ジェスカイアルカニスト プレイガイド

なんかみんなまともにデッキ解説書いててレポートで誤魔化すのが恥ずかしくなってきたので真面目に書きます。

概念的なものの説明が上手くできてない自覚があるので、ここ分からん!は言ってください。

1.ジェスカイアルカニストってどんなデッキ?

戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist
(1)(赤)
クリーチャー — ゾンビ(Zombie) ウィザード(Wizard)
トランプル
戦慄衆の秘儀術師が攻撃するたび、あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが戦慄衆の秘儀術師のパワー以下でありインスタントかソーサリーであるカード1枚を対象とする。
あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
このターン、そのカードがあなたの墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。
1/3

灯争大戦から新しく登場したクリーチャー。
1/3と貧弱なパワー/タフネスで環境に存在する除去の全てを受けるが、赤いことから紅蓮破に当たらないアドバンテージ源であることと使いまわしの効くソーサリーを打つ瞬唱の魔道士のような誘発能力を持つ。

瞬唱の魔道士との差異は以下の通り。

・色
瞬唱の魔道士は紅蓮破で対応されるため、信頼度が比較的低い。
水流破は論理的には良いカードであっても前例がないことから投入することができないプレイヤーも多くいることでしょう。
意志の力のピッチコストで追放することを選べないシーンもありますが、特に赤入りのフェアデッキ対決となった際に相手の紅蓮破4枚を抜けうるのは戦慄衆の秘儀術師の魅力である点は疑いようもありません。

・墓地の呪文を唱えるタイミング

→戦慄衆の秘儀術師
自分の戦闘時=除去以外で相手に対応することは出来ない。ドロー呪文を唱えて対応するカードを引くことは出来る。

→瞬唱の魔道士
相手の呪文に対応して墓地の紅蓮破や精神的つまづきなどを唱えて妨害することも可能。

瞬唱の魔道士のほうがより受けるための選択となります。
戦慄衆の秘儀術師は積極的に展開する必要があり、これは以前のジェスカイメンターの瞬唱の魔道士の扱い方とは明確に異なります。
大きな差異は「自らマナを寝かせて相手にターンを渡す選択を取らなくてはならないシーンが増えた」ことに尽きます。
後述のアゾリウスの造反者、ラヴィニアの存在もそれを推進しますので、以前ほどがっつりコントロールするデッキではなくなりました。

・パワー
ジェスカイアルカニストの前身であるジェスカイメンターでは瞬唱の魔道士がフィニッシャーと揶揄されることもありましたが、戦慄衆の秘儀術師はフィニッシャーにはなりえません。
しょせんパワー1なので相手のライフを削る前に相手から解答が飛んできます。
瞬唱の魔道士の場合は飛んできても仕事が終わっているので問題ありませんでしたが、戦慄衆の秘儀術師ではそうはいきません。
なぜなら、構築の時点での依存度が全く異なるからです。

・瞬速(速効性)の有無
相手のマナが寝たことを確認してから唱える瞬唱の魔道士と違い、戦慄衆の秘儀術師はこちらがマナを寝かせる必要があります。
つまり、相手の意志の力を釣るための動きとして明確に弱くなっています。
また、瞬唱の魔道士は唱えた段階で仕事の8割は終了していますが、戦慄衆の秘儀術師は次の自分の戦闘で1枚唱えてはじめて仕事を1つ行いますので、速効性が異なります。

1-1.デッキの背景

前身のジェスカイメンターから時系列を追って説明します。

◆ジェスカイメンター

豊富なドローソースで状況に応じた必要なカードを探し、瞬唱の魔道士でリソースを再利用から増やして得たアドバンテージを僧院の導師もしくは精神を刻む者、ジェイスにつぎ込み勝利を目指すコントロールデッキ。
ギタクシア派の調査、噴出、僧院の導師とキーカードが次々と制限され、アグレッシブなメンターデッキからコントロールデッキへと移行することになった。

シンプルに言えばこれだけで、過去の(今は存在しない)デッキの説明は現在に対して何も活きないので次にいきます。

このジェスカイメンターはおおよそリストが変わることがないコントロールデッキとして生き続けることになるかと思われましたが、あるカードの登場により構築を見直す必要が出ました。

