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【遊戯王】復帰勢がYCSJで4勝できた「ヌメロン」について書く

山形で遊戯王をやっているsatsuimoと申します。2021年の11月に、十数年ぶりに遊戯王に復帰して、公認大会に出始めました。復帰からまだ4か月ほどですが、山形のYPのみなさまに優しく教えていただいて、大会に慣れてきたこともあり、思い切ってYCSJに応募してみました。

まだまだプレイの精度もカードの知識も不足している自分が、大型公認大会でワンチャンス作るにはどうすればいいのか、自分なりにいろいろ考えて臨みましたので、デッキ選択やカードの採用理由、プレイの考え方など、私が考えていたことを記事に残したいと思います。

ヌメロンを選んだ理由

デッキ選択の際にポイントにしたことは主に3点でした。

  1. YCSJが1デュエル制であること

  2. 自分のプレイの実力が低いこと

  3. じゃんけんが弱いこと

まず、YCSJはマッチ戦ではなくワンデュエル制のため、自分のようなブランクの長い復帰勢でも「運で勝てる」可能性があることは魅力的だと思っていました。また、環境読みは難しいものの、広く見るような器用なことはできないので、「何かに振り切ったデッキにしよう」と考えていました。

次に、まだ経験の浅い自分では、展開系のデッキを、相手の妨害をかわしながら回していくことは難しいだろうと思っていました。一方で、ミッドレンジのデッキでは、相手との駆け引きをうまくできる自信がなく、誘発一つまともに当てられず、簡単に負けてしまうだろうとも考えました。

最後に、ワンデュエル制で無視できない要素として、じゃんけんに絶望的に弱い、というのがありました。結果論ですが、今回のYCSJでもじゃんけんで全敗(0-6)するという恐ろしい記録を残してしまいました。そのため、先攻前提のデッキはとても選べず、後手に特化したデッキを考えていました。

これら3つの条件をクリアするのが、今回私が実際にYCSJに持って行った「後攻特化型ワンキルヌメロン」でした。「後攻を取って、相手の先攻盤面を解決して、《ヌメロン・ネットワーク》を発動してワンキルする」というあまりにも分かりやすいコンセプトであり、かつ決まった時の破壊力が凄まじいことから、ベストに近い選択ではないか、という結論になりました。

ヌメロンワンキルの基本

ご存じの方が多いと思うので、簡単な紹介に留めますが、ヌメロンワンキルの流れとしては、《ヌメロン・ネットワーク》を発動し、《ヌメロン・ダイレクト》をデッキから墓地に送って効果をコピー、ヌメロンモンスターを場に4体並べて一気にライフポイントを取りきる、ということになります。

EXデッキから特殊召喚される4体のヌメロンエクシーズモンスターは、すべて共通の効果として、戦闘耐性に加え、戦闘後に、場のすべてのヌメロンモンスターの攻撃力を倍にすることができます(《ヌメロン・ネットワーク》の効果で、エクシーズ素材がなくても効果を使用できます)。

この効果のおかげで、相手の場に攻撃力1001以上のモンスターが1体以上いれば、戦闘→効果発動を繰り返し、最後に攻撃力8000のヌメロンモンスターで直接攻撃、もしくは攻撃力4000のヌメロンモンスター2体で直接攻撃できる状況を作り、ライフポイントを取りきることができます。

相手に有効な妨害がない、もしくはこちらが事前にすべての妨害を踏むか無効化しておけば、《ヌメロン・ネットワーク》を発動するだけでワンキルすることができるので、目指す形が分かりやすく、難しい駆け引きも少ないため、プレイスキルが低くても、勝つチャンスを作りやすくなります。

デッキレシピ

実際のデッキレシピです。構築のポイントとして、前述したことと重なりますが「後攻ワンキルに全振りする」ことを中心に据えました。

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ヌメロンデッキは、基本的には、相手の先攻展開を許し、後攻から捲っていくデッキになるので、カード1枚1枚のパワーが非常に重要です。余計なカードをできるだけ削り、1枚で戦況を一気に覆せるようなパワーカードをできるだけ多く詰め込んでいます。詳しく見ていきましょう。

