響け!ユーフォニアム3 8話感想

8話の感想です。
合宿回ですね。





バスの中での会話。オーディションは1日目の夜にやるそうです。
麗奈は久美子を挟んで滝先生を見る形に。
ずっと隣だと緊張しちゃうからこっちの席にしたとしたらかわいい。

到着。
真由が久美子にご飯の席決まってるの?と尋ねると厳密には決まってないかなと久美子は答えます。
ここも無意識に警戒してる気がします。厳密にというか決まってないやろ。真由に誘われても断れるようにしてるんかなと思いました。

久美子ちゃんのためならなんでもするから、と言う真由の言葉を本心からのものだと素直には受け取れない久美子。
どうですかね、この言葉は本心な気もしますし、というか真由って基本裏表ないと思いますし。
でも前回の話を踏まえると、この「なんでも」というのは、久美子が望む全国大会金賞のためにより実力が高い者がユーフォのソリストになることを指しているとしたら、やはりこれは宣戦布告ではという気もします。

そして映る蜘蛛の巣。
これは1期で久美子が難しいパートを吹かなくていいですよ、と滝先生に言われた時にも映っていた蜘蛛の巣でしょうか。
不穏な香りがします。

今年もはしもっちゃんと新山先生が来ました。
はしもっちゃんの服のセンスは相変わらずです。

チューバは5人くらいの編成もありうるとのことです。
奏を軽くあしらう求。奏また負けとる。
そんな求を眺めるサファイア川島。仲良くなれて良かったとでも思ってるんでしょうか。

高坂のソロパートの演奏が聴こえてきます。
久美子先輩と高坂先輩の演奏ならきっと全国いけますよ、と真由の前で言う奏ですが、ここは真由に対する嫌味のような形で言っているわけではなさそうでした。
きっと奏じゃなくてもトランペットとユーフォのソリは黄前部長と高坂ドラムメジャーがやるんだろうな、そんな(楽観的な)見方を大勢はしていたのでしょう。

ただし高坂を除いては、でしょうけどね。
久美子、私はあなたとこのパートを吹きたいと思いながら吹いているようにも思えます。

もう一度!の真似するララすき。

みどりは相変わらずカレーが好きみたいです。変わらないですね。

真由は奏を裏表がないと捉えているようです。
まあ裏しかないというかなんというか。
奏が1年生の時は久美子がたじたじという感じで、2年になって飼い猫のようにおとなしくなりましたが、真由はすでに奏を見切っているように見えます。
自分は参謀です、みたいなキャラしてるのに見切られ敗北しまくる今季の奏、わりとすき。

久美子ちゃんソリ吹きたい?と聞く真由。そりゃ吹けるならと答える久美子に何も言わない真由。それを見て少し訝しがる久美子。
久美子はきっとまたソリを辞退しようかと申し出てくると予測していたのでしょうが、真由はそれをしませんでした。
真由がいるにもかかわらず久美子とソリの練習をしたいと誘う麗奈。
いや絶対トランペットのソリは麗奈に決まってるんだからここ麗奈にしては珍しく嘘をついたというか取り繕ってますよね。あなたと吹きたい、真由に負けないでというエールにも聞こえますが、久美子には届いていないようです。

2人でソリの練習。
真由ちゃん上手いもんね、という久美子に対し、上手いというか勘がいい、滝先生の求めてる音をすぐ出せると答える麗奈。
真由の方が上手いと認めたくないというのもある気はしますが、上手さでいうならどっちも変わらないと思います。ただ滝先生の求めてる音をすぐ出せるというのは、他の人が思っている以上に麗奈にとっての評価ポイントな気もします。

言っとくけど、私は全国も久美子と吹くつもりでいるから。

これは愛の告白でしょう。
それに対して久美子は「ありがとう。」と答えます。

いやありがとうじゃないだろ、そこは私も麗奈と吹きたい、とかそうだね、とかで答えるべきでしょ。
麗奈の気持ちは嬉しいよ、みたいな感じで答えちゃダメだと思います。
久美子も麗奈と吹きたいという気持ちはあるでしょうし、真由に負けたくないという気持ちはあると思いますが、それは今の久美子にとっては執着と呼べるほど強い感情ではないと思います。麗奈や真由のそれとは違って。
あとは奏が代弁したソリはあの2人でしょう、という空気に久美子自身も同調しているとも思います。

風呂上がりの久美子に忍び寄る真由。
真由はまた辞退しようかと尋ねます。
正直またか、って思いました。久美子もそう思ったでしょう。
いつものように北宇治のため、と久美子は答えます。
2度、違うでしょ…みたいな顔をした後でついに真由が本音を口にします。