◆アゾリウスの造反者、ラヴィニアの登場

ジェスカイメンターの基本理念であるインスタントタイミングの動きを否定しました。
相手のターンの行動をインスタントタイミングで対応することで、自分のターンにマナを使用する(僧院の導師、精神を刻む者、ジェイス、ソーサリータイミング呪文などを指す)ことを後手から相手に迫り続けることが可能な柔軟なデッキでした。
さながら後の先を取る、というやつです。
が、アゾリウスの造反者、ラヴィニアはこのジェスカイメンターの動きを否定しています。

さながら置きカウンターのような能力は有効に活用するためには最速設置が重要です。
ですが、これは同時に相手に選択権を渡すことを意味します。
相手は除去することも対応してカウンターを唱えることもできます。

相手に主導権を渡すこの動き自体がジェスカイメンターとしては弱く、変革期を迎えることになりました。

◆若き紅蓮術士への再注目

押し付けるための動きとして注目されたのは弱いメンターとすら罵られていた「2マナ四天王」の一角です。
アグレッシブな動きを重視するこのクリーチャーはジェスカイメンターの基本理念をさらに否定することとなり、このクリーチャーに注目するきっかけとなったアゾリウスの造反者、ラヴィニアすらデッキから追放することになります。
ラヴィニアすら遅いというのであれば、もはや僧院の導師すら重い若き紅蓮術士です。何が起きたか想像に難くないでしょう。

そう、白が抜けることになりました。

そうしてジェスカイメンターという由緒正しきデッキはその歴史を終えることになります。

◆URパイロマンサーの隆盛

テンポ良く動くことを至上命題にデザインされたこのデッキは当時のデッキのおおよそと丸く戦いあうことができる優秀な選択肢でした。
対抗のフェアデッキは墓荒らしで、BUGカラーであるがゆえのテンポの悪さとパワーの高さを持っていましたが、それと対になるような構築のURパイロマンサーも人気がありました。

研究は進みタッチカラーとして緑を採用することで古の遺恨を採用するなど、環境への適応も進んでいきます。
アゾリウスの造反者、ラヴィニアを強く使えるバントサバイバルが急増し、逆説的な結果デッキに対するメタゲーム全体の抑止力が高まったことで、目線はバントサバイバルやラベジャーショップに向けられることになります。

そんな中登場したのが戦慄衆の秘儀術師です。

◆戦慄衆の秘儀術師の登場

当初はあまり注目されていなかったこのカードがURパイロマンサーを駆逐していきます。
それは1/3というボディで、若き紅蓮術士をしっかりキャッチしつつ、手数でURパイロマンサーを上回ることが原因です。
相手も稲妻を4枚搭載していましたが、よっぽど大きく展開していないと稲妻を使いまわすよりはやく戦慄衆の秘儀術師が動きはじめてしまいます。
また、URパイロマンサーはマナ基盤を土地16枚+Mox3枚+Lotusの合計20枚としており、灯争大戦で出た覆いを割く者、ナーセットをプレイするには少々厳しいマナソースだったことも原因の1つとして挙げられるでしょう。
戦慄衆の秘技術師側は引き増しから土地を伸ばせるので覆いを割く者、ナーセットのマナが問題になりにくく、そこは大きな差異となりました。

結果的にマジックの歴史的に「相手より少し重いデッキ」が勝つという教訓はここでも生かされることになったのでした。

しかしこのデッキの衰退の最も大きな要因は戦慄衆の秘技術師の台頭と同じくらい、墓荒らしの増加によるところが大きいです。
若き紅蓮術士はタルモゴイフを越えることができません。
タルモゴイフ側も若き紅蓮術士を越えることはできないのですが、相手には一方的に最後の希望、リリアナや毒の濁流といったキラーカードを持ちます。
マナ喰らいのハイドラを採用してこれを越えようとしたティムールグロウなどのデッキも生まれるのですが、これは別の話。

