無題

夜に呼ばれてここへ来たの
熟れきった夏はひと齧りして捨てた
わたしの憂鬱に火を点けて

太陽の支配下では行き場が無いの
積み上げたマニュアルがぼやける
会場への道程に火を点けて

月への旅行もいつかは叶うと思うけど
きっとその時には地球上のロマンスが
数えきらぬ間に消滅する

恐る恐る味見した時事
昼休みのトラウマ
盗めない才能
盗み見た時めき
そんな勇気は無い

わたしのしっぽに火を点けて