それは建前でしょ。

まあそうですよね。そう思いますよね。
久美子は1年次にオーディションで揉めたという話をします。でもそれを乗り越えて今の北宇治がある。
きっと久美子がそう思っているというのは偽りのない事実だと思います。麗奈とソリを吹きたいという気持ちと同様に。

ただ、久美子がこの美談について意識していないことがあります。
それは、久美子1年次はソロを奪う立場の味方だったが、3年次は奪われる立場にあるということです。
久美子はあくまで1年次の高坂麗奈サイドでその事件を美談にして経験しているだけであって、当時3年であった中世古香織や2年であった吉川優子の立場で経験したわけではないということです。

北宇治の成長ストーリー、それはみんなわかってるという黄前久美子。
私は美玲の、今の1、2年は3年生ほど滝先生を神格化していません、という忠告が頭をよぎりました。
久美子にとってはそう信じている、というより紛れもない真実として固まってしまったものなのでしょうけれども。

わかった、と力なさげに真由は答えます。自分の前で抱えた腕から少し力を抜きました。
久美子が本音で答えてくれた、という安堵のようなものがあると思います。
ただし、久美子ちゃんが言うことは本当なのか、ほんとに私がソリストになってしまってもいいのか、という不安もあると思います。
ただ、最終的にはこれは久美子ちゃんのためだから、久美子ちゃんがそれを望むのなら、という思いで(むりやり)納得しているように思えました。

通路にはサファイアと葉月の姿が。
サファイアが求くんに大事な話があると呼び出されたみたいです。
久美子は求の姉のことだろうと察しているようですが、2人は告白か!?みたいなテンションです。
髪いじいじしてるサファイアかわいい。

オーディション。
演奏シーンはありませんでしたが、自分は美知恵先生に目がいきました。
少し下を向く仕草。もちろん審査シートを見ているように見えますが、3年間担任をしてきた久美子に肩入れして演奏を聴いているようにも思えます。
そんな久美子の演奏を聴いた後で真由の演奏を聴き、そして下を向いた、ということに意味があるのかなと私は思いました。

オーディションが終了し、幹部3人で集まります。
滝先生の差し入れと聞いて急に大事そうにオレンジジュースを抱える麗奈かわいい。
秀一は編成が変わるならユーフォかサックス、府大会の結果に疑問を持っている生徒もいると話します。
麗奈は滝先生がその結果を出したならそれを信じるだけと言う姿勢。
部長はどう思う、と秀一に問われた久美子は麗奈の言うとおりだと思う、とオレンジジュースを握る手に力を込めて話します。

滝先生の選考結果に疑問を持つ生徒がいると言うことで久美子が思い出したのは美玲のことでした。
表面上は麗奈を支持しましたが、手に力が入っているところを見ると、心の底から支持しているわけではないようです。

部屋を出ても滝先生から渡されたオレンジジュースを大事そうに抱える麗奈。
けなげ〜と茶化す久美子。
ちょっとした息抜きシーンではありますが、オレンジジュースを少し握ってクシャっという音を出させた久美子と、力を込めず優しく握る麗奈、オレンジジュースという滝先生へのスタンスの違いが現れているようにも思えます。

消灯後にリンゴジュースを買う奏とそれを見つけるりりりん。2人ともかわいい。
奏は求くんの姿を見つけてついていきます。

一方サファイアは食堂で1人黄昏ていました。
久美子と麗奈が声をかけます。
久美子ちゃんは聞いていたんですよね。改めて考えちゃいました、人にはいろんな気持ちがあるんだなって。
こう話すサファイアの声は過去イチ切ないです。
一年次に葉月を秀一に告白させて振られた責任を感じたサファイアでしたが、あの時の振る舞いは軽率だったと改めて反省しているのかもしれません。

求くんになんて言われたの、と聞く久美子に、教えないっと答えるサファイア。
そんな会話を聞いて大事に持っていたオレンジジュースを差し出す麗奈。
一方奏も求にリンゴジュースをこっそり渡します。

なんですか、これ。何このアニオリ。ええやん。
モノローグで久美子は知らない方がいいこともあるんだと言います。
でもかつて滝先生には奥さんがいたと言うことを麗奈に伝えずいじけられて、今度は浮き足立つサファイアにあー、それは求くんの姉のことだと思うよ、と久美子なりの優しさではあるんでしょうけど伝えなかったことは被ります。
本当のことを言わない、隠したということは麗奈を傷つけサファイアを傷つけました。
だから最後サファイアは久美子への秘密を作りました。求くんとの会話を2人だけのものにしました。でも明日からいつもの緑に戻りますと話しました。今夜だけはちょっぴり久美子ちゃんに反抗し、求くんのことをちょっぴり違った風に考えます。こうやって割り切っていられるのがサファイア川島の強さだと思いますし、よりサファイア川島のことがすきになりました。

