Landscape Flicker (Digest Version)

Landscape Flicker

身近な光の変化を、写真の集積とその時間操作によって表現するアニメーション動画を作るようになって、人の中に沈殿し堆積している時間について考えるようになった。

ある情景が目に浮かぶと、一見それとは無関係な情景が次々ととり止めもなく連鎖する。
音やにおいが契機となって、突然過去の一場面に引き戻されることもあり、現実空間でたしかに経験したことなのか、夢の中の出来事なのか、見分けることも難しい。

本作品は、まず様々な場所で規則的に撮影した二万枚以上の写真を、実際の経過時間とは無関係に繋げ、それぞれをレイヤとして重ねて様々な仕方で透過させた。

次にそれらのシーンを、明滅し反復するイメージの基に時間軸上に配置し、撮影時に顕在的に聴こえていた風の音、潜在的に聞こえていた空調機や自販機の音のレイヤを加えた。

写真が捉えた都市空間を、マルチプルワールドへと変換する試み。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?