覆いを割く者、ナーセットという環境を定義するカードを強く使えず、明確な有利が失われたURパイロマンサーの時代は緩やかに終焉を迎えていくのでした。

◆アゾリウスの造反者、ラヴィニアの再雇用

ソーサリータイミングで動いて隙を晒しても、相手より多い手数、リソースで殴るのだから一時的な脅威の展開は許すという思想から、明確に対処すべきデッキはコンボデッキとなりました。
コンボデッキは一時的な脅威の展開を許すための1ターンで勝負を決めにきます。
それに対抗すべく、同じ思想でソーサリータイミングで唱えつつ相手の行動に制限をかけるアゾリウスの造反者、ラヴィニアはぴったりのカードでした。
若き紅蓮術士を攻め手としてキープしつつ、ラヴィニアのポジションを確立するための模索がはじまることになりました。
しかし、当時の環境は大クリーチャー時代。対コンボに特化したラヴィニアは明確な有利を築くカードとは言えず、サイドボードの選択肢に留まることになります。

ここからは当時のトップメタであった逆説的な結果デッキを見つつ、対抗の墓荒らしを見るための研究が進みます。
それはこのジェスカイアルカニスト黎明期のカードにおいては2枚のカードから行われることとなりました。

・紅蓮破
逆説的な結果デッキには効くものの墓荒らしには有効ではなく、正気泥棒とトレストの使者、レオヴォルドをベースとしない墓荒らしが見直されることとなりました。

・剣を鍬に
タルモゴイフを見られるが逆説的な結果デッキには無駄牌であり、ただでさえ厳しいサイドボードの枚数がさらにキツくなることとなりました。
しかし大クリーチャー時代とも言えるこの時代に万能クリーチャー除去である剣を鍬にが弱いわけがなく……。

構築はこの2枚を軸に混迷を極めることとなります。
挙句の果てにはヴェンディリオン三人衆や真の名の宿敵なんかが採用されるリストまで出てくる始末。
環境が混沌としていたことが伺えます。

◆サイドボードの研究

モダンホライゾンの発売から環境はさらに推移し、対MUDに活性の力と溜め込み屋のアウフを得た墓荒らしが優位になっていきます。
また、レンと六番に対する有効なカードがリスト内に存在しないことから、一時は下火になりました。

サイドボードの定番は
・破壊放題4枚
・石のような静寂2枚
・墓地対策6枚
・アゾリウスの造反者、ラヴィニア2枚
・紅蓮破1~2枚
までが固定となっており、空きスペースが全くありません。
あちらが立てばこちらが立たずの問題はEWE後の制限リスト改定まで持ち越されることになります。

ロンドンマリガンの導入もあり、ドレッジに対抗しやすい墓荒らしがフェアデッキの覇権を握ることになりました。

◆エターナル・ウィーク・エンド後

エターナル・ウィーク・エンド(以下EWE)を迎える前に基本セット2020が発売され、神秘の炉を得たMUDはフォージデッキへと進化を果たします。
結果、メタゲームは大クリーチャー時代からさらに進み、「Bazaar of Baghdadデッキ(ドレッジ>サバイバル)」「墓荒らし」「フォージデッキ」を軸に進みました。

優勝したのは今回のヴィンテージ神に就任した方のドレッジ。
決勝の相手はオリジナルのストームでした。

この後の制限リスト改定でゴルガリの墓トロールと神秘の炉、大いなる創造者、カーン、精神的つまづきが制限となり、同時にFastbondが解禁。
全てのアーキタイプがリストを書き直す必要に駆られることとなりました。

その中で唯一打撃を受けなかった逆説的な結果デッキがメタゲームを最速で進み、それに対して有効なジェスカイという色の組み合わせがジェスカイアルカニストをメタゲームの最前線に押し上げました。

ジェスカイアルカニストはこのメタゲームの変化に合わせて、アゾリウスの造反者、ラヴィニアをメインに昇格させ、ようやく現在のリストの前身となるリストになります。

精神的つまづきの制限により、ソーサリータイミングで動くコントロールデッキの側面は加速し、相手の速度を落とす努力がマナをかけてでも必要になりました。
事実この直後からは意志の力4枚、否定の力1枚、精神的つまづき1枚、紅蓮破3枚のリストが主流になっていきます。
精神的つまづきは最も驚異になる3マナのプレインズウォーカーに対して単体では全く役に立たないカードなので、リストとしては制限になることで美しさは上がりましたが、Ancestral Recallがお互い通りやすくなってしまったことはフェア同型対決を詰まらなくしていますので、何かブレイクスルーが欲しいところです。