オレンジジュースを差し出す麗奈は、勘がいいけれどもそれを伝える手段を持たない哀しきモンスターのような振る舞いでいいですね。少しみぞれを思い出しました。

リンゴジュースを置いて去った奏。
これはなんなん。
だって奏は求くんから話を聞いたわけでもないし、ただ物思いに耽っていそうな求くんを見てリンゴジュースを渡すという行動を取ったんですよ。
そして飲むリンゴジュースはりんごの断面が描かれています。
果汁100%とかは今はどうでもよくて、大事なのはリンゴの断面がハート型に見えるということです。
これ奏→求は確定ですよね。
求くんはどうなんでしょう。
リンゴジュースを置いて去っていく久石奏の姿は見えていたように思えます。そしてそれを躊躇もせずに飲んでいます。
そしてサファイアへの気持ちは恋愛よりもっと重い、別物な訳です。
奏にとってこの賭けは、分が悪いようには見えません。

早朝、窓辺にて。
久美子はあすか先輩の姿を思い出し、これが最後の合宿だと改めて思います。
響け!ユーフォニアムの楽譜に挟み込んだあすかからのポストカード。
ここ久美子の家の住所が935なの面白かった。

響け!ユーフォニアムを演奏する久美子。
もちろん引き寄せられる真由。
でもかつて真由はこの曲について質問するも久美子に断られたと言うのもあってか、声はかけませんでした。

広い空にいつまでもユーフォニアムの心地よい音色が響き渡りました。

さっちゃんとすずめ仲良くなってるのかわいい。
一緒に吹けるといいねと奏に声をかける真由。
久美子のソロの結果も気になりますが、ユーフォが3人吹けるのか(佳穂もがんばってはいます)など、オーディションは久美子以外の部員以外にとっても大切なイベントであることを改めて気付かされます。
ここはそういう意図で挟み込まれた会話に見えました。

いよいよオーディションの結果発表。
滝先生がコンクールメンバーの発表するのはこれが初めてです。
理由はわからないですが、今回は私が、と滝先生が思った理由があったのでしょうか。いつも美知恵先生に任せているのは、選考結果を聞いた部員の表情やその息を呑む感じ、空気に耐えられないからだったりするのかも、とか色々考えてしまいますね。

ユーフォニアム、3年、黄前久美子さん。3年、黒江真由さん。以上2名です。
そこに久石奏の文字はありませんでした。
一瞬えっ、と声に出してしまったことからも、奏自身も落選することは想定外だったのでしょう。

すぐさまチューバパート。
葉月、美玲の次に呼ばれたのはさつきでした。
そして釜屋すずめも呼ばれます。
チューバ4名。

ユーフォとチューバ、合わせて6枚の編成だとするなら、この結果は考えられないことではありませんでした。
もともと府大会でチューバの音量を気にしていた滝先生がさつきではなくすずめを入れていたくらいでしたから、パートは違えどさつき、すずめ、奏の3人が当落線上にいて、うち2名だけが選ばれるという状況にあったのかもしれません。
そしてギラギラと上を目指すすずめ、1年次、そして府大会落選の悔しさを晴らそうと努力してきたさつきに比べると、奏は自分がなんとしても受かるんだ、という気持ちは薄かったのかもしれません。そもそも落ちることはないだろうと思っていたのかもしれません。

発表はソロパートに移ります。
3年の高久ちえり、川島サファイア、釜屋つばめ、そして高坂麗奈。順当に3年生のメンバーが選ばれていきます。
そしてユーフォニアム。
3年、という音の次に滝先生が発したのは、黒江真由さん、という久美子が思い描いたシナリオにはない音でした。

蜘蛛の巣につかまるアゲハ蝶。

そしてまた、次の曲が始まるのです。という久美子の声は世界から色が消えたような響きを持っています。


今回はオーディション回でした。
久美子がソロメンバーから落選、というのは思えばいろいろなところからもしかしたらそうなるかもというのはありましたが、本当にこうなってしまったか、という気持ちがあります。
久美子だけじゃなくて奏が落ちてしまうのも厳しいところです。

黒江真由がしつこいほどに黄前久美子に問うてきたオーディションの恐ろしさ、本当に久美子は認識していたといえるのでしょうか。

1年次に高坂麗奈を支持してきた久美子からは見えていなかった中世古香織の姿、それを支持する吉川優子の姿。オーディションに受かるのは当たり前と思っていた奏からは(学年的に)見えていなかった中川夏紀の姿、そして府大会での鈴木さつきの姿。
オーディションという制度の光しか見えていなかった2人(黄前久美子にいたってはこのオーディションを1回から3回に増やしてすらいます)が初めて見たオーディションの影の部分。
この結果を受けて北宇治はどうなってしまうのでしょうか。
ヒリヒリする展開ですが次回も楽しみですね。

そしてまた、次の曲が始まるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?