響け!ユーフォニアム3 6話感想

6話の感想です。
オーディション回ですね。






修学旅行は写真のみ。
自分も修学旅行は東京で国会議事堂行きましたね。あとは通勤電車に乗ってこんな満員電車に毎日乗るの絶対イヤだなとか思ってました。

黒江真由が写真に写っていないことを指摘するみっちゃんに、あまり写真に写るのが好きでないと真由は答えます。その真由を久美子は真面目な顔で見つめます。
ここは久美子何か深く考えすぎじゃないですかね。単純に写真に写りたくない気持ちわかりますけどね。

全体練習。3期で初めてに近い気がします。全体練習は、最初の海兵隊の練習もありましたし1期の印象が強いですね。
何気ない描写なんですけど、これ意図的に1期を思い出させるような構成にしてるんじゃないかなとこの後の流れを見てると思いました。

低音のパート練習。チューニングについて鈴木さつきが釜屋すずめに指導します。さっちゃんがこんなに長く喋ってるの初めて聞いた。
久石奏がおもむろに課題曲?の一節を吹くと、真由と久美子がほぼ同時に間違いに気付きます。やはりこの2人がユーフォでは抜けてうまいということなのでしょうね。
敵に塩を送るなんて器が大きいと奏は久美子に言います。ここ予告でもありましたが、敵とは真由のことではなく久美子から見た奏のことだったんですね。紛らわしいことするな。
真由はまたオーディションを辞退しようかと言い出します。ユーフォって大体2人くらいで、自分がユーフォの誰かを落としてしまうのではないかと。奏は普通に演奏すれば必ず選ばれてしまうとと突っ込みます。これはその通りすぎる。
真由はそういうわけじゃないよ、ただ…と言った後で、言葉に詰まってしまいます。その後久美子を見つめます。
これは助けを求めているんですかね。久美子ちゃんなら私の言いたいことわかるよね、という信頼の目なのでしょうか。
久美子は少し困惑して、申し訳ないというのがわからないと言います。前にも少し話したけれど、と久美子は言っていましたが、その時は北宇治の誰かを落としてしまうことの心配をしていたように聞こえました。

ただ今回はユーフォって2人でしょ、という話の後にこの話をしていますから、ユーフォの誰かを落としてしまうかもしれないという話に聞こえます。そして実力的には真由と久美子が抜けているというのを、奏のミスに2人が気づくという描写によってしているように見えるので、それは奏に申し訳ない、という言葉に聞こえます。久美子のソロを奪ってしまうかもしれないことについては、可能性はあるけどそこまで確信しているわけではない気がしています。針谷佳穂のことはおそらく眼中にないでしょう。

奏は一理あると言った後で、部長がコンクールメンバーから落ちてしまったら部全体としても…と話し久美子は縁起でもないというように慌てて止めます。
奏も自分が落ちるかもしれないと思いたくなくてあえて久美子が落ちる話をしているように思えますし、久美子も慌てて止めているように2人とも余裕がないんですよね。

久美子はオーディションに反対ってこと?と質問しますが、真由は反対ではないけど…と言い淀みます。私が選ばれて嬉しい人なんて本当にいるのかな…と続けます。
久美子はいるよ!と言いますが、真由は冷たく「誰?」と聞き返します。ここ黒江真由史上1怖かった。
私が吹かなくても誰も困らないと言う田中あすかにみんなが困ると久美子が説得を試みるも、みんなって誰?と言われて撃沈したのを思い出します。

部員全員、と久美子は絞り出すように声を出しますが、真由は少し残念がるように下を向きます。
久美子は自分に言い聞かせるように続けます。ここ大事だと思うのでそのまま引用します。

「北宇治は、全国金を目指してる。だから、学年とか実績とか関係なく1番上手い人で挑む。それが目標を達成する最善だと思う。だから、みんなでそう決めた…んだけど。」

「1番上手い人で挑む」というのは滝先生は実はそうは言っていない、というのは後でまた語ります。
「みんなで決めた」というのはおそらく1話の多数決で全国金賞を目指すと決めたことを言っているのだと思いますが、その場に真由はいませんでしたね。
そして真由だけでなく、全国大会金賞を取りたいというのは一致していたとしても、その過程については共有できていないという問題も今回の後半でできますがそれもまたその時語ります。

