コラム 職業的案内とは何か?
プロのガイドの仕事とはどのようなものなのか?
「ガイディングの歴史から今後の方向性を考えてみる」
(あくまでも私の個人的な見解です)
この記事を読むことでビジネスのヒントが得られると思います。
●結論
「自己登山とガイド登山(ガイディング)はまったく違う」
自己登山の場合は
「自分のために山に登る」
「趣味のために山に登る」
ガイド登山(ガイディング)は
「お客様のために山に登る」
「お金のために山に登る」
1国内におけるガイディングの歴史(歴史を知る)
「なぜ、危急時対応がガイド研修に義務化されたか」
(歴史的背景)
第1次登山ブーム 昭和30年代 登山者年齢10代~20代
岩登りが中心 涸沢貴族(涸沢にステイ)
遭難者が続出 ⇒ 改善 (国の施策)
文部省国立登山研修所 ⇒ 指導者養成
※国立の養成施設は現在でも登山だけ
第2次登山ブーム 昭和50年代 登山年齢(中高年中心)
100名山ブーム 天気により出かける
遭難者続出 ⇒ 改善(国の施策)文部省
日本山岳協会 ⇒ 山岳会等へ登山指導
第3次登山ブーム 近年 登山年齢(中高年中心60代~70代)
ツアー登山ブーム 旅行会社主催・ガイド同行
遭難者続出 ⇒ ガイドの過失判例多し
(まとめ)
日本には素晴らしい自然があり、さらに地域性がある。
(日本海型気候 内陸性気候 太平洋型気候)
日本においては世界的にとんでもなく降雪量が多い国である。
日本における冬山登山は条件や技術的にかなりむずかしい
そこで、国内ではヨーロッパ同様、ガイディングにおいては
安全確保と危急時対応の技術が必要とされる。
「顧客の要望に対し、安全と信頼の元に喜びを与える」ことが
ガイディング(職業的案内)となる。
2国内における提供サービスの推移について
国内のガイディングにおける安全管理(危急時対応含む)意外に
提供しているサービスの歴史的な推移について記載します。
<ガイド内容の推移>(歴史) ・・あくまでも長内解釈・・
●第0期 昭和30年以前 登山という概念がない
・信仰・宗教登山 (女人禁制・山伏・修験道)
・山菜・生活の場 (出作り小屋・マタギ)
●第1期(第一次登山ブーム)昭和30年代~高度経済成長時代
・ニーズ そこへ連れてって欲しい(そこが見てみたい)
行ったことがない(旅行)
・内容 道案内が中心
・職能 その地が詳しい人 (連れて行ってくれれば良い)
・担当 地元の人 そこで生活している人
・ポイント 「歩けるガイド・登れるガイド」
・目的 連れてってくれれば良い
・社会的背景 戦後の復興(経済成長)レクリエーション
レジャー志向増加
まとめ 私はのこの時代を
「ガイディング1,0」と呼んでいる
先達(その場所へ導いてくれる)
●第2期 (第二次登山ブーム)昭和50年代~バブル前期
・ニーズ 連れてって欲しい(そこが見てみたい)場所が沢山ある
・内容 できるだけ沢山の場所へ連れていく
・職能 安全に短期間で達成させる
・担当 登山経験が多い人 (登山技術が優れている人)
・ポイント 「登山指導できるガイド」
・目的 安全に達成 さらに次の情報を提供すること
・社会的背景 バブル期のレクリエーション・レジャー
まとめ 私はのこの時代を
「ガイディング2,0」と呼んでいる
登山技術の指導と安全管理
(基本的には第1期と同じであるが、劇的に行きたい場所が増えた)
(案内できるエリアが増えた)
●第3期(第三次登山ブーム)昭和60年代~平成5年頃まで
・ニーズ 旅行としての登山(交通・宿泊などを手軽に)
・内容 安全に楽しい山旅
・職能 団体行動の管理、楽しい解説
・担当 ガイド会社に雇われるガイド
現地で手配されるガイド
・ポイント 「安全管理と自然解説」
・目的 達成感と学び
・社会的背景 旅行会社の発展・ツアー登山会社の激増
まとめ 私はのこの時代を
「ガイディング3,0」と呼んでいる
安全管理と詳しい自然解説の提供
この時期より、安全管理プラス自然解説が求められる
サービス内容となった
達成プラス自然や植物のことを詳しく教えて欲しいという
新しいニーズが生まれる
職能としてそのエリアの詳しい知識の伝達
(説明してくれる人)が求められるようになる。
そこでガイド担当した方は地域の有力者・大学の先生等の
教育を受け生態系や地形、植物の知識があるガイド
解説できるガイドと変化した
●第3、5期(山ガールブーム) 平成5年頃から現在
・ニーズ 楽しく過ごしたい
(リラックス・余暇活動)自己主張(ファッション)
・内容 登山とアウトドア体験
・職能 自然体験を楽しませてくれる人
・担当 サービスに優れている人
・ポイント 「ニーズを満足させるガイド」
・目的 趣味を満喫
・社会的背景 インターネット・自己満足・自己中心
まとめ 私はのこの時代を
「ガイディング3,5」と呼んでいる
楽しい経験をさせてくれるサービスの提供
ライフスタイルの提案ができるガイド
加価値があるガイド
●第4期 現在〜今
コロナパンデミックにより劇的に変化している真っ只中である
・ニーズ 身体的健康(フイットネス)とメンタルケア
(ストレス軽減) 楽しく過ごす
・内容 登山とアウトドア体験及びホスピタリティの提供
・職能 自然体験を楽しませてくれる人(エンターテイメント)
・担当 コミュニケーションに優れている人
・ポイント 「ニーズを満足させるガイド」
(ニーズの多様化へ対応)
・目的 自己主張・自己顕示(自己承認)
・社会的背景 スマホ・SNS
まとめ 私はのこの時代を
「ガイディング4,0」と呼んでいる
今後はガイディングにこのようなことが求められる時代と
なっている。
職業的案内がこのように進化した
3登山における行動変容(登山してみたい)のきっかけについて
過去的にどのようなきっかけで登山を始めるのか?
第一次登山ブームにおいては
高度経済成長時代のおいて政府の健康増進を目的とした施策により
ブームとなった
地方から都市部に集団就職してきた方のレジャーとして推進した
(お金がかからず健康的である)
その後は
まずは小説や書籍により、山への憧れを誘引した
さらにT Vやラジオ新聞等からの情報により
誘引された方が多い
その後登山雑誌によりファッション性やトレンド性に左右され
若者も登山ブームとなった
又、映画も多く多くの方が登山に憧れを感じた
そして現在は
間違いなくSNS(動画やInstagram)である
要するにガイド事業のマーケティングについては
「小説〜映画そしてSNSに変化した」
4今後必要となる7つのスキル
(職業的案内に必要となることが予想される)
・フイットネス・メンタルヘルスの知識とスキル
・優れたホスピタリティ
・エンターティメントのスキル
・優れたコミュニケーション力
・参加者ニーズを満足させるスキル
・心理学的知識
・スマホ、SNSの知識とスキル」
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