採用カード解説

メインデッキ 40枚
初動のヌメロンネットワークを確実に引き込むために、デッキ枚数は40枚に抑えています。増やす理由はないかと思います。

初動 12枚

後攻の場合、初手の6枚で初動を引ける確率は90%程度です。初動被りがあまり強くないケースが多いので、実はもう1~2枚減らしたいと思っていたのですが、初動が引けない恐怖が拭えず、今回は妥協して12枚としました。

《ヌメロンネットワーク》 3枚
このデッキの全てです。3枚必須。初動札の残りの9枚は、《ヌメロン・ネットワーク》にたどり着くために採用しています。

《ヌメロン・ウォール》 3枚

初動としては、《ヌメロン・ネットワーク》の次に引きたいカードのため、3枚必須です。手札・フィールドから自身を墓地へ送って、手札・デッキの《ヌメロン・ネットワーク》を発動できる誘発即時効果を持ちます。「デッキから発動する」効果なので、《うらら》が刺さりません。ただし、《墓穴》は効いてしまうので注意が必要です。バックを破壊してから動くように意識します。

②の効果も優秀で、ワンターンキルに失敗したときや、初動を引けなかったとき、先攻を取らされてノーガードエンドするときに、相手ターンを1ターン凌ぐことができます。手札で発動する効果なので、相手も、知らないとうっかりしやすく、また、止めづらいのも評価が高いです。

《テラ・フォーミング》 1枚
フィールド魔法をサーチする汎用魔法カードです。3枚入れたいところですが、制限カードなので1枚の採用。うららを受ける可能性もありますが、デッキが分からない段階では打ってこないことの方が多いでしょう。

《惑星探査車》 3枚

フィールド魔法をサーチするモンスターです。《ヌメロン・ウォール》と違い、召喚から動かなければいけないので、《ヴェーラー》や《泡影》が効いてしまいます(起動効果なので逃げることもできません)。《うらら》も効きますし、何なら《墓穴》もくらいます。召喚権も消費するので、後述の《ラヴァ・ゴーレム》との噛み合わせも悪いです。初動の中では弱い部類なので、2枚に減らすことも考えたのですが、初動を多くしたかった点、ダブついても《一滴》のコストとして貴重なモンスタカードであることを加味して3枚採用しました。

なお、効果を無効にされても、自身をリリースすることはできるので、自分の場にモンスターがいると効果を発動できないカードを邪魔しないのは偉いです。

《ピリ・レイスの地図》 2枚

攻撃力0のモンスターをサーチできるカードで、《ヌメロン・ウォール》を持ってくることができます。ただ、メインフェイズ1開始時にしか発動できず、ライフポイントを半分失うので、やや扱いにくいカードです。《ヌメロン・ウォール》はフィールドでも効果を発動できるので、「召喚に成功しない限り効果を発動できない」デメリットは無視できますが、召喚権を使うことになるので、《ラヴァ・ゴーレム》との相性は悪いです。

初動が重なった場合には、こちらを先に発動することになるので、《うらら》を受けてくれる、という大きな役割を果たしてくれる可能性があります。ただ、体感としては、あまりこのカードには打ってもらえません。さらに、初手に被ってしまった場合はかなり苦しくなるので、今回は2枚の採用としています。採用自体、再検討の余地がある枠かと思います。

ドローソース 5枚

《増殖するG》 3枚
説明不要な万能誘発ですが、2枚の採用にするか、そもそも採用自体も迷っていたカードです。役割としては、《うらら》や《墓穴》を受けてもらうことがメインになりますが、手札の初動の種類によってはその役割が不要なこともありますし、手札に被ってしまうと、他に必要な捲り札を引き込みにくくなります。

ただ、もし通った場合、相手の盤面が中途半端になり、かつこちらの手札が増えるので、ヌメロン側としては、初動が引けてさえいれば、ワンキルできる確率がかなり高まります。デメリットよりも、決まったときのパワーが凄まじいと判断したため、今回は3枚の採用としました。

《強欲で貪欲な壺》 2枚
準制限カードなので2枚の採用です。今回のデッキ調整で、最後に採用を決めたカードです。必要なパーツが飛んでしまう可能性もなくはないのですが、そのせいで負けた試合は、ほとんどなかったので、確率はかなり低いと考えています。当然、通れば2ドローできるので、カードパワーの高いヌメロンにおいては、他のデッキよりも相対的に恩恵が大きいです。また、このカードにはほぼ確実に《うらら》を打ってもらえるので、その後の初動が通る確率が高くなります。