久美子ちゃん部長だもんね、と言う真由に部長とか関係ない!と焦って返す久美子。
去年のオーディションで手を抜くと恐ろしく怒りましたからと奏も続けます。
真由はみんな、と言う言葉を使った久美子から、私は必ずしもそう思ってるわけじゃないけど、というニュアンスを感じたのかもしれません。
久美子&奏は、久美子が2年生の時の話をしていますが、あのシーンって奏が手を抜いたことに気づいた中川夏紀がオーディションを止めに入った姿を見て、久美子も説得をしだしたように見えるんですよね。
最終学年で副部長ということもあり、かつ聖人である(1年次に久美子が「先輩っていい人ですね」とマクドで言うくらいの)中川夏紀は改めてすごいなと思いましたね。ただ最終学年という立場がそうさせるというのはあると思いますし、その意味で黒江真由が部長だから、というのは的を射ているように思います。
真由はこの件を詳しくは知りませんが、久美子は本心で実力主義を信奉していることも理解してすこし腑に落ちた顔をしているように見えます。ただ、それを自分の行動原理にするというよりは、久美子ちゃんの行動原理がわかった、という納得感からくる顔には見えますが。

久美子が思い出すのは1年次、トランペットのソロを3年の中瀬古香織ではなく1年の高坂麗奈が吹くことになった時のことでした。2年の吉川優子が発端となり全員の前でオーディションを行い、高坂麗奈に決まったこと。雨降って地固まり、全国大会まで行けたことは間違っていない。その成功体験が久美子には、そして3年生にはあります。
それが真由には共有されていませんし、2年生以下にも共有されていません。

もっと言えば共有されたところで、というところもあると思います。まさしく吉川優子がぼそっと呟くように言った、結局結果がすべてという考え。
全国大会まで行けたからそれが正しいと思っているけど、地区大会敗退してたら中瀬古香織に吹いてもらった方が良かったのではないか。もし真由がソリを担当して、地区大会で敗退してしまったら、部のために頑張ってきた部長の久美子がソリを麗奈と吹いた方が良かったんじゃないか。こんな考えは浮かぶでしょうしそれを否定することはできないのだと思います。結果がすべて、逆に言うと結果が出ないと答えはでないでただモヤモヤしてしまうだけな気もします。

久美子はふとトランペットパートの教室の前で足を止めます。そこには後輩を指導する高坂麗奈の姿があります。
少し厳しいように見える麗奈を見て、久美子は少し微笑んだように、気合が入ったような表情を浮かべます。
これでいいんだ、今までやってきたことは間違っていないんだ、という表情に見えます。

宇治橋を歩く久美子。トビケラやばすぎるでしょ。本当にこんな飛んでるんですかね。
自転車に乗った梓に呼び止められます。
久美子ベンチで話をします。
麗奈ほど決心が固まっているのはウルトラレアでも、音楽を仕事にしたいと梓は言います。
音楽をここでばさっと捨ててしまう方が怖くない?と梓は問います。
黄前麻美子と斎藤葵が聞いていたら倒れそう。

もうこんな時間、と去りだす梓。葵がオーディション前に久美子に声をかけた後帰る時にも同じことをこの久美子ベンチで言っていた気がします。
私からしたら、音楽に関わっていない久美子が想像できないけど、と言い残して梓はペダルを漕ぎ出します。
ここも斎藤葵と対比になる気がして、葵は音のなる草をポイっと捨てて、久美子ちゃんはオーディション頑張りなよ、と言って去るんですよね。
去る方向も久美子ベンチから見て梓は左、葵は右、そして久美子はどちらの時も立ち尽くしたまま動かない。ここ音楽を続けるも辞めるも決心のついていないと言うことを表しているのだと思います。
このようにここは葵を彷彿とさせる、そして対比させる描写が多かった気がします。これは3年生だからこその、当事者として決断しなければいけないからこその悩みがあるということを改めて思い起こさせます。

そしてオーディション当日を迎えます。
失敗しちゃった、と釜屋すずめは低音パートの部屋へ戻ってきます。軍曹先生ずっとこっち見てるし、と言いながらメガネを前後させるのは珍しく面白かった、これに関しては針谷佳穂がゲラなのではなく普通に面白い。

緊張してきたとこぼす佳穂に、弥生はまあまあ、私たちは来年に向けてだからと言います。やってみないとわからないよ、と言う久美子に、でも先輩すごいですし!と少し外れたことを言う佳穂、守護らねば。そしてすずめは高坂先輩とのソリ楽しみにしてます!と久美子に言います。