また、覆いを割く者、ナーセットが制限となり構築自体は変化することとなりましたが、そこからの展開は大きく変わらず、多少のリストのカスタマイズを経て現在に至ります

1-2.構築論

まず前提として戦慄衆の秘儀術師はクリーチャーではなくドロー呪文としてカウントすべき点が構築の前提にあります。

◆プレインズウォーカーという脅威

ジェスカイメンター時代と異なり、3マナのプレインズウォーカーという明確な脅威が新しく生まれています。

そこに対抗するための最もシンプルな手段であるクリーチャーによる攻撃が見込めないため、呪文による除去を行わなければなりません
環境のプレインズウォーカーは覆いを割く者、ナーセットを筆頭にダク・フェイデンや王冠泥棒、オーコ、レンと六番など多岐に渡ります。
いずれも放っておくことのできないプレインズウォーカーで2ターン以内には処理しなければゲームは加速度的に敗北に繋がってしまいます。

よって、自分でも使う立場でありながら、精神的つまづきの制限はこのデッキのウィークポイントを一つ減らす結果となっていることは見逃せません。

◆土地という脅威

Bazaar of Baghdadは以前として止まる気配を感じさせません。

露天鉱床、不毛の大地を強く運用することのできないジェスカイアルカニストはこれらのデッキに対してより受ける選択を強いられます

またMishra's Workshopからのパーマネントを並べるMUDデッキも数を減らしたと言えど以前脅威には変わりありません。

よって、多角的な対策カードが求められることに変わりありません。

また、Fastbondの解禁によって、土地単系デッキが台頭し、よりメインとサイドのカード選択は難しくなりました。

◆コンボという脅威

前述の2つに対応すべく除去や専用サイドカードを増やすと今度はコンボデッキが立ちふさがります。

こちらもほとんどサイド必須の相手です。

◆役割を重ねるカード選択

よって、上記3つを見られるカードは限られます。
紅蓮破はその良い例で、プレインズウォーカーの除去と打ち消しの2つの役割を1つのカードが担います。

つまり、ジェスカイアルカニストは突き詰めれば(好みを差し引けば)、おおよそ同じカード選択になるということです。
あとは枚数調整を行って、メタゲームに適応させることが必要になります。

1-3.カード点数(10点満点)

私が考えているカード点数表は以下の通りです。
いずれも納得できる点、理解できない点あるかと思いますので参考程度にご覧ください。
※なんでこの点数なの!?を考えるのが楽しい人はリスト読むのも楽しいと思いますのでオススメです。

◆除去
・紅蓮破(4点)
・剣を鍬に(6点)
・稲妻(5点)
・水流破(3点)
・破壊放題(3点)
・断片化(2点)

◆打ち消し
・意志の力(5点)
・否定の力(3点)
・精神的つまづき(4点)
・呪文貫き(3点)
・狼狽の嵐(2点)
・紅蓮破(4点)

◆ドロー
・Ancestral Recall(10点)
・渦まく知識(3点)
・思案(7点)
・定業(5点)
・ギタクシア派の調査(4点)
・噴出(5点)
・時を越えた探索(4点)
・宝船の巡航(2点)
・神秘の教示者(2点)
・商人の巻物(3点)

◆クリーチャー
・戦慄衆の秘儀術師(6点)
・瞬唱の魔道士(5点)
・アゾリウスの造反者、ラヴィニア(5点)
・僧院の導師(7点)
・真の名の宿敵(2点)
・若き紅蓮術士(4点)
・封じ込める僧侶(5点)

◆プレインズウォーカー
・覆いを割く者、ナーセット(4点)
・ダク・フェイデン(4点)
・目覚めた猛火、チャンドラ(2点)
・王家の跡継ぎ(1点)
・時を解す者、テフェリー(2点)
・夢を引き裂く者、アショク(1点)

2.各マッチアップのキープ基準とサイドボード

ジェスカイアルカニストは便宜上コントロールデッキに属するデッキです。
ソーサリータイミングで動くことも多く、これまでのヴィンテージ環境のコントロールとはカードの見方が異なります

また、ソーサリータイミングで動くことが多くなったことで「相手のゲームプランとリストを正確に把握する」ことが必須になりました。
ジェスカイメンター時には瞬唱の魔道士でしたので後出しで対応できましたが、現在はそうはいきません。頑張りましょう。

