
【《Mishra's Workshop》】と【オース】の2つはもはや環境とかではなく普遍的に"いる"のでこの2つとその他のデッキで全体の5~15%を占めている想定です。
その後、前述のリストを構築し前日の23時頃から仮回ししていたところ、《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》を通すためのクリーチャー除去の必要性を説かれ《稲妻/Lightning Bolt》を採用しました。
■実績
4-3です。
最近の勉強量が足りていなかったな~と思います。
ただし、前日に煽られまくったように【ジェスカイコントロール】をプレイしていたとしても同じ戦績になっていたであろうことから後悔はしていません。
また、自覚ある通りMTGが下手なのでリストで勝つしかない状況でリストが強いと全く思えていなかったので5-2を賭けた場所までいけたこと自体に満足しています。
①ピッチヴァイン:くとぅるふさん 〇××
1ゲーム目5マリで勝ったかと思ってましたが、サイド後はキープの軸と相手のハンドの軸が上手くかみ合わず特に何をすることもなく負けました。
②4CWalkers 〇〇
ラウンド後ノーパワーだと聞きましたが、ヴィンテージは引きムラがあるためあまり感じませんでした。
そのパワー不足を《闇の腹心/Dark Confidant》で補おうとしており、正直もっと早めに引かれていたら結構キツかったのですが噛み合いとヴィンテージ環境の理解度で勝ちました。
ぜひ《Ancestral Recall》から買ってほしいと思いました。
③ハルクフラッシュ+《突然の置換/Sudden Substitution》コンボ ×〇×
ハルクフラッシュで負け、制圧して勝ちからの3ゲーム目に相手のハルクフラッシュルートを潰し、サーチを全て消した次のトップで《突然の置換/Sudden Substitution》を引かれ負け。
こういうトップゲームで負けるのが一番キツいです。
④ドレッジ 〇〇
粉も無い5マリガン。先手で《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》をプレイしましたがそこで投了されました。
なんのデッキかよく分かりませんでしたが、とりあえず【《Bazaar of Baghdad》デッキ】かなーと思い墓地対策をイン。
その後の2ゲーム目でも粉無し4マリガンを決めており、正直途中から笑いしか出ませんでした。ゲーム時間の9割がマリガンなゲーム。ちなみに《忍耐/Endurance》を2回引きました。すまんな。
⑤エルドラージ ×〇〇
結果には影響しなかったものの《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》の動かし方が下手でした。
最終ゲームはもう盤面で勝つのが不可能になっていましたが、相手が《古えの墳墓/Ancient Tomb》でライフを削っていたため通称死儀礼ビームで勝ちを目指しました。
どうにもインスタント・ソーサリーの枚数が使用できるマナに対して足りていなかったところ、トップから《精神的つまづき/Mental Misstep》が降ってきました。《紅蓮破/Pyroblast》を抜ききって気持ちよくなっていて抜き忘れていたのに気づいて青くなりましたが、手札にある《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を《精神的つまづき/Mental Misstep》で打ち消すことで墓地のインスタントを1枚追加することに成功したことが功を奏し勝ちました。
終わったときは手が震えていました。
今回のベストゲームはここ。
⑥URティンカー 〇〇
色的に【ブリーチ】を警戒する必要がありましたが、こちらのプレインズウォーカーのほうが枚数的に維持しやすくそのまま勝ちました。
こういうデッキ相手の《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》強いなぁと思いました。
《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》が向き合った際に《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》で無理矢理サイズアップしたり、部族以外の7/8《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が大活躍で、《活性の力/Force of Vigor》で構築物トークンを除けて勝ちました。
⑦ドレッジ ×〇×
先手でキープした後、相手のマリガンで【ドレッジ】が確定しましたが、なんと都合よくメインに1枚だけ採用している《忍耐/Endurance》があったのでもろたで工藤!と思っていたところにプレイされる《悲嘆/Grief》。
3ゲーム目も《忍耐/Endurance》を抜かれて負けました。
ドレッジ強いじゃん!《悲嘆/Grief》禁止しろ!!!!!
今後も定期的に晴れる屋のヴィンテージイベントに参加したいと思っているのでよろしくお願いします。
記事内で不明点があれば直接で構いませんので聞いていただければと思います。
また、今回のリストの詰めにあたっては「じんしんさん」と「戦闘民族」さんに相談に乗っていただきましたので、ここで改めてお礼申し上げます。
以上!