父の遺髪。
父が亡くなった時、
荼毘に伏すことを思うと
せめて遺髪が欲しいと思い、
自宅にまだ居た時に
棺の中の父の髪を切った。
我ながら変態だなと思ったが、
世の中には遺髪やら遺骨を入れるペンダントなんかも売られており、
ものすごく特殊な行動でもないと思われる。
ジョキジョキッと目立たぬあたりの髪を切り、
小さいジッパー袋に入れたはいいが、
その後、紛失したw。
どこにしまったか
ドタバタしていたこともありまったく覚えていない。
まぁこれは、父が
「そんなことしなくていい!」と
心から呆れて言ってるのだろう、と受け止めることにして、
あれから4ヶ月以上経った。
今日、
こないだ作ったやっすい眼鏡を受け取りに
その伝票を探したら
なんとそこから、父の遺髪のジッパーが出てきた。
ビビった。
ここぞという大事なものをしまう
小さなポケットに入れていたんだな。
父の遺髪だ。。。
父の遺体は
もう何日もドライアイスで冷やされ、
髪をワテが切った時は
棺の蓋を開けたらあかんと言われてた時期で、
ドライアイスの交換に職員が来たタイミングで髪を切ったのであった。
そのため、髪は湿気を帯びていたとみえ、
ジッパー袋の中の遺髪は
白カビが生えていた。
旦那が
アルコールに漬ければええやん、と言ったが
髪をアルコールに浸けたらどうなるか不明で、
ワテは、不織布のお茶パックに髪を注意深く移し、
洗面器の中に少量のシャンプーを溶かし、
その中でゆすり洗いして干した。
父の有機物だ。有機物?
なんつーの?w
世の中に取っとける身体だ。
ここんとこ
なんだか
ワテは弱っていた。
ワテはまったく繊細ではない部類だと思うが、
なんとなく
傷付くことが重なり、
弱っていた。
このタイミングでの、父の遺髪の出現がなんとも言えず、
久しぶりにこっそり一人で泣いた。
腹黒い人。
がさつな人。
理解り合えない人。
人の嫌なところを見るとやんなる。
醜い人の姿を見ると
心から飽き飽きする。
ワテも
馬鹿正直なところがあるのだろう。
人に忠告された。
正しさってなんだ?
正しく生きるってなんだ?
とてもワテなどにはどうしようもできないことだらけなのだ。ほんとに。。。
ちょっと疲れている。
父の遺髪がこのタイミングで出てきて、
ワテは少し正気を取り戻したような気がする。
ワテはもっとドライにならなかんか?じいじw
あの遺髪をどうしようか。
また考える。
元気にやってかなかん。
おしまい。
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