メインのキープ基準は
・戦慄衆の秘儀術師がある
・ドロー呪文が豊富で土地が2枚以上
・打ち消し+ドロー呪文1枚以上
・土地が3枚以上
から2つ以上あればおおむねキープすることになります。

紙のヴィンテージは顔メタと呼べるレベルのアーキタイプ特定も出来るため、可能であればそうすれば良いかと思いますが、ジェスカイアルカニストにおいてはメインに専用対策カードはほぼ存在しないので正直気にする必要はありません。

ここから先はabrさんのフォーマットを元に書きますので、後に続く人はそのままコピって使うと良いと思います。
ぜひ書いてください。よろしくお願いします。

2-1.《逆説的な結果》ストーム

基本的にはゲームを伸ばしてアドバンテージを得つつ、アゾリウスの造反者、ラヴィニアや石のような静寂を維持するゲームになります。
クロックは細くても構いませんが、打ち消しのための呪文は常に抱えておく必要があります。

相手のプランは基本的に、
①ラヴィニアやテフェリー、オーコなどで相手のカードを使わせる
②逆説的な結果を通す
③フィニッシャーを展開する(僧院の導師やマナ喰らいのハイドラ、苦悶の触手など)

3工程ありますので、今の相手がどのフェーズなのかをしっかり把握しておきましょう。

◆キープ基準
・アゾリウスの造反者、ラヴィニア or 石のような静寂
・打ち消し2回以上
・土地2枚以上
・戦慄衆の秘儀術師+打ち消し1回
の内2つ以上でキープします。

妥協したら秒で負けますが、手札の枚数が少ないと相手も枚数でゴリ押ししてくるので気をつけましょう。

◆サイドボード
効くカードは全部入れましょう。

探査ドローは全て抜き、サーチカードも減らして良いです。
これらは打つ暇がありません。
剣を鍬にと稲妻は合計で2~3枚程度残せるようであれば、それ以上は抜きましょう。
全て抜くと僧院の導師が止まらなくなります。
ダク・フェイデンは抜くことも検討してください。相手から荒廃鋼の巨像が出てくることはまずありません。
つまりダク・フェイデンは3マナ2枚ルーティングのソーサリーになることが多いということです。

2-2.ドレッジ

メインは勝てないのでサイドがたくさん引けることを祈りましょう

◆キープ基準
・墓地対策+打ち消し
・墓地対策2枚以上
のどちらかでしかキープすることは基本的にはありません。

虚ろな者はライフを削りきられる前に、剣を鍬にを引いて誤魔化しましょう。

こちらのゲームプランは頑張って墓地対策を「引いて」「通して」「定着」させることに尽きます。
相手の否定の力はしっかりとケアして動くことが前提です。
その上で、可能であれば相手のアップキープのBazaar of Baghdad起動にスタックして封じ込める僧侶をプレイしましょう
それ以外の墓地対策は通ることを祈りましょう。

サイド後勝率は墓地対策が7枚入って5.5~高くて7割程度です。
確率の差異は全て相手の引きとの噛み合いによります。

◆サイドボード
入れられるカードは全て入れましょう。

抜くカードはリストにもよりますが、探査ドローは全て抜き、商人の巻物は抜きましょう。
紅蓮破や精神的つまづきも抜いて構いません。
これらは相手のカウンターなどを打ち消す役割も持ちますが、それはこちらのカードを通すときにしか役立ちません。
夏の帳をドレッジ相手に絶対残す!という人はいないと思います。そういうことです。

また、基本的には3マナ以上のカードは全て抜かないと間に合わないのでナーセットやダク・フェイデンも抜いて良いです。
ダク・フェイデンはリストの剣を鍬にの枚数と相談して合計4枚になるようにしてください。

2-3.Ravager Shops

除去をたくさん引いて唱え続けることが重要です。

ヘイトアーティファクト→ラベジャー+検査官+破棄者→ミシュラン+バリスタという流れでゲームが進みます。
今のフェーズで重要でないものを打ち消す・除去すると手損になりがちです。
カード1枚の価値を最大限にするようプレイしましょう。相手のブンは諦めましょう。

◆キープ基準
・フェッチや基本土地など割られにくい土地+マナソース2枚以上
・クリーチャー除去+打ち消し
・ダク・フェイデン+ダク・フェイデンを出すまでを繋げるカード
のいずれかでおおむねキープします。