万能除去 4枚

《ダイナレスラー・パンクラトプス》 1枚
後攻最強カードです。制限カードなので1枚の採用。もし初動が引けていない場合でも、このカード1枚で、1ターン凌げる可能性もあります。また、自身をリリースして効果を発動するので、自らフィールドを空けられるのも優秀です。

《ライトニング・ストーム》 3枚
汎用後手捲り札で、初手に引きたいカードのうちの1枚になります。基本的にはバック破壊に使うことが多いですが、相手の場のモンスターを間引くために使う択を持てるのも強いです。文句なく3枚の採用です。

モンスター除去(効果無効) 10枚

《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》 3枚
モンスター除去の最強札です。特殊召喚無効以外のあらゆる耐性をすり抜けて除去できるため3枚の採用です。ただし、このカードを特殊召喚するターンは通常召喚できないため、《惑星探査車》や《ピリ・レイスの地図》と被った場合はどちらかしか使えないことに注意が必要です。

《怪粉壊獣ガダーラ》 2枚
こちらも強力な除去札で、《ラヴァゴ》と違い、《烈風の結界像》下でも出せるという強みもあります。ただ、一気に2体のモンスターを処理できる《ラヴァゴ》を優先したかったため、今回は2枚の採用に留めています。

《禁じられた一滴》 3枚
最も初手に引きたいカードなります。コストにもよりますが、止められにくく、かつ複数のモンスターを一度に無力化でき、さらに、打点を下げられるので、高火力モンスターが複数並んでいた場合に、ワンキル圏内に収めることもできます。10枚採用したいのですが、ルールなので3枚の採用です。

《無限泡影》 2枚
ヌメロンでは、誘発としてではなく、捲り札として使います。《結界像》を無力化したり、1妨害踏んでくれたり、器用で丸いカードかと思います。3枚採用も検討しましたが、枠の問題に加え、このデッキでは《一滴》や《ラヴァゴ》の方が(個人的に)評価が高いことなどから、2枚の採用になっています。

バック破壊(無効) 5枚

《ハーピィの羽根帚》 1枚
元祖バック破壊最強カードです。制限カードなので1枚の採用です。

《ツイン・ツイスター》 3枚
ワンキルするというデッキの性質上、《コズミック・サイクロン》等よりも、複数カードを破壊できる《ツイツイ》を優先しています。被っても片方をコストにすればいいので3枚の採用です。また、当時は《王宮の勅命》が生存している世界線だったので、速攻魔法をある程度の枚数採用したかったというのもあります。

《レッド・リブート》 1枚
制限カードなので1枚の採用です。強いカードですが、《赫の烙印》や《ウィドウアンカー》など魔法カードに対応できないため、採用は分かれるカードかと思います。ただ、エルドリッチなどの罠デッキを完封できる点、《リボルト》を構える鉄獣や《夢の町》を構えるふわんだりぃずなど強く出られる対面も少なくない点、また、ほかにこのカード以上に採用したいバック対策カードがなかったため、採用しています。

その他 4枚

《ヌメロン・ダイレクト》 2枚
便宜上「その他」に分類してしまいましたが、このデッキのエンジンとなるカードです。デッキにいてほしいカードのため素引きが弱く、かつ素引き被りは目も当てられないことになるのですが、強貪で飛んでしまうリスクがあることと、ワンキルに失敗したときに、もうワンチャンス作るため、2枚の採用としています。

《リミッター解除》 2枚
火力増強カードです。打点が足りない際の底上げも可能ですし、このカードがあれば、素の打点が、1000×2倍(リミッター解除)×4体=8000となるため、相手の場にモンスターがいなくてもワンキルすることができます。2重掛けできるので被っても腐りませんが、あくまでギミックが回ることが前提のカードなので、他のカードを優先するため2枚としています。

エクストラデッキ 15枚

《No.1 ゲート・オブ・ヌメロンーエーカム》 2枚
《No.2 ゲート・オブ・ヌメロンードゥヴェー》 2枚
《No.3 ゲート・オブ・ヌメロンートゥリーニ》 2枚
《No.4 ゲート・オブ・ヌメロンーチャトゥヴァーリ》 2枚

