夫、婦人科デビューする
初診から1週間後、2回目の診察へ行く。この日は夫も一緒に行くことにした。男性の検査の説明を直接聞いてもらうのと、不妊検査への参加感を持ってもらうためです。
会社を定時に出て受付けを済ませ、診察までの3時間は近くのカフェで仕事をする。指定された時間に夫と合流し、婦人科へ。待合室には男性もいたので、緊張感はさほどないみたいだった。
診察室に入り、まずは前回の血液検査の所見を聞く。「結論から言うと、まったく問題ありません」とのことで、ひと安心。
この日のメインイベントは内診。私が別室へ連れて行かれているあいだ、夫は男性向けの検査の話を聞くことになった。「だんなさんとちょっと秘密の話をしますね」と、ふだん表情の変わらない先生が冗談ぽくニコッとする。このくらいのことで先生への好感度がパッと上がるくらいに、診察室にいると気持ちが上向きになる。
内診は人並み以上に苦手なので、今回もたいへんだった。台から何度もずりおちそうになる。内診の目的は、クラミジアなどの検査と、排卵日を調べるための卵子のサイズチェック。しかし子宮が鶏卵大のサイズだなんて、知らなかった。そんなに小さな場所で赤ちゃんが育つなんて、神秘的だなあ。
卵子のサイズについては、「今は1.7mmくらいかな。1日に0.1mmずつ大きくなり、2.0mmくらいになると排卵するので、排卵まであと3日くらいですね。だから今回の周期は、早めの28日だね」とのこと。
今まで基礎体温だけを頼りにしてきた私にとって、この明快さはなかなか衝撃だった。
市販の排卵検査薬だって何日間か使って比較しながら予想するのに、婦人科ではものの5分くらいで「今回は28日周期、だいたい3日後に排卵」って診断される。婦人科なんだから当然なんだろうけど、病院慣れしていない私にとっては圧倒的な感動だった。それと同時に、情報収集のために夜な夜なネットに費やしていた、あの膨大な時間を思う。
帰り道、夫に診察の感想を聞いてみたら、「無駄がない」の一言。だよねー。ほんと、その一言に尽きる。先生に「不妊の原因として、全体の3割は男性因子です」と言われたそうで、検査にも前向きで何よりだ。(そうとう子どもが欲しいっぽい)
不妊治療経験のある友だちにも言われたけど、夫の検査のモチベーションを維持するポイントは「数値化」。ほんこれですね。
次回は排卵後に行って、その時期のホルモンの状態を調べる血液検査です。淡々とステップを踏んでいくこの感じが、快適。
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