破壊放題はミシュラの工廠を破壊することは基本的に不可能なので、破壊放題に頼り切りにするのではなく、他の除去も有効活用しましょう。
また、1度盤面を返した後の打ち消しは歩行バリスタ用に1枚温存し続けることができればベストです。
ドロー呪文でカードを探す際には除去カード偏重にならないように注意しましょう。

◆サイドボード
精神的つまづき、紅蓮破などの効かないカードを全て抜きます。
覆いを割く者、ナーセットも抜きます。
探査ドローは残しますが、大事にする必要はありません。意志の力のピッチコストに当てて問題ないです。
サーチカードは抜きましょう。抵抗の宝球などにハマることが多く、それならドロー呪文のほうが効率が良いことが多いです。

また、メインにラヴィニアがいるのであれば抜いて構いません。
このマッチアップでは戦慄衆の秘儀術師とダク・フェイデンで相手の盤面を焦土にすることを目指します。

2-4.ゴロススタックス

ラベジャーショップと似ているようで違うため、リストを読み込み、プランを練りましょう。

◆キープ基準
・アゾリウスの造反者、ラヴィニア or 戦慄衆の秘儀術師
・打ち消し呪文
・破壊放題
・ドロー呪文
から2つ以上でキープします。ドロー呪文でキープする場合はラヴィニアか戦慄衆の秘儀術師が早期着地できる先手が条件です。

後手はドロー呪文はおおむね仕事をしませんので、打ち消し+ドロー呪文×3+土地3のようなハンドでない限りは検討に値しないと言えるでしょう。
正直これでもやりたくないですが……。

◆サイドボード
アーティファクト対策は全て入れましょう。

アーティファクト対策が4枚以上あるのであれば、稲妻は1枚を残して抜いて構いません。
商人の巻物は抜きましょう。邪魔です。
探査ドローは残しても構いませんが、おおむねピッチコストになるでしょう。
ダク・フェイデン以外のプレインズウォーカーは全て抜きます。
精神的つまづきや紅蓮破を抜くのはラベジャーショップ同様です。

稲妻を抜いた分だけアゾリウスの造反者、ラヴィニアは残しておきます。
相手のクロック枚数がラベジャーショップより少なく、置物依存度が高いため刺さるシーンは多めです。
依存しきれる信用度ではないので、適当に置くイメージです。
いざとなれば破棄者と相討ちも狙います。

2-5.オース

王冠泥棒、オーコさえいなければイージーウィンが狙えます。

◆キープ基準
・封じ込める僧侶+打ち消し
・ドロー呪文
の2つでキープします。

封じ込める僧侶のみでもキープしますが、その場合は紅蓮破など打ち消しとは言い切れないカードでもバックアップは必須です。
ドロー呪文は連打してドルイドの誓いを経由しないクリーチャー展開にも備えましょう。

メインは剣を鍬にを通してプレインズウォーカーを消して相手の勝利条件を全て消す動きが求められます。
相手の手札の中身の予測を常にして想定外を作らないように動きましょう。

◆サイドボード
剣と鍬にをあるだけ入れましょう。稲妻と紅蓮破も入れていいです。
封じ込める僧侶や墓掘りの檻は必須です。
ガイアの祝福採用型が増えているようですが、墓地対策カードは不要です。
相手のクリーチャーは全て剣を鍬にで追放しつつ、プレインズウォーカーを全て捌くことができれば勝ちなのはメイン同様です。

封じ込める僧侶はドルイドの誓い対策とクロックの両方の役割を持つ素晴らしいカードですので、墓掘りの檻を取るくらいなら封じ込める僧侶を足しましょう。
呪文で封じ込める僧侶を除去しようとするリストの場合は特に有利ですが、王冠泥棒、オーコはこちらの封じ込める僧侶を鹿にしたり、鹿トークンこちらがで越えられない壁を用意してきます。
オーコ自体はもっさりしていますが、こちらに対して有効な押し付けられる対策カードの対策カードですから要注意です。

稲妻はオーコをはじめとするプレインズウォーカーを戦慄衆の秘儀術師の裏打ちを前提として残します。
また、捲る力のあるデッキですからトドメは刺せるときに刺したほうがいいので、気持ちこちらのほうがはやめであると意識するほうが良いでしょう。

だらだらし過ぎるとオース先のクリーチャーを唱えられて防戦一方になります。

また、相手方からするとドルイドの誓いは事実上のターンパスになりがちです。
そのため、ドルイドの誓いはサイドアウト筆頭カードですが、ジェスカイ相手にサイド後ドルイドの誓いを唱えるということは剣を鍬には怖くないというメッセージです。
どうですか?オースの手札の中身が見えてきませんか?

