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補助金を活用して育つ~7つのステップ~

補助金が取れるかどうかは、神のみぞ知ります。
僕も何故取れているのか分かりません。でも、2021年は本当に多くの補助金を受託できたので、そのエッセンスをここに書き溜めておきたいと思います。(このnoteには2019年からの実績が記載されています)
オンラインセミナーでもやろうかと考えた事がありましたが、いまいちターゲットも見い出せなかったので、とりあえず、ブログにまとめておきます。

誰向けの記事?

補助金に悩めるスタートアップ向けです。
>質問がある方は、TwitterのDMに→https://twitter.com/satotaiki0410

さて、実績から

福島県の復興促進を目的とした「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」に採択されました(福島県+経産省) 2021.6.24

令和2年度 農林水産省の「食品製造イノベーション推進事業」に採択されました(農水省) 2021.8.19

東京都ものづくりベンチャー育成事業Tokyo Startup BEAMプロジェクトに採択!(東京都) 2020.10.14

東京都スタートアップ実証実験促進事業に採択されました。(東京都)2020.9.8

NEDO「研究開発型ベンチャー支援事業」の採択企業に選出!(経産省+NEDO) 2019.12.24

受けられる補助金額については、皆さん、各自調べてください。大なり小なりあります。

一応皆さんに共感するために、下記のように書いておきます。
・1度目のNEDO STSは不採択に終わりました。
提出日が土曜日で、川崎(近くにNEDOがある)のキンコーズで朝から晩まで印刷して、それをダンボールに詰めて、タクシーで郵便局までダッシュして。ようやく出せた!ってなりましたが、しれっと落ちました。
・グローバル・スタートアップ・エコシステム強化事業費補助金も2020年も2021年も落ちました。落ちた事を書く必要は無いですが、全部受かっているわけではありません。

1.J-Startupに選ばれる

これは、神のみぞ知る事で、誰にもコントロールは出来ないでしょう。次いつ採択されるか分かりません。採択されるには沢山の推薦を受ける必要があります。ベンチャー型の企業は選ばれないので、このケースはほぼ不可能かもしれません。
J-Startupという神が背後についてから、補助金は不敗神話が続きました。

2.採点項目を抜けモレ無く記載する

そもそも論かもしれませんが、準備が9割くらいです。公募がかかったら、その文章を良く読んでください。基本的には、要件があります。その項目がそれぞれ点数だと思って、モレなく必ず書いてください。過去、ものづくり補助金を採択した時は、補助金の先生(https://www.himeta-trust.com/)を使っていました。ものづくり補助金の採択を受けたい場合は上記の姫田先生を頼ってください。採択率が高いのとカラクリも教えてもらえます。
姫田先生に、補助金のイロハを教えてもらったと言っても過言ではありません。採点される項目を抜け漏れなく、必ず記載します。モレがあるだけで-1点スタートとなります。提出前に必ず再度見直してください。

3.準備9割、プレゼン1割

公募資料の要件を見ると必要な事が分かってきます。コンソーシアムを組む必要があるとか、利益は乗せてはダメとか。金額が大きな補助金ほど、誰かと一緒に提出する形式になります。その場合は事前ネゴが大切になります。
例えば、福島県の補助金であれば、事前に2回ほど福島県浜通り地域へ出張に行っています。2回目は代表も連れて弾丸で2日間で12アポくらい入れました。そこで、訪問した施設や市役所など写真におさめてきました。それを企画提案書の中に入れていきます。誰も写真を入れろとは書いていません。しかし、企画提案書は100ページ以上続くものですので、見ている人も必ず飽きる!だから、視覚に訴えるのです。「あ、ちゃんと訪問して、地域の人と連携取れそうだな」と、感じてもらえたら勝ちです。これだけではないですが、事前ネゴが9割くらいで、座組が出来たら一気に書くだけです。金額が大きい場合は3名チームを組成しましょう。
 大事な事なのですが、書こうか迷った事は、定款や会社紹介パンフレットなど、ハード情報として持っておかなければならない事がありますので、こちらは管理部のどなたかに事前にお願いしておいてください。物によっては2周間程度必要です。例えば最近だと、jGrants(https://www.jgrants-portal.go.jp/)などの事前登録が必要なケースも増えてきました。前日に「あ、やってない!」となっても時既に遅しです。リーダーの人が旗振り役をやってください。

4.チーム編成

補助金提出チームを立ち上げてください。できれば3名で立ち上げてください。1,000万円級の補助金は2名で行ってください。

1,000万円以下の補助金

「書く人」と「チェックする人(リーダー)」の2名で作れるケースがほとんどです。補助金出すのが得意でない場合は、補助金コンサルの先生にも頼っても良いかも知れません。

1,000万円以上の補助金

「最終チェックする人(リーダー)」「書く人」「数値周りの人」の3名構成です。ちなみに、印刷する人や配送手配する人は上記とは別に事務処理人員として必要です。リーダーの人は、最初の全体図を考えて、「書く人」と「数値周りの人」にパスします。書く人は技術的な文章や、将来の戦略などにも精通している人がいいです。数値周りの人は、事業計画や経費の積み上げ数値を作れる人がいいです。どちらも、作っていると混乱してくるし、方針を見失いますので、リーダー役の人がその2つを修正します。そして、最後のかきあげは「最終チェックする人(リーダー)」が行います。この場合、リーダーが最終プレゼンもしますので、自分で書いてください。誰かに書かせて、プレゼンさせても通りません。これはチームプレーなので、任せておけばOKみたいな事はありません。