《ヌメロン・ダイレクト》から特殊召喚するヌメロンエクシーズモンスターです。2種類ずつ、計8枚採用しています。このデッキの主力です。

《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロンーシニューニャ》 1枚

妨害をすべて踏み越えられなかったり、火力が足りなかったりしてワンキルできなかった場合に、時間差で3000ダメージ与えられるカードです。次の自分のスタンバイフェイズまで《ヌメロン・ネットワーク》を維持しなければいけませんが、破壊されたとしても、《ヌメロン・ウォール》を引いていれば、任意のタイミングで再度《ヌメロン・ネットワーク》を発動できるので、最後の一押しとして役割を持てることがあります。

《召命の神弓ーアポロウーサ》 1枚
《鎖龍蛇ースカルデット》 1枚
《双穹の騎士アストラム》 1枚
《ヴァレルソード・ドラゴン》 1枚
汎用リンク4モンスター4体です。ワンキルできなかったとき、もしくは先攻を渡されてしまった時に、ヌメロン4体で出すことができます。基本的には4素材アポロウーサを立てて妨害を残すことが多いですが、対面によっても変わります。ただ、例え出したとしても、妨害としては心もとないので、やはりワンキルに全力を注ぐべきです。リンクモンスターたちは、失敗したときの粘る手段と考えましょう。

《閉ザサレシ世界ノ冥神》 1枚
汎用リンク5モンスターです。相手モンスターの除去が追い付かなかったときに、ヌメロン4体に相手のモンスターも1体巻き込んで出すことができます。使う機会はほとんどありませんが、枠があるので採用しています。

《無限起動要塞メガトンゲイル》 1枚
《朱光の宣告者》などで、ヌメロンモンスターが1体破壊されてしまった場合に出すためのリンク3が、1体は必要かと考え、採用しました。エクシーズモンスター以外のモンスター効果を受けない上に、打点が4000あるので、かなり場持ちが良いです。《メガトンゲイル》ビートで勝ったこともありました。

プレイの考え方

ヌメロンは、プレイ自体はとても簡単です。まず、じゃんけんに負けます。相手は十中八九先攻を取ってくるので、自動的に後攻が取れることになります。万が一じゃんけんで勝っても、後攻を選択すればOK。相手に後攻デッキを意識させてしまいますが、それほど問題ではありません(YCSJでは、『後手型閃刀姫かな?』と思ってもらうために、《エンゲージ》のスリーブをつけて行きました。我ながら姑息ですね)。

次に、手札がいいことを神に祈ります。構築である程度確率は高められても、そもそもがワンチャンス狙いのこのデッキは、最後はドロー運です。ただ、後手を取ると、手札6枚で始められるというメリットがあります。初手が悪くても、トップドローで解決できる可能性もあるので、諦めてはいけません。

相手が先攻展開に入ったら、最初のうちは誘発を投げるか悩むふりだけしておいて、リラックスして待ちましょう。《増殖するG》は無理に早めに投げる必要はなく、確実にドローできるタイミングで投げます(展開抑止よりも、《うらら》《墓穴》を投げてもらったり、ドローすることの方に重きを置くためです)。また、《無限泡影》も、妨害ではなく、捲り札として温存しておきます。相手の先攻一ターン目の駆け引きはほとんど発生しません。

なお、相手に先攻宇宙展開され、5素材以上の《ロンゴミアント》が立った場合などは、ヌメロンにはどうすることもできません。日頃の行いの悪さを懺悔し、大粒の涙を流しながらデッキに手を置きましょう。

ターンが回ってきたら、相手の盤面を見ながら解決を行います。プレイのスキルが要求されるのは、唯一ここかと思いますが、引きが強ければ、雑に処理していくだけでも勝ててしまうのがこのデッキの恐ろしいところです。

基本的には、まずは初動(《ネットワーク》or《ウォール》)を引き込みに行きます(《ライスト》が打てなくなるので、《ウォール》が初手にある場合は、《ライスト》までは待ちます)。もし先に盤面を解決してしまって、初動へのアクセスを《うらら》などで止められてしまった場合、そのままターンを返さざるを得ない上に、返しのターンのリソースを使い切っている状況なので、敗色濃厚になります。ただ、盤面に妨害持ちのモンスターがいて、初動へのアクセスを止められてしまう場合は、《ラヴァゴ》《ガダーラ》などを先打ちします。