2-6.ジェスカイアルカニスト

サイドに血染めの月を取ってる?目覚めた猛火、チャンドラを取ってる?
取ってるならあなたの勝ちです。

取ってないなら、1:2になる動きを心がけて少しずつ有利を積み上げましょう。
Ancestral Recallは事実上のフィニッシャーですのでよほど有利でない限りは消しましょう。
消せなかったら?あなたの負けです。

◆キープ基準
・戦慄衆の秘儀術師
・アゾリウスの造反者、ラヴィニア
・除去
から2つ以上でキープします。

展開するパーマネントを捌きあう戦いになるので、多く引いて多く処理したほうが勝ちます。
捌きあうということはリソース勝負になるということですから、1:2を多く取ることを意識しましょう。
こちらの紅蓮破に相手が意志の力を唱えてくるようなシーンはあと一手で詰みがありそうです。

アゾリウスの造反者、ラヴィニアをただの熊として運用せず、意志の力を当てさせるようなタイミングで唱えることが重要です。

このマッチアップは1枚のカードを交換し続ける限り、全て理で動きます。
頭を正しく使いましょう。

◆サイドボード
紅蓮破と除去はあるだけ入れましょう。
メインの破壊放題などは全て抜きましょう。

サイド後の1回に限られますが、先手であれば封じ込める僧侶を入れて相手の捌く枚数を増やすことも検討します。
外科的摘出を採用しているなら、サイドインすることも検討しますが打ったタイミングではアドバンテージがマイナス1であることを理解した上で行ってください。

意志の力をこちらのどうでもいいカードに打たせる、釣りの技術が重要なのでハンドは多く持ち続けたいですね。
※大事なことなので3回書きました。

2-7.ティムールミッドレンジ

マナ喰らいのハイドラもしくはタルモゴイフを除去して王冠泥棒、オーコを処理できれば勝ちます。
ジェスカイ同型と比較して「剣と鍬に」が多いのであれば不利にはなりにくいです。
少なければその分、不利になるまでの時間が短くなります。

クロックターンが短いクリーチャーがジェスカイと比較して多いので、対ジェスカイよりも1ターンはやく動くことを意識してください。
つまり、相手のやりたいことを見抜いて先回りすることが必要です。

◆キープ基準
ジェスカイ同型と同じです。
剣と鍬にと紅蓮破の枚数が多ければ幸せな気持ちになることでしょう。

◆サイドボード
ジェスカイ同型と同じです。
剣と鍬にが合計4枚取れているならば、後手であってもゲームはできます。

相手に振り回されるゲーム展開になりますから、ゲームの流れを見て対応し続けてください。
このアーキタイプ一覧において最も疲れるマッチアップです。
対ジェスカイと異なり、1回のミスで全てが水の泡になりやすいです。

2-8.墓荒らし

ティムールミッドレンジとほぼ同様ですが、死儀礼のシャーマントレストの使者、レオヴォルドが大きく異なります。
ティムールミッドレンジよりもクリーチャーの数が多いため、捌きあいというよりはこちらが捌く展開になります。
死儀礼のシャーマンに適当に剣を鍬にを当てるとタルモゴイフに走りきられますので要注意。

また、死儀礼のシャーマンと戦慄衆の秘儀術師が並ぶと、相手が一方的に動きやすくなりますので死儀礼のシャーマンはマス除去です。

難しいことを言っていますが、頑張って除去を引くしかないマッチアップだということです。
一方、相手方の除去はおおむね2マナのカードですから、フルタップを強いることが重要です。
2アクション取りづらいことが構造上のデメリットなので、しっかり咎めていきましょう。