ここ、オーディションの結果の話を先にしてしまいますが、すずめだけが合格する理由になってると思うんですよね。弥生も佳穂も初心者で1年の自分がコンクールメンバーに選ばれるなんて考えていないで吹いてるんですけど、すずめは久美子の演奏については言ってるけど自分がどういう気持ちで吹いているかの話はしていないんですよね。
だからこれは想像ですが、もしかしたらコンクールメンバーに選ばれちゃうかも、と思いながら演奏したんだと思います。私って意外と才能あるのかも!?といえお調子者というが自己肯定感高めというか、そういうところが良い方向に働いたと見えます。

ユーフォのオーディション。
久美子は、夏紀が手を抜いた奏の演奏を聴いて止めに入る姿を思い出します。
あの時と同じことが起きたら、私はどうするのだろう。止めるのだろうか、それとも…。
先ほども書きましたが、夏紀ができたことを同じく3年生になった久美子もできるのかという話になります。これは実力主義を本当に信頼し続けることができるのか、もし自分が吹けないことになってしまったら、という不安に押しつぶされそうになっているからこその考えにも思えます。
そんなことを考えている間に、真由が呼ばれます。
奏はつぶやきます。どうするんでしょうね、黒江先輩。わざと下手に吹いて、落ちるようにすることもできますしね…。

ここの奏は皮肉を言っているようには聞こえませんでした。むしろほんとにわかるんだよなあその考え、という感じでしょうか。それはもちろん1年前に自分がやったことを思い出してのリフレインもあるでしょうが、その時夏紀と久美子に説得された、と思ってたのに久美子が最終学年になって、そして自分も2年になって、久美子に吹いてほしいなあ、自分も吹きたいなあ、と思っており、だからこそ今の久美子と同じく、もし黒江真由が下手に吹いたら自分は中川夏紀のようにあの扉をすぐにでも開けることができるだろうか、という自問のようにも聞こえました。
改めて中川夏紀とはすごかったんだなと思います。普通あの勢いで扉開けられないでしょ。

そんな2人の心配をよそに黒江真由はいつも通りの演奏を響かせます。
久美子はほっとしました。実力主義で行くことを真由が納得してくれたから、というわけではないでしょうね。下手に吹いた時に自分が止めに入るかどうかを試される機会がなくなったからでしょう。

音楽室から出てきた真由はリラックスした表情に見えました。
ナーバスな久美子とは違って、真由は普通に吹いて普通に戻ってきたという感じなのでしょう。
想像ですが、北宇治は実力主義だから、という久美子の説明を真由自身は半信半疑であるというのは変わっていないのでしょうが、久美子ちゃんは本当にそう思ってるんだな、じゃあその通り吹くか、というメンタルな気がします。久美子のことを特別にも近い存在としてリスペクトしているからこそ、大袈裟にいうなれば久美子のための演奏をしたのでしょう。
次は久美子の番です。緊張して吹き出さない久美子に、美知恵先生が声をかけます。いえ、と答える久美子に少しだけ微笑んでうなづくような滝先生。久美子のことを理解している、信頼している滝先生のこの表情が良すぎますね。

そしてオーディションの結果発表。
トランペット、高坂麗奈。そらそうよ。小日向夢も入りました。
トロンボーン、塚本秀一。オーボエ、剣崎梨々花。りりりん先輩も選ばれて良かった。
ユーフォニアム、黄前久美子、黒江真由、久石奏。奏も選ばれました。その隣でしょんぼりする針谷佳穂。吹けないだろうなと思ってはいても、やっぱり実際吹けないとなると落ちたんだ、という悔しさは込み上げますよねそりゃあ。
チューバ、加藤葉月。
うおおおおお。葉月よかったああああ。
やっっっとコンクールメンバーです。1年生の頃から見てきていますからやっと報われたなって感じがしました。
鈴木美玲。そして1年釜屋すずめ。
なんと2年鈴木さつきが落選してしまいました。これはいったいどういうことなんだ。

発表後の廊下。やっとコンクールで吹けるよという葉月の言葉に重みを感じます。ほんとによかった。
これ原作で読んでる時も発表の瞬間めっちゃドキドキしたし、名前呼ばれた瞬間泣いちゃったんですよね。

そしてつばめに抱きつくすずめ。褒めて〜がかわいい。

そして鈴木さつき。強がるように美玲に笑いかけ、まだ終わったわけじゃないよと声をかける葉月に「もちろんですよ、これからこれから!」と返す声も震えているようでした。ここも少し泣きそうになりました。

