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超高層ビルで”秋葉原らしさ”が失われる再開発~都市計画マスタープランに違反の疑い

6月5日から6月19日まで秋葉原の外神田一丁目南部地区に関する都市計画案の意見募集が千代田区によって行われています。

区の都市計画案は、170メートルの超高層ビルの建築を中心とするものです。超高層化すれば床面積は大幅に増えます。しかし、その代わり、いまある道路に面した店の多くはなくなります。多くの路面店があり、市場(いちば)・バザールのような個性と活気があることが秋葉原らしさであり、秋葉原の魅力ではないでしょうか。

みなさんの考える”秋葉原らしさ”とは何でしょうか?
実は、都市計画法に基づく千代田区都市計画マスタープラン”秋葉原らしさ”について書かれています。

<千代田区都市計画マスタープラン>
秋葉原駅周辺の拠点と中高層を基本とする複合市街地が連携・協調して、万世橋の歴史性や電気街・サブカルチャーのまちとしての文化、次世代の先端性、高質なアメニティを感じられる魅力を育て、世界の人々から愛されるまちをつくります。

■世界から訪れる人々をひきつける、電気街・サブカルチャーのまちとしての固有の文化や、次世代のアート・カルチャー、先端技術が融合した活力と魅力にあふれるまちづくりを進めます。

外神田一・三・四丁目の「地区別方針」(172ページ)

都市計画法では、それぞれの地区計画はマスタープランに即したものであることが求められています(同法第18条の2第4項)。そのため、170メートルの超高層ビルを建築する区の都市計画案が”秋葉原らしさ”を定めたマスタープランに即したものなのかが問題になります。

区の都市計画案をみると、「地区目標」には、「電気街・サブカルチャー等様相を変えながら国際的な商業地・観光地として発展してきた秋葉原周辺地域との結節点に位置している」との位置の説明だけしか記載されていません

そして、「土地利用に関する基本方針」には、超高層ビルを建てることを前提として「都道437号(中央通り)沿い建築物の1階及び2階(以下「低層部」という。)の主たる用途として、秋葉原らしい個性をいかした文化を継承し、にぎわい形成に資する用途を導入する。」と記載されています。

ここでの問題は、まず超高層ビル建築が前提となっていることです。
さらに、超高層ビルの中央通り沿い低層部だけが対象となっていることも問題です。そして、どのように「秋葉原らしい個性をいかした文化を継承」するのか、具体的な記載が全くありません

これでは、むしろ超高層ビル建築で秋葉原らしさが失われる危険が高いと言わざるを得ません。

秋葉原らしさが失われる再開発は、都市計画マスタープランと矛盾しており、都市計画法に違反することになります。

区が提示している都市計画案が、本当に秋葉原らしい個性をいかした文化を継承するものなのか、それとも秋葉原らしさを失わせるものなのか、ぜひみなさんのご意見を区に送ってください
※外神田(秋葉原)のまちづくり・再開発に関する意見提出方法

6月19日の意見提出期限までの間に、外神田(秋葉原)のまちづくり・再開発について専門家にお話いただく勉強会を2つ予定しています。よろしければぜひご参加ください。

「東京の中心で都市を考える ~公共事業の見直し~」
・6月11日(日)17:30より
・会場 神保町ひまわり館2階AB(神田神保町2-40)
・定員 45名+オンライン(500名まで)
・講師 森山高至様(建築エコノミスト/一級建築士)
・会場参加の申込 chiyoda.yuushinokai@gmail.com

「再開発手続きを考える~ 公共施設と共同化する問題点 」
・6月17日(土)13:30より
・会場 神田公園区民館5階B(神田司町2-2)
・定員 45名+オンライン(500名まで)
・講師 大方潤一郎先生(明治大学特任教授/東京大名誉教授)
・会場申込 chiyoda.yuushinokai@gmail.com
・オンライン聴講リンク
https://zoom.us/j/91568021012 ⇐開始時刻にここをクリック

以上


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