5.プレゼンは、確認の場。プレゼンが上手くできても落ちるもんは落ちる。

プレゼンで合否は決まりません。ほぼ資料で決まります。なので、まずは資料作り頑張ってください。
資料は審査員が事前に読んでいて、それで最終確認したい人をプレゼンに呼びます。ですので、プレゼンは「確認の場」です。発表10分+質疑応答20分とかよくあります。質疑応答でバタつかないように、リーダー役の人が、その場のヘルプでいる人に、「○○さん、○○という技術的な背景について答えてください。」と振れると最高ですね。
さて、最近の傾向なのですが、コロナで対面の最終プレゼンが減りました。また増えたのがZoomでのプレゼンなのですが、審査官の顔がOFFになっていて、審査員A、審査員Bみたいに書いてあるケースです。自分の発表がポジティブに受け取られたのかどうかを表情で判別できません。これは、かなり苦戦しました。口頭で質問くるときにネガティブに感じる原因でもあります。でも、プレゼンだけでは合否は決まりませんので、安心してください!
プレゼンの出来がめちゃくちゃ良くて、「完璧だったわー!」って皆で言ったのに落ちた事あります。

6.事務局に事前チェックをお願いする。

これも、本当に皆さんやっていない事なのですが。補助金の構造というのは、依頼主(経産省や東京都)が、運営主体を選定して、そこが募集を投げます。例えば福島県の実用化補助金なら、デロイト。PoC Grand Tokyoならボーンレックスというように、運営主体があります。
運営主体に対して

  • 要件は、こういう理解でいいですか?

  • 事前に見てもらって、相談したいんですけど。

  • 補助金はこういう用途で使っていんですか?

  • 提出前に最終確認してもらいたいです。

みたいに聞いてもらって大丈夫です。たぶん、受かっている企業はやっているが、落ちている企業はやっていないのは、ここで差がでるのではないでしょうか。

この事前チェックのスケジューリングが非常に重要なので、早いタイミングからアポを入れて、最低2回はチェックしてもらってください。

ちなみに、上記の中で過去落ちているものについては、事務局が、なぜ去年落ちたのか教えてくれるものもあります。だからと言って、2年目受かるとも限りません(笑)

7.通った後も、次の補助金の布石となる

これは、採択を受けるのと関係ないんですが、結構重要だなと感じている点です。補助金には、依頼主(経産省や東京都)と、運営主体の2種類があります。採択を受けた後に、彼らと話す機会があります。もしくは、補助金終了後に振り返りの機会があります。その際は、必ず私が出て、レビューするようにしています。目的は、「彼らをまた採択したいな」「彼らを選んでよかったな」「彼らだったら成功しそう」と思ってもらえる事です。
なので、真剣にコメントします。座組まれている企業パートナーが○○という点で微妙でしたとか、我々は事前に提出するときに、○○という事が出来ると思っていが、我々自身にその力が無かったとか。それだけではないです。東京都で選ばれた補助金の後に、農水省の補助金に採択を受けて、それを足がかりに事業が伸びつつあります。という事を東京都の職員の方に伝えたりします。これって、誰もやっていない事です。でも、職員の方は非常に喜んでくれますし、応援してくれます。運営事務局も我々を頼ってくれます。そうすると、最終発表会などで、パネルディスカッションに登壇して頂けませんか?という話になります。それは、ある一定の方が見られていますので、彼らに補助金を出すと、ポジティブに返ってくる。という印象になります。このスパイラルを作れている企業が少ないように感じます。

最後になりますが、ここが本音になります。


補助金のおかげで成功したスタートアップは無いでしょう。というか知らないだけかもしれません。
しかし、研究開発型のスタートアップにとっては、お金は常に必要になります。お金は大事なので、エクイティやデット・ファイナンスだけではなく、補助金を活用した資金調達も重要です。

そして、補助金を活用して育つ事が我々スタートアップの使命です。
7でお伝えした通り、国や東京都の職員の方も、補助金を活用して成功して欲しいと本気で思っています。そのような方へ途中報告や、感謝の気持ちを伝える事が重要です。一方で出来ていない採択者が多数のように感じます。

お金を頂いているのだから、補助金のスキームの良い点や悪い点、その補助金を活用して拡大の見込みがついたなら、それをきちんと話すべきなんだと思っています。それが我々の高評価ポイントにつながっていると思っています。時には辛辣な意見も伝えますが、本質をついたコメントをすれば、常に事前連絡が来る状態に持っていくことができます。
上記の補助金は、色々な方からのご紹介で気づいたりもしています。
「○○という補助金の公募が、12月から開始されますよ。応募しませんか?」と連絡くるようになったら、あなたの活動は成功しています。

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番外編:補助金コンサルに頼るべき?


答え:ほぼ不要です。
我々は今となっては不要です。補助金コンサルの先生ってスケジュール管理してくれるのが仕事です。事業内容や戦略を作るのは結局、我々です。補助金コンサルの先生では出来ません。
でも、最初の頃ってそれが難しいんですよ。余裕が無いというか。
なので、そういうケースについては、補助金コンサルの先生を頼ってください。整理してくれて、文章書き直してくれます。

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