サンデーサイレンス後継種牡馬答え合わせ


こんな記事を書いた背景

日本競馬の歴史を変えた大種牡馬サンデーサイレンス
彼の競争成績、種牡馬成績、産駒成績などはいろんな人が話題にしているんですが
後継となった種牡馬の成績を網羅的に見ている記事って見たことないな、
ディープインパクトも亡くなってしまったことだし、そろそろまとめられるんじゃないかな
というわけ

いきなり結果、あと各種指標の説明

サンデーサイレンス自身と主な後継種牡馬の成績指標

日本国内統計で2023/5頃の数字です。現役馬がいる種牡馬は多少変動していると思われます(なんで半年前の数字なのかって?塩漬けにしていただけだよ!)
統計的・相対的な比較には以下の指標がいいかなということで(あと、調べるのが楽だった)
データ元はJBISのHPでいずれもキャリア通算成績です。

以下、指標の意味など

AEI

「産駒の質」
産駒の平均獲得賞金の全体平均との比。1なら平均、2だと平均の2倍、0.5だと平均の半分
1で及第、1.5で優秀、2あればリーディング級

CPI

「相手の質」
交配する牝馬が以前別の種牡馬の産駒で上げたAEIの平均。1なら平均的繁殖牝馬、2なら平均の倍稼ぐ牝馬、0.5なら平均の半分の牝馬がお相手だった、ということ
今回掲載した範囲だと
1以下はあまり期待されていない
1.5前後は期待度それなり
2以上は期待度高い
という感じかと(どこで種牡馬やってたか、にもかなり依存するんですがそれ含めて期待度かな、と)

AEI/CPI

AEIとCPIの比。繁殖の質を考慮しない種牡馬自身の能力を指す(とされている)
1を超えればとりあえず及第
1.2~1.3程度あれば優秀
1.5あればリーディング級
という感じでしょうか

産駒数(血統登録数)

「どれだけ生産者から望まれたか」「日本競馬に血統的な影響を残したか」という指標になるかと

選定条件など

  • GIに勝って種牡馬入り

  • 産駒にGI馬がいる

  • ほか特筆すべき馬

としたつもり、漏れがありましたら教えていただけるとありがたいです

気が付くところ

表だと見にくいのでグラフにします
AEI・CPI・AEI/CPI(折れ線)と産駒数(棒)を近い世代の有力種牡馬と並べてみました
ウォーエンブレムが入っているのは趣味です。

各種指標と産駒数

解釈の仕方

指標の説明と重複しますが
青線が高い=産駒がよい
橙線が高い=相手がよい
青線が橙線より上=灰色線が1超え=[産駒の質>繁殖の質]=優秀
青線が橙線より下=灰色線が1未満=[産駒の質<繁殖の質]=結果が良くなかった
という意味になります

気付く点をつらつら書きます

サンデーサイレンス系以外

・ノーザンテーストは活動期間と成績の割に産駒数が(この中では)すくない。単年種付け数が増加する前の馬ということ。指標は凄い
・トニービン、ブライアンズタイムはサンデーサイレンスと並べて「御三家」などと呼ばれていた時期もあるだけあって優秀な指標
・サクラバクシンオーは1枚落ちるが普通に優秀
・ウォーエンブレムは初期に少数産駒で異常に高いAEI/CPIを叩き出していたが、最終的に平均ラインに
・キングカメハメハも優秀で、普通ならこれで長期間リーディング取れたりするが…

サンデーサイレンス系

・サンデーサイレンス自身の成績は「異常に優秀」
・後継筆頭はディープインパクト、相手の質も凄いが期待に応えられること自体が凄いこと
・次点はステイゴールド、なんなら質が上がって失速した感がある
・三席はハーツクライか。芝向きに限定した場合になるか
・ダート筆頭格ゴールドアリュールはやはり優秀
・フジキセキは最終的に゙平均ライン、相手的にも産駒的にも親父と競合した期間がかなりあることを考えると健闘
・リーディング取ったアグネスタキオンは高CPIにかなり依存していた模様
・ダンスインザダーク、スペシャルウィーク、ゼンノロブロイ、ネオユニヴァースは期待はあったが応えきれなかった
・マンハッタンカフェ、ダイワメジャーは↑よりは応えているが…という感じ
・アドマイヤベガは早世が惜しまれるが成績的には普通ライン、この後ハネたかは不明
・マーベラスサンデーはあまり期待されていなかったようだが健闘
・バブルガムフェローはもう少し高い期待度から結果はいまひとつ
・欧州で成功したディヴァインライトは極小数ながらまずまず
・南米で成功したアグネスゴールドは国内いまいち
・代用需要で種牡馬入りしたと思われる各馬(産駒数300〜600層とブラックタイド)比較的健闘、AEIと産駒数的に筆頭はブラックタイドと思われる(がコヤツの産駒獲得賞金、1頭で20%弱稼いだ仔がいるので…)

総合すると

・サンデーサイレンス凄すぎぃ!
・ディープ、ステゴ、ハーツクライという現在の勢力イメージは概ねその通り
・アグネスタキオンはイメージ程ではなかった(産駒も故障が多かったのも関係してそう)
・全然だめだったのがいない。ある程度成績と産駒を残した馬をピックしているというのはあるんだろうけど、例えば平成初頭の非サンデー系内国産種牡馬

平成三強、同時期の顕彰馬とその兄の種牡馬指標

サンデーサイレンスと競合した時期とはいえ、いずれも指標は芳しくなく(マックイーンとトウカイテイオーは比較的健闘)
適性がない場合AEI/CPIが0.5を割り込むことは、通常珍しくないはずなんです…
サンデーサイレンスの子はAEI/CPIが軒並み0.7超えてるんですよ…


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