初動が引けたら、バックから破壊していきます。バックのカードによって、新たに妨害が立つことがあるので、モンスター除去はできれば最後に回したいためです。理想だけ言ってしまうと、《ライトニング・ストーム》発動にチェーンして《一滴》を打つ流れが最強ムーブです。《ライスト》にチェーンして妨害が増えるバックカードを発動された場合は、《一滴》を待つこともできます。

バトルフェイズに入ってから気をつけなければいけないことは、《ヌメロン・ネットワーク》の破壊です。ヌメロンエクシーズモンスターたちは、《ネットワーク》がないと、効果の発動ができません。メインフェイズに破壊される分には、まだ選択肢が様々ありますが、バトルフェイズ中に破壊されると、《ウォール》以外に《ネットワーク》を張りなおす手段がありません。メインフェイズのうちに、できる限り手を打っておく必要があります。

攻撃を行う順番ですが《エーカム》以外のモンスターから行います。もし《シニューニャ》を出す場合は、《エーカム》に重ねてエクシーズ召喚する必要があるため、何らかの方法で破壊されてしまうリスクをできるだけ回避するためです。また、《エフェクト・ヴェーラー》や《無限泡影》で効果が無効になっているモンスターがいる場合は、そのモンスターの攻撃の順番を最後に回せば、ワンキルには影響ありません。

万が一、ワンキルに失敗した場合は、リンクモンスターを召喚してターンを返します。後攻ワンキルに全振りしている反動は大きく、もはやできることは多くありませんが、チャンスは0ではありません。粘り強く戦い、そして、華々しく散ろうではありませんか。

先攻を取らされた場合の対処法

まれに、相手がじゃんけんに勝ったのに先攻を譲ってくることがあります。相手も後手デッキを握っている場合です。後攻に全振りしているヌメロンは、先攻を渡されると本当にできることがありません。ですが、ヌメロンを握っている方は、勝ちへの飽くなき執念がある方だと思います。諦めてはいけません。主な対応をご紹介します。

まずはノーガードエンドです。違います!諦めたわけじゃないんです!落ちついて聞いてください!……理由は3つあります。1つは、相手にこちらがヌメロンであるという情報を与えないためです。もし相手がワンキルできず、こちらにターンが返ってきたら、そこでワンキルできる可能性が残ります。

2つ目は、リソースを失わず、また、場にカードを残さないためです。場にカードを出してしまえば、相手にそのカードを除去する択が生まれ、返しのターンのリソースを失うことになります。また、もし除去されずに場に残ったとしても、自分の場にカードがあると発動できない、《ライスト》や《ヌメロン・ウォール》が腐ってしまう可能性があります。

3つ目は、ヌメロンミラーの場合があるからです。先述の通り、ヌメロンワンキルは(《リミッター解除》を引かれている場合を除き)、相手の場にモンスターがいなければワンキルを成立させることができません。つまり、場にモンスターを出すことが、相手へのお手伝いになってしまう可能性があるのです。そうです。ノーガードエンドは諦めの戦法ではありません。非常に合理的な、男の、いや、漢の戦法なのです。

もう一つの対応としては、リンクモンスターを立てておくことが考えられます。ヌメロンギミックを回し、4素材《アポロウーサ》を立てるなどしてターンを返します。強固な妨害とは言えませんが、そもそもが後攻ワンキルに一点特化したデッキです。先行は超絶不利なのです。勝てれば奇跡。負けても当然です。相手の後攻展開を勉強させていただきましょう。

終わりに

最後に、実際にYCSJに出場した戦績を残しておきます。

  1. ふわんだりぃず 後○

  2. 鉄獣戦線 後○

  3. 閃刀機 後○

  4. ふわんだりぃず 後×

  5. デスピア 後○

  6. 未界域 後×

「ワンチャンス作れれば」と臨んだ大会でしたが、4勝もできたのは正直出来すぎなぐらいでした。負けた2試合は、ふわんだりぃず戦は、初動まみれで捲り札がなく、未界域は先攻宇宙展開された上に、《ラヴァゴ》《一滴》などの解決札を引けずに敗れました。構築の部分で、もう少し詰められるところもあったのかなと反省しています。

それでも、今の自分の実力以上のものが出たかなと思いますし、何より、対面の方がみなさん気さくな方ばかりで、楽しく対戦することができました。この場をお借りして、感謝申し上げます。ありがとうございました。

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