相手のほうがテンポが悪いため、戦慄衆の秘儀術師が動き出せば勝利は目前です

◆キープ基準
・戦慄衆の秘儀術師
・ドロー呪文
・打ち消し呪文
から2つ以上あればおおむねキープします。

除去は戦慄衆の秘儀術師がいるのであれば後引きで問題ないケースがほとんどです。

◆サイドボード
除去を全て入れて除去コントロールのように振る舞います。
ダク・フェイデンとアゾリウスの造反者、ラヴィニアは有効でない場合がほとんどですから抜きます。
探査呪文を2種類とも採用している場合のみ、ダク・フェイデン1枚残しを検討します。
紅蓮破は4枚に増やす必要はありませんが、2枚か3枚かは先手後手で決めましょう。

剣を鍬にの枚数が多ければ明確に有利が取れます。
相手を捌く側にまわらせることを意識しましょう。

2-9.ストーム(TPS)

紅蓮破が刺さらないコンボデッキなので厳しいマッチアップになりがちです。

相手が緑を取っていると夏の帳を警戒する必要もあります。
手札を多く持つことがそのまま勝ちに繋がりやすいことと、マナを簡単に寝かせてターンを渡さないことを意識しましょう。

どれだけ意識してもハンデスから入られるとおおむね負けますが。

◆キープ基準
・打ち消したくさん
・アゾリウスの造反者、ラヴィニア
のいずれかでキープします。

僧院の導師はキープ基準にならないと考えて差し支えありません。

◆サイドボード
もし耳の痛い静寂を取っているなら全て入れましょう。
石のような静寂は不要です。

有効なサイドが少ないマッチアップなので厳しい戦いに必ずなります。

2-10.白エルドラージ

たくさん除去を引きましょう。

◆キープ基準
・除去たくさん
以上です。

◆サイドボード
除去を全ていれます。
紅蓮破や精神的つまづきは抜きます。

ラベジャーショップ同様除去の枚数が全てですが、ラベジャーショップと異なり、フェーズ毎の打ち分けは不要です。
間違って3マナのサリアを着地させてしまったら潔くライフが0になることを見届けましょう。

2-11.土地単

血染めの月を取っていますか?
取っているなら大体あなたの勝ちです。

取っていない場合はThe Tabernacle at Pendrell Valeによって僧院の導師プランが取りづらく、エルフの開墾者などで盤面も負けがちです。
相手は暗黒の深部コンボが剣を鍬にで水の泡になることを理解しているはずなので、剣を鍬には1枚は手札に持っている動きをしましょう。
稲妻は適当に捨てて構いません。

◆キープ基準
対フェアデッキ同様です。

◆サイドボード
外科的摘出やトーモッドの墓所であれば入れても構いません。
外科的摘出は相手の行動の選択肢を明確に削りますし、トーモッドの墓所を経由してエルフの開墾者を稲妻で落とす動きも弱いですが検討します。

長引かせすぎると勝てなくなりますが、相手の手札は短くなりやすいので短くさせて盤面をリセットできるように動くのが理想です。
相手方はジェスカイはゲームを長引かせやすいと考えています。
長引かせられた結果、何で勝つかのプランを用意できないと長引くだけ長引いて負けます。
大会などでは時間の観点から、キープもプレイも厳しめに、投了のタイミングもあらかじめ準備しておくことが必要です。

2-12.カニボンド

紅蓮破と断片化が大活躍するので、ハグラへの撤退にだけ注意しましょう。

◆キープ基準
・打ち消し呪文
・対フェアデッキ同様

◆サイドボード
土地単と同様ですが、紅蓮破は入れて構いません。
交易所と面晶体のカニの両方に役割を持てます。

2-13.Doomsday

相手のDoomsdayキャストまでは通してあげましょう。
パイル+ハンドの中身が追放領域のカードカウントで特定できますので、残ったカードに対して一番厳しい行動を取りましょう。

取れない場合は素直に負けましょう。

◆キープ基準
・インスタントタイミングで動けること

◆サイドボード
ストームと一緒です。

赤型であろうが緑型であろうがフィニッシュルートが同じなので、道中はお互いに自分の都合で手札を整えあい、Doomsdayを皮切りに手札の発表会をします。
豊富なドロー呪文で頑張りましょう。

3.終わりに

大きく環境が変わらなければ随時追加修正を行うつもりです。

今後ともよろしくお願いします。以上。

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