無題

甘い匂いがして振り返る
タイトルを付ける作業に時給は付かない
そこに辿り着けないならいっそ選ばない

甘い匂いがして狼狽、

得手不得手を数えて夜が明ける
左肩をさすって信じる
いつかのフラミンゴ、飛んだかな

わたし、わたしは、

タオルケットに守られる
ひみつきちへおいで
瞳の奥、くちびるのあいだ、背中の傷
言葉まで探し当てて
ひたすらに夜を渡れよ