【フォントメモ】クロワッサンのデザインかっこい〜い と思ったので明朝のフォントについて調べてみた。part2:黎ミン編

Part1ではスタートからすでにアンチックとA1明朝を間違ってしまったが、この調子でガンガン失敗しつつやっていきたいと思う。

今回は、前回のPart1で秀英明朝と比較するために引っ張り出してきた「黎ミン」について調べていく。


【モリサワフォント公式の説明】

クセのないニュートラルな明朝体「黎ミン」
34書体もの多彩なバリエーションを持つ黎ミングラデーションファミリー。
縦画と横画の太さを組み合わせることで、どんな目的にも使える柔軟性を実現しています。

・クセのないニュートラルな明朝体

明朝体の分類としてよく言われるのが「オールドスタイル」「スタンダードスタイル」「モダンスタイル」だが黎ミンはモダンスタイルに分類するようだ。

スクリーンショット 2020-03-09 16.38.18

公式サイトより抜粋。

リュウミンと比べてもさらに読みやすく、文字がクリアに入ってくる。


・横組みにも使える

見やすくて、横組みも美しい。
字面が揃い、フトコロの広いモダンな明朝体である「黎ミン」は、縦組みだけではなく、横組みでもラインや黒みの揃った美しい組みとすぐれた可読性を発揮します。

スクリーンショット 2020-03-09 16.40.14

こちらの画像も公式サイトより抜粋。


・多彩なバリエーション

34書体のバリエーションがどれぐらい多いのかというと、<2012年、世界で最も文字数の多い書体ファミリーに認定>されたほどだという。
モリサワパスポート加入中のPCで「黎ミン」で検索したら確かにものすごい数だった。

スクリーンショット 2020-03-06 17.56.12

終わりが見えん。

明朝体の可能性を広げる横画のバリエーション
「黎ミングラデーションファミリー」は、「黎ミン」をベースに、横画の太さを段階的に変化させたY0(Y表示なし)~Y40の5つのバリエーションと、8つのファミリーの計34書体で構成されています。従来の、おもに縦画が変化するウエイトという軸に、横画の太さという軸が加わり、幅広い表現や繊細な選択が可能になりました。ここでは全34書体を目的別の4つのグループに分類して紹介します。


・明朝体のウェイトとは、従来「縦画」が変化するもの
・黎ミンは「横画」を軸に変化する<Y>シリーズを持っている
ということらしい。

↓これが従来の明朝体、「縦画」を軸に変化

アートボード 1 のコピー 2-100


↓これが黎ミンのすごいとこ、「横画」を軸に変化するラインナップ「Y」シリーズがあるよ

アートボード 1 のコピー 3-100

LをRにするウェイト変更のほか
微妙な太さの変化をつけたいときに Y10〜Y40までのラインナップで幅を出すことができる。

説明上X軸って書いてるけど、Yの幅が増えるから頭文字がYなのだと思う。

公式サイトに各ウェイトの変化をわかりやすく比べることができる仕掛けが設置されており、弄ってみると変化が分かりやすかった。見出し、本文グループなどに分類もされているのでデザインするまえにニュアンスを掴んでおきたい。

スクリーンショット 2020-03-09 16.36.29

スクリーンショット 2020-03-09 16.36.49


【どんな時に使う?秀英明朝と比較して考える】

Part1で見た秀英明朝と比べて考えてみる。
●秀英明朝と同じく、フトコロがかなり広いので本文書体としても使える。
●秀英明朝にはある<連綿>があまり目立たない。
●秀英明朝はオールドスタイル(100年以上開発が続いている)だが、黎ミンはモダンな印象である。
●秀英明朝は<目に優しく、黒みを抑えた印象>だが、黎ミンは<クリアで黒と白のコントラストがくっきりとした鋭い印象>に見える。

スクリーンショット 2020-03-09 16.47.07

<上記、秀英明朝M>

スクリーンショット 2020-03-09 16.47.46

<上記、黎ミンM>

どんな案件でこれを本文フォントを使うだろうか想像してみる。
●秀英明朝/創業100年、老舗のお茶屋さん。輸入雑貨アンティークなどを取り扱うショップ。民俗学に関するコラムを掲載した冊子。
→100年の歴史を感じるシックで温かみのあるものがマッチしそう。

●黎ミン/新たなサービスを提供するベンチャー企業、飲み口のキリっとした新しいチューハイ、新規事業展開をお知らせする企業DM
→誠実さ、挑戦する姿勢、新しさなどキリリとした印象

見出し、コピーなどのフォントの組み合わせにもよるけれど、どのように使うかを考えるときの引き出しとして持っておきたい。

【次回は凸版文久明朝】

リュウミンにしようかと思ったけどリュウミンの気分ではなかった。
次回は凸版文久明朝をメインに考える。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?