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卒業してほしくない

3月1日

今日

前通っていた学校の卒業式


只今の時刻

2時36分

今は友達へ手紙を書いているところ


ギリギリまでやらないのは私の悪い癖。
今日は大忙しなはずなのにこうやってまだ手紙を書いている。
手紙を書き終わったかと思えば今度は友達へ渡すお菓子のレイを作らなければ。


あぁ忙しい。

ギリギリまでやらないからいつもこうなる。




ほんとは、友達の卒業式なんて迎えたくなくてギリギリまで現実逃避をしていたのかもしれない。




(ところで卒業式にお菓子のレイを渡すのは沖縄だけの文化ってほんと〜?)


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私が通っていた学校は中高一貫校。

ただの高校の卒業式とは少し違う。6年間共に歩んだ仲間たちとのお別れだからより感慨深いものがある。

私は中学から5年間通っていた。



卒業したくね〜〜〜〜〜
卒業してほしくね〜〜〜〜〜〜


「ねえ、ちょっと卒業するの一旦辞めない?」


言ってしまう、一瞬でも気を抜いたら言ってしまう
良くないよ。黙ろうね。



きっと、ここまで卒業して欲しくないと願ってる人間なんて私くらいだ。
卒業という文字を書くだけで胸が締め付けられて、苦しくて、苦しくて、涙が出てきて、いっそのこと祝わないでやろうかと割と本気で思うくらい卒業してほしくない奴なんて、私しか居ないんだ。



終わりの見えない寂しさと孤独さになんと名前をつけようか。

高校を卒業して社会に出て、大人になれば許されなくなってしまう私の身勝手な感情たちになんと名前をつけようか。


『大人になれば自由だ』なんてこと言ったのは誰だろう。
”身体的自由は得られるが心理的自由は得られない”、この考えは間違っているだろうか。
 

私があの子に抱いた身勝手な感情

一方通行の歪んだ愛も

数え切れない嫉妬も

全部全部許される歳でありたい

まだ許して欲しいのに



もう卒業で   もう皆大人になってしまう

ずっとずっと、オープニングからエンドロールまで何も変わらないのは私だけで

身勝手な感情を抱き続けたのは私だけで

卒業したくないのも私だけで

皆に置いていって欲しくないのも私だけで

私しか居ない




はっ、手紙を書かなくては。
気付けばもう3時過ぎ。




3月1日

卒業おめでとう



私より大人な私の同級生たち

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