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クロオオアリの結婚飛行を見てきた

今日は、普段アリの観察の場所としている公園でクロオオアリの結婚飛行の見てきた。これは毎年恒例の行事みたいになっている。

毎年この時期にクロオオアリの結婚飛行が起きる。結婚飛行とは、アリのコロニーから生まれた新女王アリとオスアリがコロニーから巣立ち、交尾をする現象のこと。アリの種類によって結婚飛行の時期と条件が異なり、クロオオアリは4月末ころから1ヶ月ほどの間に結婚飛行を行う。条件については私ははっきりとわかっていないが、気温25度以上湿度が50%を越え、弱い風が吹いているときの夕方頃に見れることが多い。かといってこの条件のときにワッと飛び立つわけではなく、準備期間がある。コロニー・巣の規模にもよるが、多くの新女王アリとオスアリが短時間に巣から出、その彼女・彼らを守るためにワーカーもたくさん巣口に集まる。そのため、結婚飛行に向けての準備として、巣口を広げる作業をする。

いつも行く公園だが結婚飛行が起きてたからこそ見つけられたコロニーがあった。木の根に巣を作り、その木から新女王アリやオスが飛び立とうとしていた。

このコロニーはオスアリが多いように感じた。コロニーによって、割合が異なるのだろうか。それとも、もともとこれくらいの割合なのだろうか。オスアリは女王アリと比べると頭部と腹部が小さい。ちなみに、オスアリはこの結婚飛行、つまり交尾のためだけに生まれ、終われば死んでしまう儚い存在である。

新女王アリが羽ばたかせ飛び立つ瞬間

女王アリの飛び方は、蝶やトンボなどのように華麗に上昇していくようなものではない。多少は上昇するものの、どちらかといえばムササビなどのように滑空するような飛び方だ。

飛び立つかどうか迷っているような新女王アリ

おそらく上と同じ巣であろう別の巣口から新女王アリが顔をのぞかせていた。

別の巣。木の根に巣をワーカーと新女王アリが湧き出ていた。

上と同じ巣の別の巣口。広い巣口からはワーカーが往来し、小さい方の巣口から狭苦しそうに新女王が顔を出している。

こちらも別の巣口。こちらにはオスアリが多く見られた。全体的にやはりオスアリの方が多い印象があった。

今日は実際に飛び立つことを見れたのは新女王アリ1匹だけで、ほかは出たり入ったりしながら、巣に戻ってしまったようだ。写真には撮らなかったが、新女王アリが別のコロニーのワーカーに噛みつかれているのを目撃した。体格では圧倒的に新女王アリの方が大きいのだが、他の生き物に比べたらやはり小さく、狙われる対象になるので飛ばないのに外をウロウロするわけにはいかないのだろう。おそらく今日は思ったほど結婚飛行に向いていない日と判断したのであろう。別の日にまた挑戦するものと思われる。はたして、これをどう判断しているのか、そういった興味が新たに湧いてくる。

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