見出し画像

第2話【サトシのお父さん】

遠目で見ても近くで見ても印象は特に変わらないタイプのサトシです。

みんな花粉吸ってますか?

吸いたいものは吸えずに吸いたくないものは吸ってしまう世の中なんてポイズンですね。

という訳で今日はサトシのこの世に1人しかいないお父さんのお話。

本編の入りがハッキリとヘタサトシ。

小さい頃から神様や仏様など信仰心が強く『誰のおかげでこの世に生を授かったのかを考えろ』という教育を受けてきたサトシ。

ほぼ毎日近くの神様が祀ってある場所にお参りに行ってから小学校へ行っていたサトシ。

家族の健康と長生き、世のため人のためになる人間になりますように、頑張るので見守っていてくださいと祈りを捧げてました。

素敵なことです。

神社は願いを叶えてもらうんじゃなくて日々人間として生きる姿を見守ってくれている感謝を伝える場所だと。

本当に素敵なことです。

そんな生活を送っていたサトシ。

ある日小学校行事でフリーマーケットを行うことになりました。

地域の人達が学校に来て物を売りお金のやり取りを学ぶという趣旨だったはずです。

家にある物なんでもいいので持ってきてくださいと先生に言われる生徒たち。

『俺おもちゃもういらんから明日持ってくるわ』

と言う無理してる男子。

『大事にしてる文房具を持ってくる』

と言う命懸けの女子。

など様々な人間模様。

サトシは何を待っていこうかな。

なんて考えながら短い足で歩いて下校。

道に沿ってある細い水路に他人の家の木の葉っぱをちぎって流しながら下校。

葉っぱのスピードに合わせて歩く。

途中で突っかえる葉っぱ。

助けてまた流すサトシ。

小さなトンネルみたいな場所に差し掛かる葉っぱ。

トンネルの出口の先で待つサトシ。

出てこない葉っぱ。

待つサトシ。

出てこない葉っぱ。

見切るサトシ。

こうして何枚もの葉っぱを見切ってきたサトシ。

そんなこんなで木造二階建ての焦げ茶色の自分の家に到着。

明日学校でフリーマーケットがある事をお父さんに伝えて、もらったプリントを見せる。

『これ持っていったらおもしろいんじゃないか』

と子供では手が出ない新品のプラモデルを渡してくる豪快お父さん。

優越感に浸れることを想像してテンションが上がるサトシ。

『これも持っていけ』

と旅行に行った時に買った土地の提灯を渡してくるお父さん。

なかなか子供が用意出来る物じゃないのでうれしくなるサトシ。

テンションが上がるお父さん。

『じゃあこれも!』

と言って嬉しそうに絵本を出すサトシ。

その絵本の名前は

『神様の絵本』

ストレートど真ん中のネーミング神様の絵本。

その瞬間先程までにこやかだった顔が鬼瓦みたいになるお父さん。

お父さん『、、、おいサトシ』

サトシ『ん?』

お父さん『お前本気でそれを売ろうとしてるんか?』

サトシ『え?うん』

お父さん『、、悲しいわ』

サトシ『え?』

お父さん『お前は誰のおかげでここまで生きてこれたんぞ?』

サトシ『、、、』

何かを察したサトシ。

お父さん『お前が今まで生きてこれたのは神様のおかげじゃないんか?その神様に対して失礼じゃないか?』

サトシ『、、、ごめん』

小学生とは言えお父さんの教えと信仰心をテンションが上がって忘れてしまってたサトシ。

神様の絵本を雑に扱ってしかも売ろうとした事を反省するサトシ。

お父さん『神様の絵本を雑に扱うな、こんな大切な事が書かれてある本はちゃんとしまっておけ!』



神様の絵本を片手で持ち、その絵本でサトシの頭をバーンと叩くお父さん



いやいやいやいやいや!



その大切な本で叩いたらあかんやん!



と言う気持ちを抑えて紳士に反省サトシ。



もはや何が正解かわからなくなるサトシ。

これも人生勉強なんですね。

失礼しました。


今生きてるのは神様とお父さん率いる家族のおかげです。


お父さん、俺は世のため人のためになる人間になれてるかな?

まだまだ甘いわって言いながらも褒めてくれるかな?

がんばるから見守っててね。






え?!何その締め方?!


サトシでした。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?