見出し画像

SS7自動化に向けて④

先日、ベクターにてAutoSS7のdemo版を公開しました!

ソフトの開発遍歴

  1. ver.1.1.1 鉄骨小梁の断面算定(Python実行)

  2. ver.1.1.2 鉄骨大梁、柱の断面算定追加、アプリ化(コマンド実行)

  3. ver.1.1.3 柱H型鋼追加、鉛直ブレースの断面算定追加

  4. ver.1.1.4 基礎小梁、大梁の断面算定追加

demo版はver.1.1.2の段階のものです。



柱脚の断面算定も導入予定でしたが、柱脚は断面算定より層間変形角抑えたりするのに使うことが多いかなと思い、導入を見送りました。
ただ、ver.1.1.4では最初の入力段階で入力すれば、柱の符号振り直しに追随するようにしています。

基礎梁関係については、鉄筋の径の最大値を選択可能にする予定でしたが、断面効率考えると、自ずと鉄筋径が最大値になってしまうため、本数の増加のみにしました。代わりに、基礎梁の検討上余幅(被り厚除く)を選択できるようにしました。これにより計算時に基礎梁の幅を鉄筋径により自動で算出してくれますが、施工上の余幅まで設計者が任意に選択できるようにしました。
あばら筋ピッチは施工性を考慮して、75を最小値で考えていますが、これも選択可能にするか現在検討中です。

計算の内容

鉄骨関係
ss7で計算実行し、NG部材があったら断面変更して再検討。
これをNGがなくなるまで繰り返す。
※なぜ検定比から割返さないかというと、横座屈の問題があるからです。(実務者の方々は理解されてるかと思います。)

RC関係
ss7で計算実行し、NG部材があったら、曲げでNGなのかせん断でNGなのかを判定。
曲げでNGなら検定比に応じて主筋本数を調整し、部材幅も変更。
せん断でNGなら長期なのか短期なのか判定。
小梁はひび割れを許容するとして、長期短期の判定は無しで、あばら筋を検定比に応じて増やす。
大梁は長期なら幅を大きくし、短期ならあばら筋を増やす。
この処理を指定の検定比以下になるまで繰り返す。
※1回のみの判定だと、自重の増加に依る応力の再検討がされないため。

文章で書いてみると大した処理はしていませんが、これをコーディングするのは結構大変でした💦

今後の方針
現状、柱脚の設計、1次設計は導入していません。設計者判断に依るところが大きいため導入しづらいからです。筆者は層間変形角がNGなら柱脚で調整しますが、他のやり方もあるかもしれませんし…
したがって、とりあえずはRC部材の断面算定を検討していこうかなと考えています。
基礎梁の検討ができましたので、上部の梁自体は内容変わりません。柱も検討することは大きくは変わらないかと思います。
ただ、RCは断面算定以外の部分(ルート2なら柱壁量等)に依るところが大きいので、あまり柱の断面算定は実用性ないかなと個人的に考えています。また、この処理だとただ部材が大きくなるので、建物としてのバランスが悪くなり、過大な断面サイズになる恐れもあります。なので、開発はしますが、公開するかどうかは慎重に判断していきます。

最後に
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
処理の内容が理解できないと、実務者としては導入しづらいのが実状かと思いますので、概要ですが公開しました。筆者も最初の取っ掛かりはYouTubeの方から教えて頂きました。もしご自分でコーディングできる方は試してもいいかと思いますが、コーディングができない方、時間が惜しい方はぜひ本アプリをご活用ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?