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780日と少しを経て再びわたしは文を書き始める


最後の更新が2018年12月19日。
あれから780日と少しが経過した。

780日間という日数が経過しただけで、わたしと世界は大きく変わっていた。
780日前のわたしは科学の街でフリーターとして様々な事業を手伝っていた。
780日前の世界は顔の半分を隠さなくても咎められもしなかった。

780ものの日数が経過した。
780日経ったわたしは東の都でずっと前から作りたかった場所で仕事している。
780日経った世界は未知との戦いで人は顔の表現の半分を奪われている。

すこし、昔の話をしよう。

わたしが生まれた街は北の国の東部の奥の奥。3階以上の建物はもちろんないし、おしゃれを売りしている喫茶店もないし、子どもが喜ぶような幸せ一式を売りしているファーストフードのお店もなかった。あるのは小さなスーパーと車が必要なほど遠いコンビニとわたしが育ったアパートと、そして、青い空と広い草原と人口よりもはるかに多い牛。

そして、母は夢の国の住民になりたかった。

絶対王者であり続ける東の都の近くに小さな小さな夢の国がある。お城を中心に栄えていて、火山と海が共存していて、老若男女が楽しめる夢の国に母は恋していた。そのため、年に一回は必ず北の国から夢の国へ3日間ほど入国しては遊んでいた。そのついでに東の都の観光もしてから帰国する。

東の都を訪れたときは、衝撃の連続だった。

わたしが生まれた街には見たこともない3階以上の、なんなら空にも届きそうなほどに高い建物。赤いブロックだけで積み立てられた幾何学的な大樹。「雷門」と書かれた大きすぎる提灯を吊り下げる赤い門。地面に埋められたたくさんの店と横長い箱型の乗り物。道路が空を飛んでいる。お祭りでもなんでもないのに多すぎる人々。わたしの街では見ることのない非常識がそこには溢れかえっていた。

夢の国の住民になりたかった母に対し、わたしは東の都の住民になりたかった。
今からほんの、7000日も前の話である。

そして、250日前にずっとずっと夢に見てた東の都の住民を、わたしは叶うことができたのだ。
憧れを抱えるようになってから7000日間、世界が変わるには充分すぎる時間だった。
瞬く技術の進化。持ち運ぶことができて遠く離れた人とも気軽に連絡が取れる筐体はキーボードが付いている折りたたみからスライド式と進化を経て、最終的にはキーボードすらない画面だけになってしまい触れて直覚的に操作できるようになっていた。
国を治める頭は何人も変わっていて流行もめぐりめく流れていた。

そして、300日とすこし前に世界で最も人口を誇る国が未知の病気を引き起こす毒をもたらしてしまった。その毒が世界中に蔓延し「当たり前」が次々と崩れていった。
人々の「当たり前」を変えるのに300日間は充分な時間だった。

わたしがこのnoteを放置していた780日と少しで本当に色々なものが変わっていた。変わらないものを探す方が難しい程に。
そもそもこの世の全ては絶えず変化していくものだと285000日以上前から言われていた。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きありとか。

とどまることなくかわりゆく中でも感じたことを少しでも何か書いておきたいなと思い、noteを再開する運びになりました。140字の世界じゃとても狭いと感じることが多少あるので。今度はいつまで続けられるかな。
とりあえず放置していた780日間を振り返ってみようかなと思います。
これはまた次の時にでも。


780日ものの日数を経てもなお、変われなかったものがひとつだけあります。
それはわたしが愛を見つけられなかったことです。
なんてね。


ではまた。



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