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手放すこと。身軽に自由に。

2019年2月掲載
文:カフェサナブリ 西木真木
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 サナブリは皆さまのおかげで、もうすぐ7周年を迎えます。


 そして、「もっと丁寧に、今に集中してじっくりやろう」とリニューアルしてから約1年が経とうとしています。
この1年は、「今のサナブリにとって本当に大切なもの以外を手放すこと」に集中してきました。


 それは、当たり前の事ですが、人も時代も環境もどんどん変化しています。前回うまくいったことも、次の時、同じやり方では乗り越えられないということを何度も経験した私は、もっとシンプルに今に集中する必要を感じていたからです。そして、結果に拘るのでは無く、いかに結果に囚われないかこそを大切にしようと決めました。身軽に自由に、楽しんで店をやることにしたのです。


 でも、そうは言っても、店をリニューアルしたからといって、自分もその瞬間からリニューアル出来る訳ではありません。これまでの自分の考え方や癖や習慣から起きることにうんざりし、その度に「でも・・そうか!今、手放す機会をもらったんだな」と考え直しては、何とか一歩ずつ進んできたように思います。


 そして、だんだん結果に対する執着が少なくなり、自分を縛っている拘りが減って身軽になってくると、不思議なくらいにインスピレーションを受け取る機会が増えてきました。


 最初に感じたのは、「私が野菜を使うのではない。野菜に私を使ってもらうのだ」ということでした。本物の料理を作りたいならば、まずは、自分が作るという傲りを捨て、自分が食材とそれを育んだ人や自然や多くのエネルギーに感謝の心で寄り添い、教えてもらうつもりで臨まなければ、食材に力を貸してはもらえないと気付いたのです。


 またあるとき、「これは、身体に悪い、こんなものを沢山食べたら大変なことになる」と考えている自分に気が付きました。私は、多くの食べ物に対して先入観を持ち、そのことにより、罪悪感を持っていることを、その時、強く認識したのです。その考えは一体どこからやってきたのでしょうか?それは、心の底からくる本能のようなものでは無く、ただの知識であり、誰かが言っていたことに他なりませんでした。私たち人間も動物なので、本来は直感というものが備わっています。ですから、本来食べてはいけないものや、食べたらいいものは分るはずなのです。


 ですが、私は、過去の経験や知識に頼りきって物事を判断していた為、自分の直感を認識することが出来なくなっていたのです。そして固定観念からくる罪悪感が、執着を生み、物事をとても複雑にしていると気が付いたのでした。


 そうして、ひとつ気付く度に手放す事を繰り返すうちに、だんだん心が軽くなり、店をやること自体が楽しくて嬉しくて仕方なくなってきています。
昨年秋からは、料理教室を復活し、心の向くままに新しい料理やスイーツにも挑戦しています。2019年、サナブリは更に自由に進化していきたいと思っています。


 今後とも、cafe sanaburiをよろしくお願いいたします。

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