ソリは久美子になりました。
まだチャンスはあるから頑張ってね、と久美子は佳穂に声をかけますが、正直今年は先輩たちの演奏を聴くだけで十分って感じですけど、と佳穂は答えます。悔しいという思いはあれど、納得している感じもあるんでしょうね。
そんな中久美子は美玲に呼ばれます。
その時の真由の陰鬱な表情を浮かべていました。
これはオーディションがあと2回もあるということがあるからでしょう。久美子ちゃんが今回は選ばれたからよかったけど、まだ次があるんだ…ということでしょうね。
この表情を久美子がこちらを見ている間は出さないようにして、久美子が美玲に呼ばれてこちらを見ていない時にしているのは、久美子に見られたらまたオーディションの意義を、実力主義の良さを語られるからでしょう。そう言われても私はどうしても納得できないよ、という意志の固さ、頑固さみたいなところは割と久美子に似ていると思います。久美子と喧嘩はしたくない、なんならもっと仲良くなりたいのに…という気持ちがあるのかと思うと真由に同情したくなります。

美玲はさつきが落ちた理由がわからないと久美子に告げます。客観的に見てさつきの方が上手いというのは久美子も同意します。ただ、滝先生のことだから全体を見ての判断だと思うから、それを信じると久美子は話します。
ここ、その後の滝先生との会話を考えてもいい線いってる回答なんですよね。
それを聞いて美玲も納得します。久美子が信じる滝先生を信じろ。

ただ、と美玲は付け加えます。

ずっと指導を受けてきた3年生と違って、1,2年生はそこまで滝先生を神格化していません、それは覚えておいてほしいです。

ここはちょっと意外に思えました。1年生はそうでしょうけど、2年生も関西大会金賞まで言ってるのにそうなんだと。
ここはおそらく、滝先生が0からこの部の本気の雰囲気を作り上げたこと、そして香織vs麗奈の公開オーディションのことを知っているのが今の3年生だけだからなのでしょうね。
海兵隊の合奏ができたことの喜び、公開オーディションという方策がうまくいき全国まで行けたことの成功体験がないというのは、真由だけでなく1,2年生も同じだということを美玲は示します。

いつものテリトリーで練習をする久美子。
一旦落ち着け、と水を飲みます。その前の美玲に話す時に深呼吸をするシーンだったり、こうやって水を飲むシーンは久美子が成長していることを示しています。
矢継ぎ早に新世界よりの感想を麗奈に喋ったり、水を飲まずに鼻血を垂らす久美子の姿はもうありません。

そして吹くのは響け!ユーフォニアム。
そこに日向から近づいてくるのは黒江真由。もうこれラスボスだろ。
素敵なユーフォの音が聞こえたから、と真由は語り、何の曲?と質問します。
教えるほどの曲でもないというか、気まぐれで吹いていただけというか、と久美子は濁します。気まぐれでそんないい曲吹くやつがおるか。
誰から教えてもらったの?先輩?と聞く真由にまあ、とはっきりは答えない久美子。
ごめん邪魔だったよね、と後退りして真由は日陰の中を去っていきます。
自分のことを知られることに抵抗があった、特に…というモノローグ。

ここは黒江真由怖く描かれてますよね。ニコニコしながらこちらに向かってくる真由は、久美子視点だとこんなふうに見えてるんだと思わされます。
これを悪気なくやっているのだからタチが悪いというかなんというか。悪いのはテリトリーから排除しようとする久美子とも言えますけどね。
日向から日陰に歩んでくる真由は無邪気に向かってくる子供のようで、闇にいる久美子とは、そして田中あすかとは対極にも思われます。特に…の後に続くのはあすか先輩のことは。だと思いました。

今の自分を形作っているのは田中あすかだと久美子が思っているからなんでしょうか。昔のあすかと今の久美子の共通点、それは大人のふりをして身動きとれず雁字搦めになってしまっていることかなと思います。
美玲の相談を聞いて解決してはいますし、周りからは頼られるのですが、自分のことになると途端に不器用になってしまうところがあすかとよく似ているのかなと思います。久美子が自覚的であるとまでは思いませんが。

