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今の分野に人生の時間を使うようになったきっかけは?私の投資デビューの話(2024/9/18)

少し前の放送ですが、木下斉さんのvoicyを聞いていたら、こんな問いかけがありました。

『今の仕事・分野に自分の人生の時間を使うことになったきっかけはなんでしたか?』


ジブン株式会社の事業の柱の一つとしてファイナンシャルプランナーを本格始動させていこうと思っているのですが、その思いの原点となったのは東日本大震災でした。

当時、私は新卒で入社した商社の財務経理部で、輸出入の決済や為替取引株価動向リポート、資金繰りなどを担当していました。
大きなモニターを横目に見ながら株や為替を毎日チェックしていたのですが、自分で資産運用はした経験はなし。(上司に誘われて入った持株会くらい。)

その会社は新卒から定年まで勤めあげる人がほとんどで、毎年昇給はするし福利厚生もしっかりしている。財形貯蓄や持株会にも入っていたけれど、将来への漠然とした不安が大きかったのでした。

その不安は分解するとこんなところにあったのだと思います。

・ライフプランを考えたことがなかったから、いくら用意すれば良いのかわからず不安 / いくらあっても不安
・自分のお給料以外にお金を稼ぐ手段がない(と思い込んでいた)
・今の会社から離れたら年収は維持できないだろうという不安

漠然としたお金の不安解消のために、まずは投資から始めてみよう!と思い、勝間和代さんの『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』を読んでみました。

本を読んで、投資デビューしてみよう!と証券会社に口座を開くところまではできたのに、怖くて金融商品が買えなかったのでした。
商品を選ぶポイントもわかったのに、いざ始めようと思っても損をするのが怖くて買えなかったのです。

会社では数億単位のお金を扱っていたのに、自分のお金だと1万円でも怖くなったんですよね。(金融系のお仕事をしてても、こういう人は多い気がする)

そんな時に、東日本大震災が起こります。

今でもはっきりと覚えていますが、その日は金曜日で、私は有休をとってお買い物をしていました。有楽町駅の近くのカフェで休憩しているときに大きな揺れが起こりました。

いったい何が起こっているのだろう?と思っていると、通りのモニターに流れている映像を見て東北地方で地震が発生したことを知ります。そのモニターでは津波が来ている映像も流れていました。祖母と両親、妹が住む実家が東北にある私は急いで連絡をしようとしても携帯がつながらず。地震の詳しい情報はその時点ではまだわからなかったので、私はもしかしたら家族を失ったのかもしれない、そう思いました。

当時は独身で、私は一人になったのかもしれないことに怖さを感じました。

結局、実家の方は大きな被害はなかったのですが、この震災はいろんな価値観を変えるきっかけになったのでした。

募金をする、被災地のものを選んで買う、などお金の使い方も少し変わりました。

当時、出勤前の時間を使って丸の内朝大学でお金について学ぶクラスを受講していたのですが、そこで知ったのが被災地応援ファンドでした。

被災地応援ファンドについて、ほぼ日のサイトでわかりやすく説明があったので引用します。

東日本大震災で被災した会社に対する
「個人(ファン)の応援の気持ち」をファンド化し、
再建のための資金を調達するしくみ。

(中略)

これ、すごく簡単に言いますと、
投資金額の半分が、
投資した企業への「応援金」となるファンド。

(中略)

ファンドですから、他のファンドと同じように、
「リスク」があります。
投資したお金、元本は保障されませんし、
出資者が損をする可能性も、当然、あります。

ただ、応援したい会社があれば、
その商品を「買う」という行為で応援できますが、
今回の震災で
工場や資材を流されてしまった企業では
そもそも
その商品を「つくる」ということが、できません。

(中略)

このしくみに参加すれば、
被災した企業を、
より長期的に見続けることができます。
その企業の復興に対して、
ささやかでも一人の関係者となることができます。

https://www.1101.com/tohoku_shigoto/ishiwata/fund.html?srsltid=AfmBOoqwo5w7tZux0ujy__ng45sMLOOGCC2ImVoCECR8j6hENiaBPROq


被災地応援ファンド、簡単に言うと寄付金と出資金が半分ずつになった金融商品で、海鮮問屋やお酒屋さんなど応援したい事業者を選んで出資します。事業者はこの資金をもとに事業の再建を進め、その利益は投資家にも分配されます。

ファンド運営会社のサイトによると、39本あった被災地応援ファンドの調達総額は約11億、参加人数は約3万人だったそう。

私は、昆布巻きをつくる会社と醤油をつくる会社に出資しましたが、現地で工場見学をさせてもらったり、商品を購入したりと、ファンドの運用期間の約10年にわたって再建の様子を少し近くで見させてもらいました。

出資者として関わる中で、どんな思いで商品をつくっているのか、どんなふうに商品を届けようと思っているのか、社長の思いや従業員の皆さんの雰囲気なども知ることができました。何より商品がそれぞれとっても美味しくて、楽しくて学びの多い投資となったのでした。

ファンドの償還率はどちらも100%には満たず(つまり元本割れ)、お金のことだけで言うと損をしたわけですが、この体験を通して、世の中にお金を循環させていくことの意味を体感できたように感じています。

今は使う予定のないお金を、事業再建・拡大のために資金を必要としている人に使ってもらい、その利益を分配してもらう。私が自分で考えて実践してみた投資デビューはとっても学びが多かったのでした。

これをきっかけに、もっと他の商品も買ってみようと、個別株や投資信託、果てには不動産まで買い、さらには金融商品を作る側になってみたいと転職までしたのでした。


こうして、お金のことを学んだり実践しているうちに、いつの間にかお金の不安や悩みは消えていました。

かつては、私もお金に苦手意識があって、不安を感じていた一人。だからこそ、不安を感じる気持ちはよーくわかります。

思えば、財務経理部⇒金融ベンチャーと会社員生活のほとんどはお金に関わる仕事をしていました。新卒で配属されたときは、なんだか地味だな(失礼!笑)と思っていた部署でしたが、調べることや数字の分析、細かいところに気づいて改良することが得意な資質(自分辞典で言うとグリーン)を持つ私には向いていたようでそれからずっとお金周りの仕事を続けています。(人事の人は見抜いてくれていたのでしょうか・・)

お金の悩みを軽くして、本当にしたいことに時間やお金を使えるようなお手伝いがしたい。投資を始める第一歩を伴走したい。記事を書いているうちに早くサービスインしたくてうずうずしてきました。これからの進捗をnoteで綴っていきたいと思います。


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