酒か、血か(CA28EBF01A509CBC)

画像1 日は厄日なのだろうか? 俺が何をしたというのだ? ひどい雨脚は今も急かすように体を叩きつけ、痛む体を叱咤してくる。 いい加減目の慣れてきた闇夜を進むうち、明かりが目に入った。ようやくまともな集落か、と思うが近づいてみるとどうもおかしい。 集落にしては明かりが少なすぎる。 危機感が警鐘を鳴らすももう遅い。疲労で感覚が鈍りすぎたか…? いつのまにか人為的に開いただろう広場に出てしまっているのだ。猥雑に並べられた樽の奥から男が顔をだす。
画像2 ”なんだなんだ、あいつを抜いてきたのか!!強いことは何よりもいいことだ!!!” 粗野ではあるが快活な調子で男ががなる。 ”さぁさぁ、客人よ、共に杯を交わそうぞ!!”
画像3 あぁ、ようやく休める…… 男が呟く ”酒か、血か”
画像4 塗りながらこだわりだした目元は左目に笑いじわ、右目は見開いたように。後ろの樽は横に配置したドクロに合わせて暗めの配色と色を重ねてくすませました。少し前まで飲んていただろう正面左の樽には雪を置かずに。飲んでいたせいで表情は赤らんでいますが、多少の緊張を帯びさせるべく左胸は入れなかった赤みを右胸のみ入れました。

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