そして立ち去る黒江真由は日陰から日陰へ。ここ引きの絵なのは、久美子視点からではないと真由も真由で闇というか、別の悩みを抱えているからなんでしょうね。
それは久美子に信頼されていないということが、あがた祭りの時に続いて今回もわかってしまったからというのがあるのでしょう。
そしてもう一つ、転校ばかりしてきた真由が本当に心通わせるような親友を作れていないということがもしかしたらあるのではないかと思うのです。仲良く話しているようなのだけれど、どこか気を遣われてしまう、どこか距離を置かれてしまうというのが北宇治に限らず常にあったのではないかと思います。
今回こそは、と自分と波長が合いそうな久美子に意を決してあがた祭りに誘ってみたり、演奏している曲について聞いてみたりしてみたけれど、久美子には避けられてしまう。そんな黒江真由は久美子とはまた別種の、深い悩みがあると思います。

放課後、職員室で久美子は滝先生に質問をします。
すずめが選ばれた理由についてです。
アンコンの投票でどのように投票したか久美子に聞き返し、久美子は完成度ですかね、と答えます。
私もそれと同じですと滝先生。音量のバランスで魅力的に感じたそうです。
話す滝先生の目線にメガネのフレームがかかっていることで、滝先生何考えてるのかわからんなってなります。
高音域は吹かないで貰えばいいだけですし、という滝先生の言葉に一瞬スカートをキュッと握りしめる久美子。
最後に「ユーフォのソリ、楽しみにしています。」と微笑みかける滝先生。

ここ、釜屋すずめが選ばれた理由はなんとなくわかりましたけど、それでもうまく言いくるめられた感がありました。最後のユーフォのソリ楽しみにしています、はこれを言えば喜ぶやろ、みたいな感じに聞こえなくもない。
職員室から出ると麗奈に声をかけられます。麗奈は何やら進路の話をしていた様子。
全国金取れると確信している、滝先生もいるし、と話す麗奈。滝先生…と呟く久美子。
ここ滝先生本当に信じていいのかな、という悩みが久美子に芽生え始めているように思えます。

そしてコンクール当日。久美子の北宇治ファイトー!はうわずりつつも気合が入っているように聞こえました。

今回はオーディション回ではありつつも、その後の不穏なところの描写もありました。
が、まずは加藤葉月がコンクールメンバーに選ばれてよかった。おめでとう。
きらきらチューバの頃から見てると自然と応援しちゃいますよね。
あれだけ頑張ってきたのだから3年生にコンクールで演奏してほしい、というのは実力主義より年功序列を、という考えに私たち自身が囚われていることにもなりかねないんですけどね。もし加藤葉月ではなく鈴木さつきが選ばれていたら、釜屋すずめが選ばれたことがますます納得できなくなってしまうのではないか。
そんなことを思うと香織先輩のことを思う1期吉川優子の涙が、叫びがより切実なものとして聞こえてきたりもします。
一方で鈴木さつきが落選しました。直接の原因は釜屋つばめの台頭ですが、考えてみればもしユーフォの枠が2だったら、低音に厚みを持たせるためにチューバ4だったのかもしれません。そうすれば実力のさつき、伸びしろのすずめをどちらも選び取ることができたのかもしれません。
そう思うと、今回真由は奏や久美子を落選させることはありませんでしたが、さつきのあの引き攣った笑顔を生み出したのかもしれません。
そして久美子にとって鈴木さつきとは、1番関わりの薄い2年生だと思います。それはとてもいい子で、美玲や求やそして奏のようなトラブルメーカーではないからだと思います。そんなさつきが落選しても久美子はどこか冷静に見えます。揺らいだ瞳で意を決して部長に意見しにきた美玲とは違って。
これがもし奏が、葉月が、そして久美子自身が同じ立場に立たされていたら、こんなふうに冷静ではいられなかったんじゃないかと思うと…。

今回、久美子に滝先生への疑念が生まれたように見えました。全体を考えて、というのは個々の技量の良し悪しを判断するのとはまた違います。全国大会金賞を取るという目標を叶えるために、「実力主義」を方法とするのが黄前久美子でこれが当然のようにも思えるのですが、滝先生はもう少し現実的に勝ちに行く方法を考えているようにも思えます。だから久美子は、すずめを選んだ理由を聞いた後に、滝先生は全国に連れて行ってくれるんですよね?と聞きました。
滝先生とそれを神格化する高坂麗奈。オーディションに参加したくない黒江真由や1,2年生の気持ちを代弁する鈴木美玲。そしてその間で板挟みになる黄前久美子。
オーディションが後2回あることを思うと黒江真由のような表情になってしまいますね。

まあ次回は府大会、さすがに演奏があるのではないかと期待しましょう。

そしてまた、次の曲が始まるのです。

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